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国内有数の老舗自動車メーカー『TORABEL(トラベル)』創業者一族の御曹司。しかし、車やバイク等を乗り回すことは好きだが、大人しく会社勤めが出来るような人間では全く無かったため、三男であるのをいいことに家のことは全て長男に丸投げし、自分は大学卒業後、好奇心を満たすためだけに探偵調査士検定と探偵業務管理者検定を受けて合格してしまうと、そのまま探偵事務所を開業した。 自分の好奇心の赴くままに様々なことに首を突っ込んだり、あるいは無遠慮に他人の事情を引っ掻き回すのに「探偵」という肩書は都合が良さそうだという判断をしただけで、別に探偵そのものに対しては一切の思い入れは無い。完全に道楽である。 性格は「奇人」の一言に尽きる。幼少期より謎解き等の頭を使う遊びを好んでおり、更に好奇心が人の何倍も強いため、自分が気になったことには片っ端から首を突っ込んでいかないと気が済まないトラブルメーカー。この世のありとあらゆる禁止事項は積極的に破りたがるタイプで、何故禁止されているのかを理解した上で実際に破るとどうなるのか見たいという動機で実行。その結果どんなに痛い目を見ても全く懲りず、何度でもまた似たような行動を繰り返す。 皮肉屋で自信家、更に毒舌家。極めて大人げなく、我儘且つ傲慢。とにかく厄介で気難しい男。知人は多数居るが、当然ながらその性格から友人は一人も居らず、それを「僕についてこれない連中が悪い」と言い切り、自分に非があるようなことは全く認めない。とんでもなく自己中心的な人物。 ただ、最低限の倫理観は持ち合わせているため、殺人などのマジでヤバいことには手を出していない。不法侵入や盗聴などの軽犯罪くらいは(比較的頻繁に)やらかしているが、厳重注意で済まされているかバレていないので前科は無い。経歴は実質クリーンである。地元の警察署では顔を見せると怒られるか逃げられるかしている。 探偵としては優秀な部類。バレなければ犯罪ではないので、あらゆる手段と行動力と何よりプライドでもって依頼をこなす。同居中の助手が優秀であることもあり、舞い込んできた依頼はほぼきちんて解決している。 が、そもそも前提として殲咒郎が非常に我儘であり、持ち込まれる依頼を選り好みする。そのため、気に入らない依頼はその傲慢な態度と悪すぎる口で突っぱねてしまうため、そもそも依頼自体が来ることがあまり無い。事務所はもっぱら閑古鳥が鳴いている有様。実際殲咒郎の好奇心を満たす言い訳のために掲げた看板のため、ほぼ名ばかり探偵事務所である。 そんな調子なので、探偵業では実は殆ど収入が無い。収入の大部分は探偵事務所が入っている自分のビルの家賃収入(喫茶店や企業オフィスなどが入っている)と、家を出る時に実家から与えられた『TORABEL』の株を元手に始めたデイトレードである。本当に探偵業は道楽。助手は事務所の経営状況に対して、全く傾く様子の無い家計に首を傾げている。 殲咒郎の探偵としての活動は、様々な事件や噂を嗅ぎ付けてきては依頼でもないのに勝手に首を突っ込み、満足するまで調査をすることが殆どである。捜査権限も無いのに警察の真似事をしているわけだが、その過程で実際に犯罪行為を暴くことが度々あり、そういう場合は警察に通報したり情報を流したりするため、多少なりとも解決の一助となることがある。それ故、身内に刑事が居ることもあって、警察関係者からは厄介だが役に立つ外部協力者めいた認識をされている部分がある。 代表的な実績の一つは、学生の間で流行っていた違法ドラッグによるレイプ事件の解決。ある時、たまたまニュースでレイプ事件裁判を扱っており、その被告人の某有名大学の学生が「相手の女性とは合意の上だった」というような供述をしているのを見て「〇〇大学の学生か。国内でも上位の教育機関の筈だが、その割には随分と稚拙な供述をするもんだ。脳が酒とドラッグで委縮しちまってるんじゃあないか？ どれ、実際このドラッグとやらでどの程度人がバカになるのか見てみようじゃないか」と思い立ったのがきっかけである。 殲咒郎はただただ酒とドラッグをやっている大学生がどれほどバカになっているのかを見たいという理由だけで、巷で若者を中心に出回っていたレイプドラッグを入手。どういった手腕かその出所がとある半グレ集団であることを突き止め、ドラッグの流出先となる顧客リストの情報を手に入れて、そこから目的である「酒とドラッグをやっている大学生」をピックアップすると、そいつが所属している飲みサーが頻繁に利用するとあるバーにずけずけと侵入。期待した通りの随分と出来上がった頭の悪そうな集団を発見すると、暫く様子を観察するのを楽しんだ。 「全く。男というのはいつまで経ってもガキだなんて言うが、否定できなくなっちまうな。よくあそこまでどんちゃん騒ぎしていられるもんだよ。さっきから聞いてりゃ、延々と低俗な下ネタと頭の悪い中身スカスカの会話とセクハラしかしていないじゃあないか。逆によくそれであそこまで盛り上がれるな……それはそれで面白い。頭を叩いたら随分と軽い音がしそうだ」 「お、あいつ今ドラッグを入れたな──って、おいおいおいおいおいおい、ウッソだろ！ あいつよりによってミモザに入れたぞッ！ アレは悪用防止のために青色に着色された睡眠導入剤をほぼそのまま流用して雑にハイになる薬と合成した、三流半グレ集団が小遣い稼ぎに低価格・低品質で流通させている代物だ。なのに黄色のカクテル(ミモザ)に入れれば、一発で混入が分かるッ！ 黄色に青を入れれば緑になる簡単な変色さえこいつらは知らないのか！？」 「あんなもの、どんなバカでもおかしいと気付くぞ。飲むわけが……は？ 今あの女飲んだか？ ……まさか同意だとでも？ おいおいマジか、男7女3の対比だぞ。その状況で同意？ 明らかに輪姦になるのが目に見えてるぞ？ こんな頭の悪いサークルに所属しているくらいだ、ハードプレイが趣味のヤバいビッチの可能性はあるが………………まあ、万が一本気で同意だった場合は、またどこかで男を漁りに行くだろう。今夜は僕のためにお預け食らってくれよ」 ──結論だけ言うと、この飲みサーを装ったレイプ集団は乱入してきた殲咒郎に散々引っ掻き回された後、通報を受けていた警察が来て残らず捕まった。そのまま余罪も発覚し、芋づる式に半グレ集団も逮捕。この世から一つレイプドラッグが姿を消すことになったわけである。 なお、乱入の際に好奇心でドラッグ入りの酒を飲んだのだが、当然ながら駆けつけた警察官にしこたま叱られた。薬物の使用で現行犯逮捕されなかったのは、ひとえに通報者であって事件とはほぼ無関係であることと、いつもの殲咒郎の奇行に慣れた彼らからの温情である。ちなみに、飲んだ感想としては「別に美味くもなんともない。頭がぼやけて不快だ。女とセックスするのにわざわざこんなドラッグを使わないといけない連中は大変だな。ダッチワイフ抱いてるのとどう違うんだ？(APP17)」だった。 この事件には続きがある。被害者の一人がその後娘の醜聞を疎んだ親に大学を中退させられた上に家を追い出され、困り果てた末に、事件を解決するきっかけとなった殲咒郎の元に転がり込んできたのだ。殲咒郎は当初は容赦なく追い返そうとしたが、行く宛の無い若い女性を叩き出すことに僅かな良心を刺激され、結局一晩宿を貸すことにした。 ちゃんとした部屋や寝具はあったのに、生活スペースに他人を入れることを嫌がった殲咒郎が事務所のソファを宛がったにもかかわらず、彼女はいたく恩を感じたらしい。翌日、お礼にと言って彼女が料理をするというので、貸し借りが嫌いなために期待せずにやらせてみたところ、出てきたのは予想を裏切る見事な和風の朝食であった。 さて。寅辺殲咒郎という男は、生粋のボンボンである。無駄にこだわりはあるし、好みは非常にうるさいが、そのくせ自分では家事全般を不得手としていた。なのにハウスキーパーの類を入れることは嫌だという彼の事務所と生活スペースは、ギリギリ人が生活できるレベルではあるが、まあ荒れ果てていた。ゴミ出しと最低限の掃除だけは辛うじて出来ていたが、身に着けるものは財力に物を言わせてクリーニングに出したり、食事は専ら外食という、金持ちにしか許されない不健康で不健全な生活をしていた。 そんな折に、久方ぶりのまともな手作りの食事が出された。しかも味もまあまあ舌に合う。あれこれ質問すれば、他にも料理のレパートリーはあるようだったし、家事全般も一通り出来るとのことだった。殲咒郎は自分のこだわりと生活環境、そして目の前の人材を秤にかけると、その場で素早く雇用契約書を用意し、サインさせた。 かくして、殲咒郎はレイプドラッグを一つ根絶させるのと同時に、羽仁井兎萌という優秀な家政婦 兼 事務員 兼 助手を雇うことになったわけである。その後、襲来した兎萌の毒親を口で徹底的に叩きのめして追い返すといったこともあったが、そちらについては割愛する。 出会いのきっかけがきっかけのためか、結果的に救われた形となる兎萌からは、特別な好意を寄せられている。殲咒郎もまた、気難しく人付き合いの才能が皆無の自分と数年間生活を共にして付いてくる彼女を憎からず想っているのだが、なんとその自覚が全く無い。そのくせ助手からの好意にはきっちり気付いており、自分をその気にさせれば応えてやるか考えなくもないという傲慢なスタンスを取っている(もっとも、彼女の方は応えてもらわなくても構わないというスタンスなので、殲咒郎の方からアクションが無い限りは恐らく進展しないと思われる)。 そもそも、相手が自分を好いているからと言って、全く態度を軟化させるようなことも無い。他の人間と同様に毒舌でこき下ろし、皮肉で嘲笑し、傲慢に振り回す。だが、そこまでしても、あるいはされても離れようとせず、(本人は決して認めないが)根底に僅かに混入した分かりづらい優しさのような好意のような感情を拾い上げては慕ってくる彼女を、物好きな女だと言って傍に置き続けている。その行為自体が既にクソデカ感情の証明なのだが、何故そこまでしていて自覚出来ていないのかは謎。 また、普段は探偵と助手(事務員)として圧倒的に偉そうに強気に接しているが、家政婦としての彼女には割と勝てない。彼女が居なければお茶を淹れるにも茶葉やティーセットの位置さえ分からず、洗濯機を回すにも洗剤と柔軟剤の場所も分からない。当然トイレットペーパーの予備の場所も分かっていない。勿論料理に至ってはお察しである。実質彼女に生活の全てを握られていると言っていい。それでも意地を張って君が居なくても平気だと宣うが、どこからどう見てもこの件に関しては兎萌の圧倒的勝利である。 職業ベース：自宅警備員(クトゥルフ2015) 職業自由枠：【目星】【言いくるめ】【心理学】 特記事項：CON-1、ネット上の噂話に関する【図書館】にボーナス20％ 技能入れ替え 【コンピューター】⇔【鍵開け】 相応にパソコンは扱うが、プログラム言語などには明るくない。そのためハッキングなどのデジタル的な鍵開けは不得手だが、不法侵入のためのアナログ鍵開け技術は何故か鍵屋レベルのものになっている。 技能についての補足 【言いくるめ】80→口から生まれたとしか思えない程に口が達者。隣に助手が居ると見栄を張りたいのか何なのか、更に口が回る(※助手である兎萌の【職業：メイド】の特記事項ボーナス)。 【聞き耳】80、【図書館】80、【目星】80→人の話を耳聡く拾い上げ、興味を引く物を目聡く見つけ出し、好奇心を満たすために徹底的に迅速に調べ上げる。そうした生き方が結果的に探偵としての調査能力に直結している。 加齢ルールによりEDU+1。 特徴表 32【プロ・ドライバー】 小さい頃から乗り物で遊んでいた。あらゆる【運転】技能の基本成功率は50％である。 ↓ 老舗自動車メーカーの御曹司として車やバイクは幼い頃から身近であり、私有地で(危険)運転を繰り返してきた。既定の年齢に達すると免許を取りに行ったが、普通自動車から大型車両、果ては電車の免許まで好奇心で取得した。 60【好意を寄せられている】 シナリオに登場する誰かに好意を持たれる。キーパーの裁量で誰が、何故好きなのかを決定する。どれほど好意を寄せているかは1d100ロールで決める(数字が大きいほど好き)。 ↓ 苛烈な性格だが、外見の良さも相俟って、見知らぬ相手をいつの間にか惹きつけてしまっていることが度々ある。(1d100<=91) 通過シナリオ ・同居人 ・生者のイドラ ・カクテルA ・暑と寒 ・かみさまのいうとおり ・心彼岸 ・ハーデンベルギア ・ふた　しか ・キスせえ ・Ring On

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