タグ： 苔桃

HO2A:還らぬ友 君の親友は最高の登山家だった。彼は第一次狂気山脈登山隊の一員としてかの山にアタックし、未だ還らない。 第二次登山隊の結成が発表された時、君が志願したのは必然だった。 【ミッション:親友を見つけ出す】 日本人の母親の女手一つで育てられた。父親の顔を知らないが自分の容姿は父親の残したものだとして鬱屈とした学生時代を過ごしてきた。（実は外国人夫婦が事故に遭い死亡してしまって残された子供であり実際はハーフではなく普通にイギリス人だったりする。ルイスは二十歳になってからそれを知らされている。英語は一切話せないが）中学生でいじめとまではいかないがその外見のことで弄られて嫌になっており、放課後の教室でぼうっと座っているその際に島田秀（シマダ　シュウ）（仮）と出会う。 「でっかい山ってさ、国境にもなるし国と国をつなげるものにもなるんだよ！なんつーかさ、いろんな国の人間がその山登るのもさ、意味わかんなくて面白くね！？俺、海も好きだけど山が好きなんだ。でっけーやべーもんが好きだ！マンモスとかブラキオサウルスとか好きだけど今は山が一番好きだ！エベレスト、モンブラン、あと名前のわかんねえでけえ山！いろんな人間が登頂を必死に叶えようとしている感じ、おもしれえよな！」 とお前が一番意味わかんねえ。となる言葉だがルイスはそれを聞いて自分の見た目とかいろいろ言われてることとか父親とか一瞬なんかどうでもよくなってしまった。 「水嶋、一緒に富士山登らねえ！？」「……なんで俺？」「お前と登りたいから！」「だから、なんで俺。」「ここにお前がいたから！」「……島田。俺のこと気を遣ってくれてんだろうけどさ」「違うよ水嶋。なんかすごい登山家が言ったんだよ。そこに山があるから。そこにエベレストがあるから登るんだって。それと同じだ。俺、お前がっていうよりお前がここにいたから誘いたい。お前がここにいたから誘うぞ。運命的だろ！な！じゃあもういっかい！一緒に富士山、登らねえ？いいって、言ってくれよ！」 そこから二人の登山家は山への第一歩を踏み出した。流石に富士山登頂はすぐにはせず地元の公園の小さい山から登ったけど。 高校、大学、社会人になって島田は世界にも名を轟かす登山家になった。ルイスはよく島田秀の隣にいる外国人辺りの知名度だったがそれでよかった。島田と山に登れればよかった。 「水嶋、わりい！先に俺、登ってくっから！！」 その山脈が突如として現れるまではそれが叶い続けていたんだ。なんで。そこに山が、なければ。 あれから五年。友人の望みを叶えるために。 でもまあ、それだけじゃなく俺は俺の意思で山に登るよ、島田。

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ