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心理学者。 本名　朝倉　夏海 私の両親は何でもできる。勉強はもちろん、運動や音楽、芸術なども抜きんでていた。 昔から、優しくはされてはいなかった。何もできなかったからだ。 ある時、弟が生まれた。 弟は勉強や運動、芸術に対しての呑み込みが早く、ことあるごとに比べられた。いわゆる何でもできちゃう子だ。 　両親はそれをとても喜んでいた。一方私は特に個性はなく、体力もない。 弟が生まれてからというもの「つまらない娘」と言われ、 親からは見放され、私のことを気にすることすらなくなってしまった。私に注がれなかった愛情が弟にはたくさん注がれていた。 　学校でもいじめの対象にされていた。靴を隠されたり、殴られたり、トイレの水を飲まされたり。 先生に相談するも「気のせいじゃないか、そんなに気にすることもないだろう」と、相手すらされなかった。 　私の居場所なんてどこにもなかった。　いつの日か私は引きこもりになっていた。 現実から逃げ、隠れるように日々を過ごした。　 　高二生の冬、私は家出をした。死に場所を探していた。もう駄目だ。耐えきれない。と駅のホームから飛び降りようとしたとき、 とある人に止められた。振り向くと優しそうな女性が止めてくれていた。なんで死なせてくれないの！というと、目の前で人が死ぬところを見たくなかったそうだ。（実際私は誰かに見つけてほしかった。止められたときはうれしさで涙が止まらなかった。） 　自殺の経緯を話すと女性はやさしく家においでよ。と言ってくれた。私はほいほいついていった。 どうやら彼女は心理学者らしい。人の成り立ちや心理描写。表情の読み取り方やポーカーフェイスなど聞いてもいないのにたくさん教えてくれた。彼女はもはや私の母替わりのようなものだった。毎日ご飯を作ってくれたり勉強を教えてくれたり。 　 　ある日彼女が死んだ。トラックと正面衝突らしい。即死だった。修復されつつあった私の心はついに崩壊した。 どうして神はこんなにも無情なのかと届かない叫びを数日間つづけた。落ち着くころには声も出ず、涙も出なかった。 幸い彼女から教えられていたことは頭からは抜けてはいなかった。が、これからどうやって生きていこうか。 　彼女亡き今私はどうしたらいいのだろうか。 数年たち、25歳。いまだ私は彼女の家にいた。私は彼女となって生きると決めた。心理学者として。櫻井璃那として。 お金もそろそろ底をつき生きる為に職を探し始めたところだ。 どこかで誰かが私を。朝倉　夏海を見つけてほしいと思っている。 連絡先:秋月 希 後遺症:SAN値が0になると喰種になる。

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