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馬通 ヨシカ(まとおり よしか) 「██████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████████」 Vtuberユニット「ワイルドハント」の総帥であり、設定上でもその創立に関わっているとされる謎の存在。「わろっぷー！ワイルドハント総帥、獅子身中の獅子系Vtuberの馬通ヨシカでーす！」というのが恒例の挨拶。 キャラクター設定についての言及が極端に少なく、ホームページに書いてある各メンバーの公式紹介文も彼女一人だけ黒塗りで埋め尽くされている。数多い楽曲カバー動画の演出には「インクのような泥のような真っ黒い懸濁液で出来た体」「空に浮かぶ大きな満月」「生き物なのか作り物なのか微妙」「遠近を無視して画面を直接黒く塗る」などが共通していて、考察が盛んというよりも「なんかそういうもの」として受け入れられがち。 配信者としての彼女は、「高い歌唱力の一方でキャラコンゲーの腕前は致命的、コミュ力が高くて若干ポンコツ」というのがリスナーからの大まかな印象。 カバーする楽曲の方向性は多岐に渡る……というよりも、流行に素早く飛びついていると言った方が正しいかもしれない。しかしながらどれも非常に高いクオリティを誇り、中には伸びに伸びてダブルミリオンを達成しているものもある。 ゲームスキルは壊滅気味。指先どころか、3D配信を見る限りでは全身の動きがギクシャクしており、彼女の超常的なキャラ設定から「この肉体の操縦にまだ慣れていない」とリスナーに揶揄されるまでが一連の流れ。 また、界隈全体から「大変タチの悪い人誑し」という共通認識を持たれている。普通、リスナーがVtuberの関係性に対して見出す「てぇてぇ」という観念は、ある程度の冗談らしさや公然性の下に成り立つことが多いはずだが、彼女の場合はちょっと様子が違う。 具体的には、どうとでも取れる文脈での「好き」という表現を多用したり、気軽にラインを踏み越えるガチっぽい口説き文句を放って反応を伺ったり、相手が可愛らしい失言をしてしまうような曖昧な言動でからかったり、やたらと人格面を褒めてきたりなど、そのうち問題になりそうな挙動の塊。男女を問わず、ありとあらゆるコラボ相手との間でこの際どい交流を続けており、特定の誰かを贔屓しないことからそういう芸風として受容される一方、彼女曰く「裏では全世界のガチ恋勢から銃口を向けられている」らしい。 また、三度の飯よりコラボを好むと言われている。他所様にお邪魔することもあるが、自分がホストを務めて人を集めることの方が多く、暇さえあれば4〜5人ほどの同業者を突発で招いて遊び倒し、その様子をライブ配信したり動画形式でアップロードしたりする。全員が3Dモデルで出演するような大きな企画の頻度は月2回ほどだが、2〜3人程度のゲームプレイはほぼ毎日のように配信されていて、その総再生時間は膨大。 総帥を名乗っているだけあり、現在のチャンネル登録者数はワイルドハントで最多。その一方で、箱推しのコアなファンからは「リーダーだけど他メンバーの多くが持ってるような反社会性はない」「良くも悪くも安定してる」「チュートリアルっぽい感じがする」と分析され、本人もそれを否定しない。むしろ「わかってるねぇ〜〜〜」とでも言わんばかりに肯定的な態度を取っている。 しかし、近い位置から彼女を見ている他メンバー全員から「冷静に考えたら自分たちの中で一番ヤバいのは総帥」と評されることもある。彼女はこれも否定しない。 「ねえ、ちょっと、私のこと知ってて顔伏せたでしょ。新しく入ってきた人？」 「……やば、うっかり脅すみたいになってしまった。すいません……あの、ご挨拶したいなーとか……思っただけでして……」 「あーーー待って、見覚えあるわ！ 年度の初めに面接来てくれた人でしょ！ 私がボソッと『新卒でVeryWise来るの勇者だなあ』って言ったら結構笑ってくれた……」 「だよね。ってことは、あの機会では結局他のところ行ったのね。いやいや全然、むしろめっちゃ賢明だと思う！ ……私が言うべきことじゃないかもしれんけど！ ってか、前と比べて顔つき変わってない？なんかちょっと雰囲気しっかりしてるよ」 「じゃあ、改めて自己紹介させてもらおうかな。私は二万円愛凜音、一応ここの創業者かつ社長ってことになります。肩書きから想像されるくらい偉いわけじゃないんだけど、VeryWiseについて詳しいことは間違いないから、気軽に相談して。ま、もっと気軽に相談できる相手作った方がいいんだろうけど、それができるまではさ」 二万円 愛凜音(ニマンエン アイリイン) 2015特徴表：寄せ餌(4)、潜水の名人 二万円家出身。大体アイリーンという感じに呼ばれる。VR技術の開発、社内スタジオの貸出、バーチャルタレントの養成やマネージメントなどを行うVR関連の企業「VeryWise」のCEOであると同時に、公式Vtuberユニット「ワイルドハント」のリーダー(総帥)でもある。 Vtuberとして自分と違うキャラを演じるタイプではなく、コミュ力が高いのも人誑しなのも本人が生まれ持った性質で、無理な人はとことん無理なのもそのまま。そういう振る舞いの影響なのか、「常識や人間性の一部を代償にしてどこかが突出した結果怪物のようになっている人間」が周囲に集まりがちで、どういうわけか彼女自身もそんな気質の人が大好き。よかったな。 VeryWiseという企業自体がこのような存在の巣窟になっているので、上手くハマればとても過ごしやすい一方で、人によっては多大なるストレスに襲われ続けるらしい。具体的に言うとツッコミ体質や常識人は悲しみを背負うと思う。 「現実は空想を妨げる枷」という思想を持ち、「イメージやアイデアが不自由なく発信できるように現実を造り直す」という目標を掲げて会社を運営している。 アウトプットの形を多様にする為の技術開発を進めることはもちろん、倫理や社会通念の面で陰に追いやられがちな嗜好やユーモアを肯定することも含んでいて、隠すつもりもなく彼女も官能と暴力のモチーフを好みまくっている。曰く、「こういう原始的な欲に素直な人は、そうでない人に比べて脳が健康になると思う」とのこと。 経営者としての彼女は、会社の成長速度よりも安定状態の維持を優先する一方で、経営方針と直接関わらない範囲で自分や仲間たちの理想をなるべく多く叶えようとしている。 先頭に立って全てを導くような性格のリーダーではないが、業務を動かすため、組織を治めるために会社の人間から向けられている色とりどりの好意を最大限に悪用してしまっていて、本人にもその自覚があるのか彼女が受け取る役員報酬の額はかなりほっそりしている。実家がとんでもなく太いのでぶっちゃけ金銭欲はないらしいが。 ここだけの話、彼女には一企業のトップとは思えないほどの放蕩癖があると言われている。 業種を同じくする知人との間に極めてプライベートだったり性的だったりする関係を作りまくっていて、界隈の噂話に明るい人間ならば一度は耳にするレベルらしい……というか、本人が纏っている雰囲気がまさにそれなので、「実際に話しただけで噂が確信に変わった」という人も少なくない。 しかし、本人は何を言われても特に気にしている様子がない。このことを厳しく問い詰めると返ってくる、「人のこと好きになっちゃったら止める手段はない」という主張が、彼女の異常性を端的に説明する時役立つだろう。 せっかくなので、VeryWiseという企業の歴史についてここで触れておきます。ワイルドハント勢のキャラシを読む際の参考としてください。 起業の準備が始まったのは今から8年前、二万円愛凜音が高校2年生の時。 当時のVR業界は3DCG業界の中に包含されている部分が多く、その中でも先鋭的な取り組みを続けている会社に度々遊びに行っていて、今でも続くコネクションの一部がこの時期にはもう築かれていたらしい。 実は、「馬通ヨシカ」という名前の配信者はこの時既に存在していた。身バレ防止のためにちょっとしたキャラクター性を纏っていた点では今で言うVtuberと近い形で活動しており、後に公式タレント「キャンディー・ライオット」となる当時からの友人を稀に巻き込みながら、極めて細々と活動を続けていたものの、起業が近付いた時に活動を休止した。 「VeryWise」という名前の企業が生まれたのは今から6年前。起業1〜3年目は、業界との繋がりを活用する他にも、実家の太さを利用した強力な初期資金を駆使して、技術を新たに開発して特許を取ったり、映像制作の外注を受けたり、精度は平凡だったが当時とても珍しかったフルトラッキングが出来る社内スタジオの貸出などでも収入を得ていた。この頃は何もかも手探りだったので、特に繁忙期ともなれば勤務形態は地獄の様相を呈していたらしい。 VeryWiseでバーチャルタレント事業が始まったのは起業から4年目。個人勢に近い形態で活動するVtuberと緩めの契約を結ぶ“VeryWiseイリーガル”というプロジェクトの他、YouTubeのVeryWise公式チャンネルにて馬通ヨシカとキャンディー・ライオットが配信者らしく活動し始めた。なお、この時期の二人が頑張っている動画は「今改めて見るからやっと面白い」と言われるくらいのクオリティだったらしい。 後に続いて公式タレントとしてデビューした「霞華サキ」が切れ味の鋭いキャラで注目を集める中、彼女の提案によって公式タレント全員を一つに纏めるVtuberユニット“ワイルドハント”の計画が発表され、それまではTwitterでのみ存在が認知されていたVeryWise経理部長が受肉する「宵待レギナ」を4人目のメンバーとして迎え入れて結成された。 新たな看板コンテンツによってこれまでとは一線を画する知名度と収益を得たVeryWiseの5年目は、既に地盤が固まっている事業を一回りずつ拡大して行くという、意外にも守りの姿勢での進歩を続けていった。5〜6年目の間にワイルドハントからは「枸櫞杯」「歩瞬ミュート」「憂透・E・スピ香」の3名が新たにデビューし、合計7名でインターネット上に数々の事件を起こしている。 現在の位置は6年目（の内いずれかの都合がいいタイミング）あたり。イリーガル枠の受け入れもより広く行われるようになったことで独特の空気感が成立しつつあるが、緩く迎えたピークを緩く終えるような形で、穏やかに安定した流行度のままマイペースな成長を続けている。 時系列を大雑把に纏めると、準備期間の始まりは8年前、VeriWise創業は6年前、VeryWiseイリーガルおよびワイルドハントの成立は2年前という感じになります。作者自身もそこまで厳密に扱ってはいませんが、気になることがあったら気軽にご質問ください。

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