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七津角 那莵（ななつかど なつ）は子供の頃から控えめな性格だった、といえば聞こえはいいが、悪く言えば根暗な性格だった。 その中の一つとして、自身の名前にある。 有栖川有栖のファンであった父は自身の子の名前も苗字をもじったものにした。 名前とは子供の頃には嘲笑の対象になり得やすいもの。例にも漏れず那莵もいじめというほどではなかったが周りから指摘された。 周りとの亀裂が入ってしまった那莵は実の両親を恨むようになり、両親が好きなものを否定するまで反抗するようになる。 父の好きなミステリー小説は一切読まず、母が好きなクラシックを嫌悪するようになった。 しかし、母が無理やりピアノ教室に通わせており、中学に入るとピアノではなくシンセサイザーを購入し、ロックの道に進む。 母はロックの道に進む那莵を叱りつけてでもクラシックを勧めたが、中学の時に那莵の妹を身ごもると興味を無くしたかのように那莵を無視するようになる。 父も女の子が生まれたということもあって末っ子を甘やかすようになり、那莵を味方する者は家にも学校にもいなくなった。 そのため、高校を中退し、その後はすぐに家を出た。その後、両親と連絡を取っていない。妹も小学生に上がったころだと思うが、かわいいとも思ったことが無かったのでどうでもよかった。 その後はバイトと、個人で音楽活動を行っていたが、鳴かず飛ばずの成果しかなかった。 音楽活動は続けており、フリー音源をアップロードしては再生回数で稼いでいる。 バイトとして入ったイベント会社は陰キャな那莵には居心地がよく、今では契約社員のような扱いで所属している。 今回は南アリサのライブ会場の設置というイベント関係のバイトに参加し、今回の事件に巻き込まれることになる。

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