タグ： 海も枯れるまで

踊り子といっても華々しい舞台でスポットライトを浴びるようなものではなかった。 母は、父親が誰かを明かさずに私を産み、彼女の母親に押し付けそのままどこかに消えてしまった。 彼女もまた踊り子だったそうだ。 祖母は私を愛してはいなかった。 元々祖母と母は仲が悪かった。 成長し、少女と間違われるような見た目をしていた私はある日祖母が連れてきた見知らぬ男に多額の金で売り渡された。 あの女の血が流れている。お前なら上手くやれるさ、と言った祖母の顔が忘れられない。 連れて行かれた先では、品のない格好で踊ることを強要された。 大勢の前で踊ることもあれば、金持ちの部屋に呼ばれて目の前で踊ることもあった。 皆、美しい、愛らしいと褒め、身体を触った。 綺麗だと称えながらもその扱いは粗雑であった。 歳を幾分かとり、大人になった。 背は伸び、性別を間違われることは無くなった。 だが変わらず、美しいと褒め踊りを求めるものはいた。 長年の付き合いの客が、明方ぽつりと呟いた。 「俺もお前も…歳をとったな」 その瞬間、唯一誇っていた価値が崩れ落ちた。 花よ蝶よと愛でられなくなった私には一体何が残るのか。 干からびた死に損ないの蝶になるのなら、せめて自分で… -------- 職業技能エンターテイナーより ＋1 個人的な技能okとのことだったので　隠す　を選択 色々隠し事が増えそうな幼少なので

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