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学生の頃から成績優秀であり、研究熱心であった。熱中すると周りが多少見えなくなるため、自然と1人で行動する事が多く、そのため友人は少ない。 正義感の強い彼の父は息子を自分と同じ警察の道へと進ませようと教育していた。しかし本人は自分の意思ではなく決められたレールの上を歩かされ続ける人生に辟易としていた。警察となった後に検視官へとなったのは、父に対してのささやかな反抗であった。 検視官としての職務は不思議なほど満たされた気持ちで行う事が出来た。他の検視官が死因の特定を中心に据えて仕事をするのに対し、彼は独自に死の直前に起こった事件の背景や、死人の感情と臓器の繋がり等を研究結果として密かにまとめ始めた。 仕事にも慣れ始めたある日、異常な死体を目撃する。その肌は明らかに20代であるにも関わらず、臓器の老化だけが異常に進んでいるのだ。その所以など知る由もないのだが、興味を持っては立ち止まれない性格が災いし、ついに自分で殺人を犯し、死体を収集し始める。 その後も稀に出会える奇妙な死体を見つけてはデータを纏める日々を送っていた。ある日検視を行ったその死体にも、奇妙な点がいくつも見られた。遺族である妹に「最後に姉が何を思っていたか教えてほしい」と言われた時に、この子のそばに居られるならば、また面白い死体に巡り会えるかもしれないという、直感なのか期待なのか本人にも曖昧な閃きにより、引き取る事となった。

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