タグ： 柚月ゆい

[HO情報 片親の元で育ち、その親すら中学のころに亡くしその後は父方の親戚を転々として誰からの愛情も受けずに育った。 いつか誰かを心から愛し、誰かに心から愛されたいと思っている。] 大学生に上がる頃には親戚の家で暮らすことに居心地の悪さを覚え、彼女と同棲をしたり、その彼女と別れたら今度は別の女性を家に引っ張り込んだりと爛れた人間関係を築いて生活していた。一時の愛情に溺れる生活を繰り返していたがひとりの女性と長続きしない自分に嫌気がさし段々と学業のほうに専念するように。 大学院を出て保険医となってからはそれまで勉学に打ち込むことで発散していた熱を持て余し、しかし昔のように複数の女性と遊ぶ気にもならず婚活サイト等に登録するも、両親の離婚を経験していることもあり結婚を前提とした清いお付き合いにあまり打ち込むことができず短い期間での別れを繰り返していた。 学校では誰の考えも否定しない、どんな意見も肯定するような話し口調により怪我や病気に関わらず校内に拠り所がない生徒や勉強や人間関係に疲れて愚痴を聞いてもらいたい生徒など様々な生徒が常に保健室を出入りしており、そういった生徒たちから慕われている。 そんな折、特に自分のことを強く慕ってくれる生徒がいた。 さすがに生徒と教師、手を出そうなどと考えたことは今まで一度もなかったが、生徒から居場所がないのだと話を聞いていくうちに過去の自分と重ねてしまい、自身もまた寂しさを押し殺して生きてきた事実に気が付いてしまい生徒からの誘いを断ることができなかった。 生徒との関係は、所謂恋のABCのCまで。誘われたら誘われたまま断ることができずどこまでも。

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