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中学1年の夏、友達のいなかった私は一人で没頭できるものを探し、富士山登頂を目指した。それから４年─── 私は、K2最年少登頂を成し遂げていた...! 坪地　凪(23)　♀ 誕生日5/22 K2の最年少登頂記録を塗り替えた稀代の登山家。固定のチームを持たない「孤高の登山家」として、業界に知られている人物。その実態は陰キャ。ド陰キャ過ぎて誰も誘えないせいでずっと一回こっきりのチーム。本人としてはめっちゃ誘いたいけどできない。陰キャだから。 勉強はかなりできるほうだし、一応留学経験もある。なぜかと言えば暇な時間にできることが勉強しかなかったから。本当は皆と遊びたかった。でもできない。ちなみに留学先でもろくに話していないせいで語学力はついていない。山の知識だけはついた。登山があれば言葉なんていらない。 あまり手先が器用なほうではないがひたすらに知識を詰め込むことでカバーしている。ほぼ毎週山に登り続けた賜物である。そのお陰か筋肉もしっかりついている。 得意なことは登山と寝ることと一人遊び。特に一人遊びは芸術的な領域に達しており、誰かに発見されていればタレントの道もあっただろう。でもそうはならない。陰キャだから。 狂気山脈登山隊への志願の動機は特にない。しいて言えば募集してたから。これまでもそうだった。これからもそうなるだろう。特に「最高峰への到達」「前人未踏」などという言葉に興味は無い(むしろ人に囲まれるから苦手)が、あの日のK2山頂で味わった言いようのない高揚をもう一度味わいたいと、心の奥がうずいている。 これまでの登山では何度か大事故に遭遇しているが彼女は大怪我を負ったことはない。しかしほかの隊員はそうもいかず、ただ一人の生存者として帰ってきたこともしばしばだった。いつしかにわかに「死神」と畏怖されるようになった。無論、彼女は一人でいるから巻き込まれないだけであるし、これらの言葉も耳に入らない。遺族の悲しみも、彼らの断末魔さえも。 全員で下山したいとは思っているが、理想論であるとも思っているため、判断が非常にシビア。そのため生存率が跳ね上がっている。 両親は健在ではあるが、登山を始めてからあまり家にもいられなくなり、疎遠になっている。この登山が無事に終わったらしばらくは家にいるつもり。

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