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Emmanuelle Michel(エマニュエル・ミィシェーレ)
ID:3888794
MD:9820629c541155b8eaf590ce403dd2f8
Emmanuelle Michel(エマニュエル・ミィシェーレ)
タグ:
ポンポンパイン
ぴぴ式ロスト
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生まれ・能力値
STR
CON
POW
DEX
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初期
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20
21
その他増加分
一時的増減
現在値
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CON
POW
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APP
SIZ
INT
EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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簡易表示
通常表示
技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
表示
初期値の技能を隠す
複数回成長モード
非表示
簡易表示
通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
簡易表示
通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
非表示
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通常表示
<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
非表示
簡易表示
通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
非表示
簡易表示
通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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通常表示
所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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通常表示
パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
【キャラ】 Emmanuelle Michel(エマニュエル・ミィシェーレ) 愛称:エマ、ミシェル等 この時代にも珍しい女司祭 他者への高い共感能力を持ち、その珍しさから神の巫女と謳われて今の座に上がった。 もともとは孤児であり、村々を転々としていたが、心優しい司祭(育ての親)に拾われ、そのお陰あって今の彼女がある。 物腰柔らかでおっとりとした丁寧な女性。いつも信者や神父に気を配り、ニコニコと聖女スマイルを絶やさない。 きっと主はどこかで見ていてくれますから、とまさに絵に書いたような優秀な司祭。でも、時々何もないとこでコケてる。おっちょこちょい。 バブみを感じでおぎゃりたくなるような女を目指す。 最近は多数の報告を受け、少々目がくるくる回っている。愛する市民のために、街の平和のために、探偵ではなく女司祭という立場ではあるが自分なりに事件を解決に導こうと、意気込みは十分。 好きな食べ物:林檎 嫌いな食べ物:特になし 1人称:わたくし、わたし 2人称:貴方様、貴方 【以下秘匿に関して】 生まれは田舎村の協会で、とても仲のいい双子の姉がいた。 不慮の火災により村が焼き払われたが、命からがら一人で逃げ出す。姉は、生きているのだろうか。 それから村々を転々とし、何個目かの村で老司祭に拾われすくすくと育つ。 老司祭は狂信者であり、様々な教えを聞かせてくれた。深夜の街の歩き方から生贄の捕獲方法を教えてくれたのも全て老司祭であった。 老司祭が亡くなってから数年が経ったが、エマは引き続き愛する主のために生贄を捧げ続けている。 呪文を使うのは不得手(MP低いしPOWも高くない)。 小さい頃から本をよく読んでいたこと、双子の出来の良い姉になりたくてずっと真似をしていたことから嘘や演技をするのがもはや普通である。 いつもこっそり自分の教会を抜け出しては生贄を見繕い捧げているが、たまにそれに勘付く神父がいる。 だが、後を追われ現場を見られたとしても、対策は取ってある。 生贄を見繕いに行くときは必ずベッドで就寝してから。ムクリと起き上がり、虚ろな目と覚束ない足取りで街へと繰り出す。 そうして殺した後に問い詰められても、急にハッして泣きながら困惑し「実は医者から精神的な病と言われていて……」と夢遊病かつ多重人格であるという嘘をついて神父を落ち着かせる。(ジギルとハイド) そして現場を見た神父は後日例の件で貴方だけに相談があると言って司祭の自室に誘き出し、贄にする。 キリストという邪神を信仰する人間たちは実に愚かで扱いやすいとさえ思っている(今これ書いててめちゃくちゃ罰当たりだなぁと思って怯えちゃっタ…)。 おっちょこちょいでほんわかした雰囲気を出しているがこれは全部姉の真似をしているだけであって、頭は冷静で狡猾。 でも、既に20数年も記憶の中の姉の真似事をしているのだから、これも彼女の素。 姉に関しての記憶、生まれ育った最初の村の記憶は蛇足にあるものをぼんやりと覚えているだけだ。 記憶にもやがかかったようによく思い出せない(ただの防御反応)。 ゆえに、姉の名前も知らない。 林檎が好き。なんだか大切だった気がするから。 夕日も好き。赤くて綺麗だから。炎も好き。赤くて綺麗だから。 血も好き。赤くて生命を感じられてとても綺麗だから。 だから生贄から血を抜くもの好き。何かを思い出せる気がするから。 でも、近頃私たちの邪魔をする者がいるらしい。 おかげで贄が減ってしまった。なんてことをしてくれたんだろうか。 殺人鬼は悪だ。この素晴らしい街に悪などいらない。 そして私が解決を命じられたのだから、もっと公に悪を探せる。幸運だ。 探しだして始末し、主にもっとたくさん贄を捧げなくては! (ーーーでも、猟犬の存在が気がかりだなぁ) 【技能】 ナイフ→贄に捧げるのに大変重宝している。太ももに巻いたベルト式のナイフホルダーの内側に収納している 隠す→咄嗟にナイフや遺体を隠すため。隠せなくてもどうにかなるという強い自負が彼女にはある。 隠れる→幼少は身を潜めて生きてきたので。 精神分析→聖女スマイルは人の心を癒やす効果があります!人の心を撫で癒せられるということは、それを逆撫でして恐怖に陥れることもできる。 追跡→見繕った獲物を逃さないため 図書館→幼少より読書が好きだった 信用→街や教会での信頼度 医学→どこに致命傷を喰らわせればゾンビとして質の良い死体を作れるか、どこを断てば綺麗に血を抜けるかなど学んでいると思うので 心理学→司祭なのて人の心に寄り添うよ…!精神分析と合わせて"高い共感能力"と持て囃された。 芸術(倫理観)→あるわけがない 【名前】 ・Emmanuelle【エマニュエル】:神は私達と共に ・Michel【ミィシェーレ】︰大天使ミカエルから名付けられた苗字 【秘匿】 【HO3-司祭-】 ■公開HO あなたは司祭だ、迷える子羊たちを今日も導くのが自らの役割だ。 自分の所属する教会では多くの報告が上がり、悩まされている。そして今回の問題になっている事件の解決を命じられた。 特色:頭を使って動く、立ち回りが難しいHO、他のHOとは異なる動きが多くなるかもしれない。 ■秘匿HO ノートルダムの吸血鬼 神を信仰する貴方には秘密がある 貴方は『吸血鬼』と騒がれる殺人鬼である。名前の由来は発見される死体の血が抜かれているため、そして現場に牙のようなマークを残すためである。 殺人を犯し、夜な夜な殺害した後自分の信仰する愛すべき神に生贄を捧げているのだ。 順調に生贄はそろいつつあったがここしばらくの間に自分以外の殺人鬼が現れたらしく、自分の獲物が減ってしまったこと、街の警戒心が強まったことにあなたは憤りを覚えた。 何が何でもこの手で始末しなくてはならない。邪魔をするものは排除するのだ。 殺人鬼は”悪”なのだから。 そして気になることがもう一つ、ここしばらく夜に徘徊していると狼のような巨大な獣に遭遇した。連想される言葉は猟犬だ。 暗闇の中に一瞬で消えていったがあれはいったい何だったのだろうか? この街には何かおかしなことが起こり始めているように思える。 だが、神を呼びさえすればすべてを解決してくださることだろう、何としてでも復活を遂げなくては。 『殺人鬼の発見と殺害』『愛すべき神の顕現』それがあなたの目的だ。 愛すべき神がこの世界に顕現し、そして人々の上に君臨するとき世界は救われるだろう。 あなたにはHOの恩恵が与えられる <ナイフ>技能の初期値が50 グラーキの黙示録を読んでいる 神話技能+15 それに伴う呪文の習得(基本ルルブに詳細は記載) <恐怖の注入>p256 / <黒い束縛>p257 / <支配>p259 いあ いあ いごろーなく ーー以下蛇足ーー 【生い立ち】 生まれは田舎村の小さな教会だった。 教会の神父とシスターをしていた父母と双子の姉とともに、豊かで穏やかに暮らしていた。 今はもうみんないないけど。 私はいつも、暗くてじめついたところにいた。 カビくさいあの場所で、古い本を読んだり、床を這う虫を数えて暇を潰していた。 そうして待っていると、姉がやってくる。眩しい太陽のような笑顔が大好きだった。 姉は私に会うと、その日あった出来事を細かく教えてくれる。まるで日記でも読むみたいに。 「隣のおばあちゃんにリンゴをもらったのよ!」「甘くてとっても美味しいの」「あなたもきっと気にいるはずよ」 そう言って真っ赤な林檎を差し出す姉は、雪のように白い肌に程よく血の通った朱色の頬、宝石のような煌めく瞳という整った容姿。 対する私は、双子だというのに、姉とは違いすすで汚れたようなそばかすと腫れたようなぼてっとした頬。でも目だけは姉と同じだった。 だから、人前で隣に並んだことはない。 私は外にあまり出ない代わりに、姉がこうしてお話しをしてくれるこの時間が、好きだった。まるで自分がそこにいたような気分になれる。 時々、姉が手を引き、そんな私を外に連れ出してくれた。 姉は私を外に連れ出すとき決まって、白粉を塗って紅を引いて少しでも姉に近づけるようにお化粧をしてくれた。二人で一緒に遊んだことはないけど、姉がそうしてお化粧をしてくれると、本当の双子になったみたいで嬉しかった。 「じゃあ、行ってらっしゃい!」 にっこりと笑った可愛らしい笑みを返すように、自分も真似する。こうすれば、自分も彼女のように見えるのだろうか。 綺麗なお化粧をして、綺麗なお洋服を着て外にでると、決まって太陽の光に目を焼かれた。 外の世界はいつだって自分には眩しすぎるものだった。 でも、この時間だけは、このひとときだけは、自分が本の主人公になったような気分になれるのだ。 「あら、エマちゃん。こんにちは」「さっきの林檎、シスター……あなたのお母様にって言いそびれちゃって」 そう声が上から降ってきたので、見上げると、そこには老婆がいた。ああ、この人はさっき姉が言っていた人なんだろう。 「って、あら、もう食べちゃったのね!ふふっいいわよ。」「さっき採ったばかりの林檎があっちの木網のカゴに入ってるから、お母様に渡してくれるかしら?」 そう言って老婆は優しく、皺を深めて笑う。私はそれに笑顔で返事をする。 「じゃあよろしくね。エマちゃん」 林檎が木から落ちるように、こくんと頷いた。 それからしばらく外を歩いていれば、いろんな人から声をかけられる。私はそれににこりと笑みを浮かべ、姉のように淑やかに品よく振る舞うことを務めた。 外は本を読むよりもずっと楽しくて。 お夕飯のいい匂いがし始めたから、おうちに帰った。 丘の向こうから真っ赤な夕日が村を塗りつぶす。綺麗な光景だった。 おうちに帰ると、お父様とお母様がいた。 二人はやさしい笑顔で私を出迎えてくれた。 「お帰りなさい、エマ」「今日はどこに行っていたんだい?楽しかった?」 スープのいい匂いと、暖かな燭台の光。テーブルには美味しそうな食事が並んでいた。 二人にただいまの挨拶をし、今日会ったことをいつも姉がそうしてくれるように楽しそうに話す。 隣の老婆から林檎をもらったことを告げ、お母様にカゴを差し出す。 「ありがとうエマ。お使いができて偉いわね」 そう言ってお母様は私からカゴを受け取ろうとして、はたと動きを止めた。 「………」 そうすると、お母様は遘√r谿エ縺」縺溘?ゅ?檎ゥ「繧峨o縺励>?∫ゥ「繧峨o縺励>?∫ゥ「繧峨o縺励>?√↑繧薙〒縺雁燕縺後%縺薙↓縺?k繧薙□?√?阪→遘√r 次に目が覚めた時は、さっき見た夕日のように真っ赤だった。あか、あか、赤、紅、あかあか赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤あかあかあかあかあかあかあか。 暗くじめついたかびの匂いのそれは、手のような器官の あかくべっとりと濡れた鋭利なものをぬらりと光らせている。 その化け物は、浅い呼吸を繰り返す。そうして、ぐるうりと首を捻らせ、私を、見た。 見られた。 どうしよう。 体が震える。 急いでキッチンに走った。 脳の電気信号はこう言っている。 『殺さなければ、殺される』 床に落ちひしゃげ潰れた赤い林檎をグチュリグチュリと踏んだことも厭わずに、包丁を探しにキッチンへと駆け出す。 でも、包丁の場所がどこかわからなかった。 初めて入ったキッチンは、自分の部屋よりも広くて、引き出しが多くて、わからなかった。 そうしてる間にも、ずるりずるり、荒い呼吸と共にそれが近づいてくる。 どうしたらいい、どうしたらいい。 後ずさりをして3歩、手に何かがぶつかる。 これが何かはわからなかったが、この大きくてつやつやした 上に向かって細く伸びる茶色の半透明が、武器に使えることは本能的にわかった。 ぎゅっと握る。手汗で滑るそれを思いっきり化け物に振りかぶる。 何度も、何度も、振りかぶってはぶつけ、振りかぶってはぶつけ。 いつの間にか、手に持っていたはずの大きな茶色の半透明は粉々に砕け、半分ほどの大きさのギザギザしたものになっていた。 化け物は、びくりびくりと痙攣をして、荒い息の音が聞こえなくなった。 おうちの外に出る。 ゆっくりと、慣れ親しんだ村がごうごうと炎に包まれて行く。 真っ赤に塗りつぶされた村は、夕焼けみたいに綺麗だった。 もう、みんないない。 【真実】 少女たちが生まれた村では、双子というものは「悪魔に唆され誘いに乗ると、悪魔に気に入られた証拠として、本物そっくりの偽の赤子を胎に入れられる。そうして悪魔の子を産み落とすのだ。同じ人間が2つも生まれることなどあってはならない」とされていた。 田舎村の偏屈な風習。医学のすすまない 時代の痛ましい産物。 少女たちは、運悪く、教会の子として生まれた。 本当に、運が悪かった。 これが普通の家庭なら、もう片方を殺して無かったことにしてしまえばそれで済んでいたこと。 だが、仮にも聖職者である二人が、神の教えに反き赤子の命を奪うなど、できるだろうか。否、自分たちの手で、それをしてはならない。 だからといって、他人に頼むのも勿論駄目だ。 なぜなら、この村では教会の子は、神からの伝達者(メッセンジャー)としてより強く神聖視される。そんな高尚な御魂を摘むことを他人が引き受けるとも思えない上に、そもそも双子が生まれたことも他に安安と漏れてはいけない。お産を手伝った者たちに渡した賄賂も、安くはなかった。 夫婦が出した結論はこうだった。 『ならば、片方を永久に地下牢獄に閉じ込めて仕舞えばいい。そうして死に至るのならば、我々はその児を"殺していない"』 そうして、夫婦の"娘"として選ばれた少女は「エマニュエル」と名付けられ、大切に育てられる。両親からの愛情を目一杯にうけ、健やかに、見目も中身もまるで天使のように育った。 選ばれなかった少女に名など無い。あるのは、教会の地下 暗くじめついたカビ臭い牢獄で、持て余すほど膨大で途方もない時間だけ。 だが、娘は知ってしまった。自分に双子の姉妹という存在がいるということを。 それは偶然だった。 ある日、両親が職務をしている昼間、小腹が空いたエマは乳母の目を盗みキッチンへ忍び込んだ。 すると、床の下から微かにカリカリと何かを引っ掻くような音が聞こえてきた。 恐怖に体を震わせたが、同時に、好奇心も強かった。 どう考えても、それはネズミの足音などの類ではなかった。それは明らかな意思を持って、カリカリとこちらを引っ掻いている。そんな音だった。 ちょうど見つけた床板の隙間。黒く吸い込まれるような歪んだ木と木の間を、恐る恐る覗き見る。 するとそこには、ーーー居た。自分とそっくりの、顔がそこに居た。 信じられなかった。鏡なんかではない。 ならば、どうして。これは誰? "双子"という概念すらも知らなかった少女は、驚きのあまり尻餅をつく。 その音に何事かとやってきた乳母は、またつまみ食いをする気かと少女を咎めようとした。が、乳母もまた、少女が秘密を知ってしまったことを知る。 少女は床板の隙間から目を離すと、乳母に詰め寄った。とうとう良心の呵責に耐えかねた乳母は、自分の知り得ることを全て話す。 自分の首の心配よりも、こうして大金と引き換えにずっと隠し続けることにうんざりしていた。 ・双子というものは生まれること自体が禁忌で、いずれかが悪魔の子であること ・普通は処分するのだが聖職者という立場上それが出来なかったこと ・選ばれなかった方は今もなお地下に放り込まれ幽閉されていること ・衛生状況は悪く、食事も一切与えられず、娯楽も何もなく過ごす少女を気の毒に思い、自分が色々と世話をしてしまっていること ・故に、生き永らえていることを旦那様と奥様は一層気味悪く思い、度々地下に出向いて禊(悪しきものを排除させようとその器を痛めつける事)をなさってること 少女はその幼さに受けとめきれぬほどの事実を知った。そんなことが、起こっていたなんて。そんな大事なことを、知らないまま暮らしていたなんて。 混乱したままの頭を抱えながら、いつものようにお夕飯の時間になり両親は帰ってくる。 そうしていつものように優しく微笑み、暖かく包み抱きしめてくれる。少しだけ、カビの匂いがした。 両親はエマが事実を知ったことはもちろん知らない。 あのようなことをしてもなお、こうして笑って普通に幸せそうに暮らしている両親は、床下のあの子よりも、よっぽど悪魔に見えた。 (姉の私が守らなきゃ) 柔らかな腕の中、少女は心に小さく確かな熱が宿ったのを感じた。 それからエマは乳母が離職するまでの間、ともに地下に通うようになる。 妹は暗くじめついたカビ臭い牢で、こちらに興味も示さず、ただ、床を蠢く蛆を指で潰し暇を潰したり、中空をぼーっと見つめたり。こちらが話しかけても返答はなく見向きもせず、それ以前に言葉が解らないようだった。 エマはこの地下牢の有様、閉じ込められた少女の様子に言い知れぬ恐怖じみた感情を覚えた。 あまりにも自分の知る人としての日常とかけ離れすぎている。 だが、その感情を覚えるのと同時に、彼女の中の小さな熱は少し大きくなった。 (私が、守らないと。私にしかこの子は守れないんだわ…!) エマは最初こそ物怖じし気分が悪くなりものの数分で退出していたが、それでも毎日のように妹のもとに通った。 そうして、台所から盗んだ食べ物を妹に持っていき、その日あった出来事を事細かに話した。 いつか妹が言葉を覚えてくれるようにと祈りながら。 一月もすれば、妹はおとなしい飼い犬のようにエマの隣でジッと話を聞くようになった。言葉というものの理解が進んだ証拠だとエマは喜び、そうして文字を教えることにした。 最初はかんたんな児童絵本を。そうして段々と読めるようになると、聖書を二人で読むようになった。 その間にもエマは律儀に妹にその日のことを報告していた。言葉を教えたかったのも勿論そうだが、何より、外の世界を知ってほしかった。 そうして半年、1年の時が流れた。 その頃にはこの地下牢も、本で賑やかになっていた。妹は口数こそ少ないものの、エマを慕い、エマの話す日記を興味深げによく聞き込んでいた。 二人はもう、たった二人だけの家族だった。 乳母がこの家を去ってからというもの、少女が地下牢に訪れる頻度は必然と少なくなってしまった。 父か母どちらかが日毎交代で少女の世話をするようになったからだ。 そんな中でも、週に一度日曜だけ両親が「大事なお仕事がある」と、一人で留守番をする日があった。 二人の目を盗んで少女が少女に会いに行くには、たったその日しかなかった。 それからというもの、少女は少女の安否が気が気ではなかった。 なぜならば、いけば毎度暴行の傷跡が目立つから。それは年々過激さを増しているようだった。 少女にできるのは、手当と食料を分け与え、その日あったことを語ることくらい。 どうして、どうして彼女はこのような目にあわなければいけないのだろうか、主よ。 ーーーいや、神なんていない。 神がいたら、とっくに助けてくれている。 土に汚れた少女の体を拭いてやると、少女は「これは何をしているの?」と問われたことがある。 少女は自らを清潔に保つということすらも、その基本的な知識ですらも奪われている。この村の忌まわしき風習のせいで。ずっとみんなが誰かの片割れを見殺しにしてきたせいで。 「これはね、あなたを綺麗にしているのよ。そうねーーーお化粧をしているの」 戦わなければならない。少女の心の熱は、ごうごうと燃える炎のように揺らめいていた。 少女たちが7つになった年、エマは一人でお使いを頼まれる。 お使いといってもただ数件向こうの優しいおじいさんの家にワインとパンを届ける簡単なものだった。 お使いが終わった後、エマはいつものようにこっそりと地下牢へ向かう。 妹はこちらの足音に気がつくと、にこりと自分とそっくりの笑顔で出迎えてくれた。 その顔には、またいつの間にやられたのか、頬に擦り傷と打撲の青あざ、鼻血が飛んだのであろう赤茶色のそばかすのような乾いた血がこびりついていた。 エマはいつものようにそれらを丁寧に手当てし、濡れ布巾で拭いてやりながら、やはり今日あった出来事を日記のように細かく話した。 やがて妹の煤に汚れた体は綺麗になり、自分よりも透き通るような綺麗な雪色の肌が現れる。 外の穢れを知らない宝石のように煌めく綺麗な瞳、紅を引いたように血色のある赤い林檎のような唇。 はっと思いつく。 もしかしたら、“自分と入れ替わっても村の者は気がつかないのでは無いだろうか?"。 エマは途端に嬉しくなった。とてもいいことを思いついた。これでようやく妹を外に出してあげられる。 つい抱きしめた柔らかい彼女は、カビの香りをふわりと纏いながら、よくわからないといったように小首を傾げていた。 その仕草すらも、エマにとてもよく似ていた。 二人は、完璧な双子だった。 少女たちが9の時、思いついた。 「二人でうまくやれば、この村からきっと上手に出ていける」 「もう誰も自分たちには必要ない。だって、ずっと誰も助けてはくれなかったのだから」 「だから、村の全てを焼いて、なかったことにしてしまおう」 「私たちなら大丈夫、二人でひとつだもの」ーーーと。 作戦はこうだった。 まず姉がいつものように両親の目を盗み地下牢に迎えに行く。妹の身支度をすませ、妹はいつものように姉を演じて村を自由に歩く。その陽動を生かし、姉が影で村の一軒一軒によく燃える油を染み込ませた藁とその油の入った瓶を置いていく。 そうすれば準備完了。 決行は夜、みんなが寝静まった頃に。 これできっとこの古びた木造だらけの家しかない村は焼き払われる。 少女たちは初めて二人で一緒に外に出ようと決めた。 そしてその日はきた。 いつものように妹に化粧を施し、同じ顔で微笑みあう。 少女たちは林檎を齧りながら、「村を出たらどこへ行こうか」と明るい未来を語り合った。 作戦通り、妹が外に出て村人と喋っているのを微笑ましく伺いつつ、姉も準備を着々とこなす。 ふわりと、夕食良いの匂いが香る頃。姉はようやく村の家を回り終えた。 これからのことを待ち侘びるように赤く村を塗りつぶす夕日はとても綺麗だった。 きっと、もう妹も家に帰っているはずである。彼女が来る日も望んだ、仮初ではあるが「家族団欒」というものを最後に味わうために。 父と母に対する罪悪感は最後まで尾を引いていた。でも、彼らは許されざることをしている。その自覚もなく、この七年間自分に下卑た笑顔を見せつけ、妹を傷つけた汚い手で体を触ってきた。妹ではなく、あいつらこそが悪魔なのだと、少女の中の強い炎はパチリパチリと燃えていた。 姉はこっそりと地下牢へと戻る。 今頃妹は両親に目一杯可愛がられているだろうか。そして妹はそこに愛を感じるのだろうか。 いや、きっと自分たちのあまりに残酷なまでの扱いの差を身をもって体験することで、両親こそが悪魔なのだとそう思ってくれるはず。 そんな期待を持って、いつも妹が座るキッチンの下に座る。ここからだと、上での会話が微かに聞こえるのだ。 だが、様子がおかしかった。さっきまでスープの匂いに混じって明るい声が聞こえていたのに。物音ひとつしない。 と思った次の瞬間。ズドンという何かが地面に落ちたような音と、パンという乾いた音が聞こえる。 次いで、女の叫ぶような醜い声。 まずい。 どうしてか、母にバレてしまったようだ。 このままでは妹の命が危ない。エマは急いで地下牢から駆け出した。 手に馴染んだ家のドアノブを捻り開ける。 目の前に広がっていたのは、 肩で息をし半分に割れた茶色のガラス瓶を握りしめた細い女と、何かに馬乗りになった男の姿、それから、白くあざだらけの足を投げ出しガラスの破片の上で頭からとくとくと血を流す妹。 ぶつりと自分の中で何かがちぎれ渦を巻いた。 「悪魔だった。」 気がつけば、キッチンへと駆け出していた。 乳母の手伝いをしていたから、それの場所はよく知っている。 引き出しを開き、握る。 大きな悪魔が何かをいっている。 「ああ、エマ!お帰りなさい!怖かったね。怖かったね。悪魔の子に唆されたんだろう?もう、大丈夫だからね」 握りしめた包丁をそのまま大きい悪魔のお腹あたりに思いっきり突き刺す。 刺す。 突き刺す。 刺す。何度も何度も。何度も。何度も。妹が苦しんだ分、妹が失ったものの分。 やがてびくりびくりと痙攣し、最後の力でこちらに手を伸ばしてきた。 その手に思い切り包丁を突き立てた。 甲高い悪魔の声がした。 声の方をくるりとむけば、細い悪魔がいた。 こっちは武器を持っているようだったが、それを落としていた。チャンスだった。 突き刺した。下腹部を、何度も、何度も、何度も。どうして、どうして生んだんんだ。私なんか、生まれなければよかったのに。妹がこんな思いをするなら、私なんて。どうして。どうして。何度も、何度も、何度も。何度も、何度も。突き刺して、突き刺して、その器官が原型を留めなくなるまで、ずっと、ずっと。 いつまでそうしていたんだろうか、気がつくと、家中に生臭いようなむっとした濃い匂いが充満していた。 のそりと立ち上がる。 我を忘れて妹のことを二の次にしてしまった。自分はダメな姉だ。 なぜだかうまく呼吸ができない。はぁはぁと浅く呼吸を繰り返しながら、震える手で包丁を握りしめる。なぜだか震えが止まらないし、手をひらいて包丁を離すということができなかった。 妹は、無事だろうか。 血の気がひき、冷えたつま先を踏ん張りながら、ゆっくりと室内を見渡す。 頭から血を流した妹が、ちょうど起き上がるところだった。 「もう、大丈夫よ。私が全部、ぜんぶやっつけたからね。心配ないんだよ」 妹は私を見て、一目散にリビングの奥へと走っていった。 ああ、きっと初めての我が家ではしゃいでるんだろう。危ない。そっちのキッチンには今日のために作った油の入った瓶があるの。だから近寄っちゃダメなのよ。 声すらも掠れるほどに、息を繰り返す。あれ、おかしいな。聞こえてないのかな。 妹が自分を怯えたように見つめている。 ああそうか、きっと血で汚れてるから、怪我をしたんだと思われたんだ。 大丈夫、これは全部返り血だから。私は怪我してないよ。 妹はまだ安心しきれないのか、後退りをしている。 それより、あなたの方がよっぽど心配。頭から血が出ているもの。早く"お化粧"しないと。 もしかしたら、お医者さんに診せたほうがいいのかも。隣の村にお医者さんはいるのかしら。 ねぇ、外を見て。もうすぐ夜ね。やっとこの村から解放される。 妹が後ろでに何かをしている。 私たち二人ならどんなことがあっても大丈夫よ。 だって、私たちは二人でひと 何かが割れるような音が鼓膜をつんざく。あたまがいたい いたい いたい いたいいたいいたいいたいいたい それは何度も何度も振り下ろされる。何が起こってるのかわからない。 血で眼がにごって何も見えない。 あたまからみしりとなにかおと きこえ 「ぇ、…ま……」 エマ、私の可愛い妹、エマニュエル。 妹は暖かい両親の待つ家に帰った。 初めて抱きしめてもらえた。ぬくもりが心地よかった。 だが、かごを差し出した時、母親に一目ですぐ妹だとバレた。 理由は簡単。紙を捲りペンを握ることしか知らないはずの愛娘の指先が、まるで力仕事をしすり減る奴隷の手ように、爪をいつも噛んでいる指先かのようにボロボロで歪で汚らしかった。 母親は愛娘が悪魔に喰われたのだと確信した。 そこらへんにあったワインのボトルを手にし、悪魔を殴った。 この時の妹の脳は強く揺さぶられ、軽い記憶障害が発生することになる。 そのあと、なおも悪魔を懲らしめようと父親が馬乗りになって殴りかかろうとしたタイミングで姉が帰宅。 その光景に何かが切れてしまった姉が両親ともに殺害。 殺害後、身に余る恐怖に体の自由がうまく効かなくなる。声すらも出ない。 血塗れの姉を目撃した妹は、殴られた衝撃で記憶の混濁が激しく、さらに、部屋の惨憺たる有様に発狂してしまう。 姉を、化け物と認識した。 妹はキッチンにあった油の入った瓶で姉を何度も殴る。姉が両親にそうしたように。やっぱり二人は似たもの同士。 そうして、妹は化け物を倒して、夜も鎮まった外に出る。 記憶が混濁する中でも、一つだけ重要に覚えていることがあった。 「火を、つけないと」 なぜかよくわからないけど、とても大切な人とそう約束したのは覚えていた。 村に火を放つ。 絨毯を敷くように、村の家は次々と燃え広がっていく。 そういえば、いつか見た夕焼けが綺麗だったことを思い出しながら、歩き出す。 みんないなくなってしまった。 みんなって誰だっけ? わからないけど、どこかに行かなきゃいけない
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