タグ： Yoruの探索者

幼い頃からピアノに明け暮れ、努力の果て厳しい音楽学校時代を生き抜きピアニストになった。 親がピアノをしていた訳でもなく、ただピアノの音が好きで、続けている。夢は世界の舞台に立って演奏すること。 だが、プロのピアニスト達の演奏を間近で聴いてまだまだ努力が足りないと、様々な演奏を聴き学び、そして自分の力にしてきた。 今現在立ちはだかる天才の壁に出会うまでは。 私生活 ピアノとは別にサバゲーとお菓子作りが趣味。 大人しい雰囲気の普段とサバゲーをしている時の雰囲気は全くの別人だとか。アサルトライフルやショットガンなど威力が出て中近距離武器が好き。手榴弾を投げるのは苦手。 そもそも指に負担がかかるのでごく稀にしかやらない。 人の心に響く音楽はどんなものか追求する中で心理学の本を何冊も読んだり、沢山の人と交流したりとアグレッシブ。クールな口調から想像されるよりフレンドリーな性格。だが自分の意見はハッキリ言う為冷たく思われがち。 家族 両親と3人暮らし。兄妹はいない。本当は妹が生まれる予定だったが流産してしまったんだよ、と母から小学生の頃に聞いたことがある。 両親の事が大好きでピアノを続けさせてくれている恩返しのためにも、プロになって安心させて、しっかりと親孝行したいと思っている。 樂堂 春(らくどう はる)の彼女。 春とは美術館の展覧会にピアノ演奏で招待された時に出会い、付き合う事になった。たまに暴走してしまう鈴音のストッパーであり、癒し。春のおかげでめっきりサバゲーはしなくなった。 性格 クールでハッキリ物を言うサバサバ系だが、実は割と甘えた。でも恥ずかしいから甘えるのはあんまりしないし、甘えてる所を見られたくない素直じゃない1面も。そういうところでストレスを溜めがちだが、それを趣味のサバゲーで解消している。 甘いものを食べている時の彼女は年頃の女の子。 フリルとかの可愛い服に憧れるけど似合わないし、と遠ざけている。 苦手 ネバネバした食べ物 キノコ 虫 ホラー 絶叫系 通過シナリオ ハイフェッツをなぞる病 ボトルシップは波を切る 以下ネタバレ注意 ハイフェッツネタバレ注意 注意！！！！！！！！！！！ ハイフェッツ 発狂（天才が死ぬまで永続） 貴方はこれから天才を蹴落とすまで、天才の才能に絶望する事だろう。 自分と同じだけれど、自分よりもはるかに卓越した能力。 自身の究極なる到達点をスタートラインとして無限に記録を伸ばしていく天才。 何故、何故神は自分に才を与えてくれなかったのだろう。狡い狡い。 才の差異に狂って泣きそうだ。貴方は歯を食いしばる事であろう。 この発狂は天才が能力を失うまで続く。 彼は悪くない。彼は悪くない。 何度も何度もそう言い聞かせて鍵盤に指を滑らせる。 ダメ、届かない。あの音に辿り着けない追い越せない。 分かっている。彼と私は別の存在で、同じ音楽なんか奏でられないことを。私の音楽は私の音楽で、彼の音楽は彼の音楽。別のものだと理解している。わかっている。 けれど、彼を超えたい、彼の才能を妬ましく思う気持ちをどうやっても鎮める事ができないの。憎くて憎くて、どうしても辿り着けない音楽の境地に軽々と立つあの姿を思い出すだけで息が詰まりそうになる。 違う、ちがう違うチガウちがう違う！！！！！ 思い切りに鍵盤を押し潰す。気持ちの悪い不協和音が部屋を満たす。まるでぐちゃぐちゃになった嫉妬と焦りをそのまま現したような音。 私が奏でたいのは、彼の音楽ではない。私が奏でたいのは私の音楽。私の音楽で、彼の音色を、演奏を、その全てを圧倒したいのに、私の音楽ってなんだっけ。 視界が滲む。違うの。私は、私の音楽を続けたいのに、あぁ、どうしてこんなにも彼を狡く思うのかしら。どうしてこんなにも私は焦った音しか奏でられなくなってしまったのかしら。ちがう、ちがうのに…。 ボロボロといくつも涙が頬を伝う。会いたい。春さん。貴方に今会いたい…。今だけでもいい、いつもみたいに私の音楽を認めて、好きだと微笑んで欲しい。いつもの私の音楽を思い出させて欲しい。 春さんは、いつだって私の心を支えてくれている。正気に戻らせてくれている。あの笑顔が、声が。そして、彼の描く絵が、世界が。素敵だった。自由にキャンバスに描かれる風景が。春さんの選ぶ筆が、色が、春さんにしか作れない世界を彩っていくその過程が途方もなく美しかった。それを全て私の音楽で表せたならどんなに幸せだろう。どんなに光栄だろう。そう思うだけで、その間だけ、春さんの事を考えるその間だけは、彼への嫉妬を、狂気を忘れる事ができる。 そうだ、私は私の音楽であの美しい世界を表すんだ。 涙を拭って深呼吸。 私は…天音雪の努力も、孤独も知らない。知り得る事は無い。それは彼も同じだ。私の焦がれる程の嫉妬も、焦りも知り得る事は無い。 なんだ、案外同じ土俵なんじゃないの。 見てなさい天才。今に私が貴方を追い越して、そして、私が恋焦がれたあの人の素晴らしさを音楽で表現してみせるわ。 その時には、改めて握手させてちょうだいな。

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