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「さながら僕は毒リンゴを手渡す悪い魔法使いの医師だね」 「僕の前に運ばれてくる人はずっと眠っているんだ。生きているときも亡くなるときも。いつ亡くなったのか分からなくなるくらい」 「僕は安楽死を施す人の瞳の色を、どんな風に笑うのかを知らないままお別れするんだ、当たり前だけどね。その点『白蛇』さんには少し嫉妬みたいなのは覚えてたり…なんてね」 「安楽死させた人のこと全員覚えてるよ。最初は……」 「…おやすみなさい、“良い夢”を。」 彼は『死神』である。 人を救う立場であるのに「死は救済」と言わんばかりの『安楽死処置』を行ってきた。 『白き蛇の死』 という一族に産まれたときから運命なんて決まっていた。 思考を物心ついた時から『死神』として教育されていた。 でも彼は染まりきるほど従順な馬鹿ではない。 知識を蓄えるうちに「『安楽死』は神聖な医療行為である」という価値観と「『安楽死』でなくても救える方法はあるのではないか」という意識が両立するようになってしまった。 けれど一族の前でそれを口に出せばどうなってしまうか。 『死神』を辞めることはできる。それでも『医師』は続けられる。 しかし『安楽死』を行っている一族のことである。平凡普通平穏な医師として戻れるはずがない。元から信じていない。 子供が好きなのは余程のことがない限り『安楽死』ということに遭わないから。相対的に、無意識に好きなのかもしれない。 密かにつけているネックレスは『安楽死処置』を初めて行ったその日から、その人たちを忘れないように記憶に刻む戒めとして身につけているものである。 記憶力の良い彼には本来必要のないものであるが、後ろめたい気持ちによるものかもしれないし心の拠り所なのかもしれない もがくこともできず備えられてしまった価値観を取り除くこともできず葛藤に悩まされながら今日も『死神』としての活動をしている。 memento mori　皆死ぬために生きているんだ 最低の犠牲者に愛を　もう二度とこんな結末の運命にうまれてしまってはいけないよ 余談ではあるが恋人を失っている。 【名前モチーフ】 ・毒のある花 彼岸花→別名：蛇花（へびのはな）、灯籠花→花篝、花雪洞 スイセン→別名：雪中花 ・白雪姫（どちらかというと魔女立場）→眠るように死ぬ ーーーーーーーーーーーーーーー HO2『パナケイア』 貴方は《薬学》で回復できる、ダメージを与えられる数値が 1d3+3 となる。 これは《薬学》を《戦闘技能》としても使用できることを意味する。 また、一度だけ確実に対象の命を奪う秘薬を所持している。 貴方は『死神』である。 一族代々非合法の安楽死を行ってきた。 助かる見込みのないものに、何よりの治療と救済を与える。 貴方は『安楽死』を神聖なる医療行為と認識している。 しかし一方で、一族のあり方に疑問も覚えている。 本当に『安楽死』は至上の医療足り得るのか、他に方法があるのではないかと。 貴方は 3 年前に一人の女性に安楽死の施術を行った。 然し、彼女の遺体は葬儀を待たずに行方知れずとなってしまった。 ――貴方の命題は『女性の行方を突き止める』ことである。 どうか、命を紡げますように。 ーーーーーーーーーーーーーーー ・一族の名前は『白き蛇の死』 ・『白き蛇の死』には施術を行う『死神』と施術の受付をする『白蛇』が存在する ・『死神』は患者の氏名年齢病状等を一切周知しない、安楽死の最終確認と施術のみ行う ・患者の情報を管理するのは全て『白蛇』の役目である ・上記は直接施術を行う『死神』の精神を慮る措置である ・一人の患者を安楽死させるまで『死神』の仕事は終了しない ・その間『白蛇』と連絡を取ることは不可能である ・施術日程が決まると、蛇の毒より精製された『秘薬』が届けられる ・これは患者につきバイアルひとつ分だけ ・今回行方を見失っているため追加でバイアルが届けられた ・『死神』を辞めることは容易である ・『死神』の殆どは麻酔科医であるが、例外も存在する ・『死神』を辞めても『医師』は続けられる

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