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｢僕は貴方のことが大事だから…貴方には、誠実でありたいと思っています。｣ ｢心変わり？俺は最初から、アンタに本音で喋ったことなどない。騙される方が悪いだろう。｣ 一人称：人によって変える。素は｢俺｣ 二人称：相手が求めている呼び方。素では名前を呼ばない。 ○性格 一見、誠実そうで、思いやりがあり人が良さそうな性格をしている。だが、実際は完全に自己中心的であり、そのように振る舞う方が相手を騙しやすい為そう見せかけているだけにすぎない。 条件が良ければ騙し取る相手は選ばない。老若男女関係なく相手をし、彼ら彼女らに合わせて名前や性格、名乗る職業を変えている。 また、結果主義であり、自分にとって良い結果を得るための努力は惜しまない。 最終的に騙しやすく、お金を取れるようにする為には相手の信頼を得る必要があると考えており、過程での投資はしっかりと行う。 対象にいくらお金を使おうが、最終的に回収して黒字にすれは良いだけだからだ。 そして、用がすんだら連絡を断ち姿を消す。それがいつものやり方だ。 誰のことも信用しない。 自分がすることは、同じくされる可能性があると考える。 善人などおらず、そのような振る舞いをする人物がいたとしても、人に良いように見られたいからそうしてるだけだと思っている。 もちろん染岡のことも信用していない。ましてや同業者だ。自分も騙される可能性がある。 だが、同業ならではで一切気をつかわずに話すことができ、役に立つ情報交換ができたりと自分に利があるので、''友人''としてお互い様な関係を続けている。 メガネをかけていることが多いが、実際には視力はとても良いため伊達である。 また、どんな相手に対しても素では同じように接しているが、水商売を生業とする人物は男女問わずどうしても受け入れ難くきらっており、｢仕事｣以外ではあまり自分から関わろうとしない。 ○生い立ち 父親の顔なんぞ見たことない。 そんな存在、自分にはいなかった。 幼少期の彼の世界は、毎晩出かける母親と狭いボロアパートの六畳間のみが全てだった。 裏社会で売春をしていた母の元に生まれた彼は、義務教育でさえろくに受けてはいない。 戸籍なんてなかった。何故なら、彼の生物学的上の父は母を愛してると、一生面倒をみると言っていたが、子が出来たと分かった途端いなくなってしまったからだ。 彼女は戻ってきてくれると信じていた。 だが、その男が戻ってくることはなかった。 彼の母は、優しくて弱い人だった。 誰かの愛を必要とし、それがなければ生きてはいけない。 自分を捨てた男の息子だとしても、彼女にとっては自分が産んだ大切な''子供''。 大事な息子に立派になって欲しい。そうすれば、将来自分だけを愛して養ってくれるから。 だからこそ、彼女は『大切に』彼を育てた。 愛情を持ってご飯を与えた。 自分では学力が足りないからと、ため込んでいたお金を惜しげもなく使い、学習の本を購入して勉強させた。 お得意様の教師の男などに頼みこみ、家庭教師をしてもらったりした。 そして、母は口癖のように彼に言った。 ｢貴方だけは、私を裏切らないわよね？｣ 彼に拒否権はない。頷かなければ、暴力を受けるから。 そして泣きながらこう話す。 ｢ごめんね…こんなことをしたい訳じゃないの。私は貴方を愛しているの。大切な息子なのだから。だから、私のことも愛してくれるわよね？｣ そんな母が、ある時嬉しそうにひとりの男を連れてきた。 身なりの良いその男は、母を愛しているといい、血の繋がっていない彼女の息子まで愛し大切にすると言った。 その男は、貧乏だった母子に資金面で援助を、事情を知って彼の戸籍の入手を行った。 赤の他人にするとは思えないことをしたその人は、本当に母を愛しているように見え、そして大切にしているように思えた。 母は今までに見たことないくらい嬉しそうで、そして異常なほど彼に心酔し、幸せそうな日々を過ごした。 そんな時。 ある日、母が茫然とした様子で帰ってきた。 そしてそのまま崩れ落ち、呟くように言葉を発する。 ｢あのひと、わたしにはもう会わないって。最初から愛してなかったって。｣ ｢そんなの嘘わよね？でも、いままでと違くて、でもそんな訳ないから止めたけど、その顔がみたかったから演技してただけだって言って。｣ ｢そしてね、彼、いなくなってしまったの。かえってこないの。｣ ｢なんで？なんでなんでなんでなんで！！？｣ ｢…あぁ、でも、わたし。最高だっていってもらえたわ。あのひとの役に立てたのね。｣ その後、ぎこちないながらもいつも通りふたりご飯を食べ、眠りについた。 その夜、彼女は最高の笑顔で彼にこう言った。 ｢×××。貴方を心から愛しているわ。｣ それが、母の最後の言葉だった。 窓から僅かに入り込んだ、薄暗い朝日に照らされた彼女は、物言わぬ骸と化していた。 木製の梁にぶら下げられた、カーテンでできたロープ。それが彼女の首にかかり、母親だったものは宙を揺れていた。 寝起きの頭で彼女の死を認識した時、涙は一筋も流れなかった。 悲しみの感情も起きなかった。ただ、ひとつ。 ――裏切るなって言ったのに、裏切ったのはそっちじゃないか。 その時、何かが抜け落ちた気がした。 何か大切なものが心からぽっかり消え失せた。 あぁ、そうだ。 この世は弱肉強食。 母は弱かったから淘汰されたのだ。 奪う者が、強い者が得をする。 そして、今の自分は、搾取されるだけの弱い人間だ。 このままでは生きてはいけない。 自分は母のようには絶対にならない。奪う側の、あの男のような強い人間になってやる。 足をすくわれてはいけない。弱みを晒してはいけない。誰も、信用してはいけない。 もう、二度と裏切られてなるものか。 それからは、詐欺師として人生を過ごした。 見目の良かった彼は、人より好意を得やすかった。 だが、それだけでは生きてはいけない。 相手を騙すには、ある程度の知識が必要だ。 法律の抜け穴を知るために、法律の勉強を。 対象を騙す話術を得るために、相手が求めている職種の勉強を。 努力は惜しまない。それが、全て自分の為になるのだから。 だからこそ、名を変え姿を変え、ある時は起業家になり、ある時は医者になり、良家の縁者だって見知らぬ老人の優しい孫だって完璧に演じた。 そうして相手に誠実に接して、好意と信頼を得たところを情に訴えかけて騙し取る。 時間はかかるが、そうした方が強引に奪うより足が付きにくく、多少なりとも後腐れなく姿を消すことができるからだ。 金を取った相手がその後どうなろうが関係ない。何故なら、騙される方が悪いのだ。 人は皆、仮面を被る。 嘘まみれの仮面を。それは、誰だって例外はない。 奪われる前に奪え。騙される前に騙せ。 疑わしきは罰せよ！ ――この世界で信じられるものは、自分だけだ。 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ (以下悪辣HO1秘匿ネタバレあり↓) ●HO1:詐欺師 あなたは数えきれないほどの人間を地獄に落としてきた。 あなたは 1 年前に麻野エミという女性を殺害した。 彼女は引っ越すための金が足りないからと借金要求してきた。 一流の詐欺師であるあなたが取引相手を調べ上げないわけがなく、あなたは彼女が娼婦であることを知っていた。簡単に何十万も稼げる彼女がわざわざ借金をする理由とは。考える間もなくあなたの手には拳銃が握られていた。 騙される前に騙してしまえばいい。奪われる前に奪ってしまえばいい。殺される前に殺してしまえばいい。 娼婦である彼女のことだ、財布や家を漁れば大金が溢れ出てくるのだろうと思った。しかしどこからも、はした金しか出て来なかった。 人が死ぬなど当たり前の世界。 あなたは用無しの死体 〈彼女〉を置いてその場を後にした。 ●推奨技能 ・〈拳銃〉 ●NPC ・染岡芥(そめおか あくた) 男/20 歳代/詐欺師 ギャンブル好きな同僚兼友人。 気さくな軟派男。 頻繁に女性絡みの相談をしてくる。 数年の付き合いがあるが何度も顔と名前が変わっているため本当の顔も名前もわからない。

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