タグ： きっこ Camellia King

≪基本設定≫ 愛称はカーミャ。 下層階級。 下層階級で売春宿暮らしの割には傷みが少ない綺麗な黒髪を持っており、顔立ちも雀斑に目を瞑れば申し分のない美しさである。 表面上は品行方正で女性らしい可愛気も持ち合わせる完璧な女性。売春宿でも人気ナンバーワンである。 実際は野心溢れる策略家。その上かなりの毒舌な上に男嫌いだが、現状の全てを乗り越えなければいけない壁だと考えているため、育ての親である雇い主以外にその様な顔は絶対に見せないようにしている。 いずれは娼婦を辞め大女優になると決めており、現在も小さな劇場で活動している。 演技をする前に深呼吸をする癖がある。 ≪過去≫ 8歳の頃に親に捨てられ行き場をなくしさまよっていたところを売春宿の支配人に拾われる。 それから暫くは雑用係としてこき使われていたが、10歳の頃初潮を迎え正式に売春婦として働くことになる。 カーミャはそこで働く他の子どもたちのように反発することもせず、ただ自分に与えられた世界に絶望しながら毎日の業務をこなすのみだった。 それから3年後、食事も睡眠も最低限しか取らず痩せ細ったカーミャを見兼ねた経営者はせめてもの気晴らしにと、当時近所にあった小劇場に連れていく。 その時やっていた演目は「サロメ」という当時はまだ全く知られていない舞台であったが、当時13歳のカーミャの心はその戯曲に強く揺れ動かされた。 そこから生気を失っていたカーミャの瞳は光を取り戻し、全てを諦めていたそれまでとはガラリと変わり、まるで憑りつかれてしまったかのように演技に執念を燃やすようになった。 あらゆる人物を演じる為に必要な教養、観客からの視線を奪う為の美しさ、パトロンを獲得する為の女性らしさ。 全てはサロメに為るに恥じない自分になる為に、手段を択ばず歪んだ努力や研鑽を重ねていく。 …サロメはその後人気に火が付いたが、すぐに禁止令が出てしまいイギリスでは上演出来なくなってしまう。 だがカーミャはそんなことでへこたれず、いつか禁止令が解かれたそのときにグローブ座の円形の舞台の中心に立ち、誰もが見惚れるサロメを演じる為サーニャは今も生きている。 ≪余談？≫ カーミャの働く売春宿ではほとんどの娼婦が性病を患い逝去するか、気まぐれな上層の男に買われて巣立っていくかのどちらかで、他と比べても入れ替わりが激しい場所だった。 雑用係の頃からその離合に立ち会ってきたカーミャは、余計な悲しみを背負わないため出来るだけ他の娼婦と関わりを持たないようにしていた。 カーミャが娼婦として働き始めてから1年程経ったある日、新しい娼婦がやってくる。 その子は「リザ」と名乗り、薄汚れた売春宿には似合わない快活で笑顔が可愛らしい少女であった。 リザは殆ど他人と会話をしようとしなかったカーミャに興味を示し、暇な時間があればカーミャの部屋に行きさっきの客は優しかっただの、経営者が飴をくれただの他愛無い出来事を一方的に話すようになった。 迷惑がっていたカーミャだが、この過酷な生活の中で暗い話題を一切出さず常に明るい空気を纏いながら笑うリザに次第に惹かれていき、半年もすればカーミャもリザの前でだけは笑顔を見せるようになっていた。 これまでの経験から男を愛せなくなったカーミャが、初めて心惹かれたのがリザだったのだ。 女優になると決めたこともリザにだけは打ち明け、将来は冒険家になりたいというリザと夢を語り合う毎日を過ごしていく。 だがそんな日も長くは続かなかった。 ある日の夜、支配人からも信用されていたリザはおつかいを頼まれ一人でロンドンの街に繰り出すことになる。 しかし待てど暮らせど帰って来ず、心配になったカーミャは支配人に無理を言いリザを探しに行く。 夜通し探し続け僅かに町が明るくなるころ、路地裏に横たわるリザを見つける。 それは半日前とは似ても似つかないような姿で、襤褸切れのような服がなければそれが誰か等全く判別がつかない程であった。 何故こんなことに？思考を巡らせれば巡らせるほど、結論は一つに絞られていった。 リザは”何か”に殺された。何かがリザをこんな干乾びた姿にした。 とても人が出来る所業だとは思えない。例えるならこれは―――吸血鬼の仕業だ。 そこで思い出す。最近の新聞の見出しがいつも物騒な話題で塗りつぶされいたこと。その中にあった『吸血鬼』の文字。 好意を誰かに寄せている（D）:探索者は誰かに好意を寄せている。キーパーの裁量で、誰を、なぜ、そしてどれほど好意を寄せているかを決める。

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