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マンバ　（本名：アルシア・バウティスタ） 「あたし？　“マンバ”。普通に“魔女”でもいーけど」 「朝か…クソ眩しいな……寝よ……」 「ん。頼まれてたやつ、片付けといたから……報酬。いつも通り、よろしく」 【シナリオ】かいぶつたちとマホラカルト（HO魔女） 【後遺症・AF等】特になし 【技能】職業技能はネット犯罪者（2015）を参考として 〈コンピューター〉〈芸術：ハッキング〉〈製作：コンピュータウイルス〉〈図書館〉＋個人的な感心の技能〈医学〉〈薬学〉 興味技能は、自衛は大切ということで自衛程度の〈回避〉〈小型ナイフ〉〈応急手当〉。マリファナの効果もあるのか〈聞き耳〉は高いが目が悪いので〈目星〉は低い。〈博物学〉はまあ…大麻、やってるので……。 【特徴表】 1-9「一族伝来の宝物」絵画、本、武器、家具などの個人的な宝物で、探索者やキャンペーンにとって特別な価値を持つ品を所有している。 4-7「眼鏡をかけている（D）」常時眼鏡が必要。眼鏡を失えば、視覚関連技能はKP裁量で-20％されることがある。 【プロフィール】 通称「マンバ」、本名「アルシア・バウティスタ」。 日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれた女性。母親に似て目鼻立ちのくっきりとした美女（APP14）だが、 常に猫背で眼鏡をかけており、ダウナーな雰囲気を漂わせている。 普段はアジトの一室にこもっており、部屋にはシナモンにも似た甘くて青臭い匂いが立ち込めていることがある。マリファナ……大麻の匂いだ。 だいたいパソコン弄ってるか音楽聴いてるか麻薬吸ってるか酒飲んでるかの昼夜逆転生活なので、当然、不健康（CON7）。 マリファナを吸い、ロックを聞きながら仕事をすると捗るらしい。本人談。 「マンバ」は通り名であり偽名。フィリピンの伝承にある「呼び寄せる人」マンババラン、に由来する。 マンババランとは犠牲者の身体に虫を侵入させて苦しめ、死に至らせるような黒魔術を使うことのできる魔女。 ハッカーという役回り、そして魔女という役職にふさわしいと母の母国のことばから自らつけた。 【経歴】 アルシアの母は、金銭を稼ぐ目的でフィリピンから渡ってきた女性だった。 フィリピンパブの乗客だった日本人の男といい仲になり、子どもを身ごもったが、男は認知などもすることなく姿をくらましてしまった。 アルシアの母は一度絶望したものの、男への消しきれない愛情だとか、授かった子どもへの愛着だとか、そういったものでアルシアを産む。 ただし、お金も時間もなく父親の無認知という状況もあったため、戸籍はない。 周りの女性が基礎的な計算や読み書きを教えてくれたあとは、ネットの動画を見て勉強をした。 地頭が良かった（INT15）のでなんとか、他の人より遅いペースではあったが、ある程度の学は身についた。 フィリピンの言葉、タガログ語が話せるのも、母と周りの女性たちの影響だ。 なぜ父親がいないのか、なぜ他の子と同じように学校にいけないのか。 ややこしい事情は分からなくとも、その質問が母を傷つけることは知っていたので、一度も言ったことはない。 だいいち、自分を捨てた親父に会いたいとも、特段思うことはないのだし。 そう言って、お世辞にも恵まれているとは言えない少女時代を、 母や、母と同業の女性たち（お姉ちゃんと呼んで慕っていた）が大事にしてくれたこともあり、なんとか生きてはきた。 ――生きづらい、そんな思い自体はずっと、言葉にならないままわだかまっていたけれど。 転機はふたつ。ひとつ、母が病気になったこと。 げっそりと痩せた顔で、仕事できなくてごめんね、と繰り返されるのがつらくて、家にいたくなかった。 そうして出かけた夜の街で、不良友達から大麻を勧められた。 心が落ち着く、リラックスできる、チープな音楽が崇高な芸術になる、けばけばしいだけのネオンですら綺麗に見える。 そんな理由で、家を抜け出してはたびたび大麻を吸っていた。 ふたつめ、あるネットの動画。 教育の格差を埋めようと言って大学生が組織したとかいうNPOの提供する動画が、わかりやすく面白く、アルシアは気に入っていた。 そこで話していた新しい大学生が、動画の締めにこんなことを言ったのだ 「格差を痛感して、僕たちの動画を見て勉強した君達なら、きっと社会を変えられます！」 最初に沸いたのは怒りだった――戸籍もない、ちゃんとした学もない、親父もいないし金もない、そんなあたしがどうやって？ 格差なんてのは「ひっくりかえせないから」格差なんじゃないのかよ。 「よりよい社会のために、これからも僕たちと勉強していきましょう！」 ――なんだって、こんな社会のために？　母さんと姉さんたちとあたしを捨てたこんな社会のために、なんであたしが頑張らないといけないの？ ――だいたい、今更どうにかなるわけもない。ここからこれ以上がんばって這い上がれるとも、這い上がりたいとも思わないよ。 それが、むしろ社会に仇をなす「ネット犯罪者」へと足を踏み入れたきっかけだった。 なんとなく母には後ろめたくて、犯罪で稼いでいることも、ハッパをやっていることも言っていない。 仕事がとっても忙しくて、なかなか家に帰ってこれないんだと嘘をついて、一流企業と偽ったアジトの一室にこもっている。 たまに家に帰るのは、仕事で得た金を持って母においしいご飯を食べさせたり、遊びに出かけたりするため。 母さんのために頑張ってるあたしのことだけ、見てて。 アルシアは偉いねって、母さんの自慢の子よって、いつもみたいに言って。 それだけでいいの。それだけで、いいから…… 【秘匿に関して】 電子ドラッグを聴いたときは「ヤバイ」と思った。 これでも嗜好品は「マジでヤバイ」コカインヘロインを除いて、合法から非合法まで一通り嗜んできた身だ。 だからわかる。酒より、煙草より、ギャンブルより、マリファナより、もっと「ヤバイ」何かだと。 神？　オカルト？　人体実験？　何か知らんけどとにかく「ヤバイ」。 でも、正直興味はある。ときどきどうしようもなく湧いてくるこの怒りを、虚しさを、やりきれなさを、マリファナ以上に宥めてくれる品ならば……。

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