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8/19 22:35:12 1 (1D10) 8/19 22:35:06 6 (1D6) 特徴表：奇妙な幸運 職業は2015ルルブ、自宅警備員より。 --------------------------------------------- サバイバーズギルト 生き残った人 俺も海に、早く連れて行ってくれ。 皆が忘れつつある震災に巻き込まれて生き残った。 被災当時、彼は祖母の様子を見に家に来ていた。 両親は仕事中で、弟は近所の海に友達と遊びに出かけていた。 縁側でテレビを見ながらのんびりしていたが、そこに大きな地震が襲った。 古い日本家屋は大いに揺れた。 状況が飲めない中、祖母が仏壇の下敷きになった。 テレビが倒れ、タンスが倒れ 花瓶が割れる。 祖母を必死に仏壇の下から助け出すと、祖母の脚は折れていた。 祖母を背負おうとしたが、痛がるばかりでその場から運び出すのは叶わなかった。 スマートフォンで救急車を呼ぼうとしたが、スマートフォンはどこにも繋がらなかった。 外がガヤガヤと騒がしく、悲鳴や怒号。それに交じって、空気が震えるような地鳴りのような音が聞こえてきた。 津波だった。 飲み込んだ家屋や物を根こそぎ伴って、それは祖母の家にぶつかった。 大きな音がして、家の中に水と、がれきが入り込んできた。 「逃げなさい」と、祖母が大きな声を出していった。 動けなかった。 うつ伏せの祖母が顔を上げる。 服が濡れていた。 「逃げなさい！！」 祖母が聴いたことのない声で怒鳴った。 体が震えて、喉がヒリヒリと乾いた。 「早く行きなさい！」と、祖母がもう一度怒鳴って、祖母に背を向けた。 あっという間に足首まで来た水に足を取られながら、物に捕まって、家を出た。 外ではサイレンと、人の声と、水の音で騒がしかった。 学校に避難しろと、誰かが叫んで、路地に出た。 通りがかった男の人が声をかけてくれて「家におばあちゃんが」といった。 何人かはそれで家を見に行ってくれた。 そのあと、ほかの人に連れられて学校に避難した。 そのまま、知らない人と学校で夜を明かした。 僕の家はなくなっていた。 母と、弟と父と祖母は、帰ってこなかった。 身元不明の遺体が、たくさん浜に打ち上がっていた 大人になってから聞いたが、歯科病院なんかの資料も全て流されていたから、 身元が確認出来る遺体が少なかったそうだ。 震災の後、数週間後におそらく両親が死んだだろうことがわかった。 遺体こそなかったが、同じ会社に勤めていたという人が教えてくれた。 その人ははっきりと言わなかったが、きっともうこの世にいないのだろうと思った。 父は地震後に車で、急いで家に帰ろうとしたらしい。 母はというと、地震後に民家の屋根に避難したものの、津波によってその家が飲み込まれ、流されたそうだ。 両親は一年後に見つかった。 小さな骨壷になって帰ってきた。 弟はそのさらに半年後に。 でも弟なのかどうかは判別ができない。 弟の靴を履いていたというから、きっと弟なのだろう。 祖母は、今でも見つかっていない。 これが経験したことの全てだ。 震災が起こってからは記憶がひどく曖昧で、覚えていないことが多い。 それでも無事に生きていられたのは、小さな自分に気を使った周囲の人のおかげなのだろう。 それでも、自分だけが背を向けて生き残ってしまったという罪悪感だけが呼吸を苦しくさせた。 よかったねって、なんだろう 無事でよかったねって 俺以外の家族は死んだのに 俺は祖母を見捨てたのに 守ってくれたんだよ、そんなこと聞いてない 祖母に背を向けて置いていったことに変わりない。 あの中で、助けてという声が、夜な夜な体育館に響いたひっそりと鳴く声が耳から離れない。 どうして自分だけが生きているんだろう。 もうなにもないのに。 そんな孤独と絶望だけが残った。 ---------------------------------------------------------------- 自殺理由：生き残った、見捨てたことによる罪悪感、絶望感からの開放 PTSDを患っており、自傷行為を繰り返している。 震災後、極度のストレスで白髪が増えてしまい何度染めても目立つため髪をブリーチした。 震災孤児のための施設で高校生まで過ごし、高校をなんとか卒業してからは施設を出た。 バイトしながらネットカフェに止まったりする生活をしていた。 施設にいた頃は心療内科に通院していたが施設を出てからは通院していない。 自傷行為の他、何度か入水自殺を図り通行人に運悪く（周りから言えば運良く）止められている。 生きていることが苦しく、死ぬことで解放されたい、許されたいという気持ちが強い。 芸術コーヒーについて コーヒーを人よりちょっと美味く淹れる事が出来る。喫茶店でバイトしてた名残り。リハビリの為、カウンセラーの先生の知り合いが雇ってくれた。受診しなくなってからはバイト先からも足が遠のいた。 コーヒーの香りが好き。 「海も枯れるまで」END3 「拝啓、碧海に溶ける君へ」END　A

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