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「それ」と出会ったのは偶然だった。たまたまSNSで見かけた写真。 そういう文化があることは知ってた。だけどそれは、自分とは無関係だと、思っていた。 「この女の子、男の人なんだってさ」 にわかには信じがたかった。こんなにかわいい女の子が、男の人？ 「それでこっちの男の人は女の子だって」 「うそ」 女性が扮する男性がこんなにもかっこいいだなんて。 信じられなくて、写真を見れば見るほど、ドキドキした。性別を越えた彼らに魅入られた。 自分にも、できるだろうか。 （無理だ） すぐに否定の言葉が出た。当然だ。私が男装したところで滑稽なだけだ。 滑稽なだけだと、思っていたのに。 学校の行事で男女逆転喫茶をすることになった。男子の制服を着て、髪を簡単にセットするだけの、技術も何もない、拙い「コスプレ」。だけど鏡の中にいる私は、男の子だった。男の子になりたかったわけじゃない。たぶん、自分じゃない誰かになれることが嬉しかった。 次第に彼らの表現する世界が気になるようになった。そこからどんどんアニメや漫画、ゲームにハマっていって…今の姿になるまでは早かった。 恰好いいキャラクターになりきって、キャラクターの好きなところを全力で表現する。そうして写真を撮ると達成感が満ち溢れてくる。夢中になるには十分だった。幼馴染の零もコスプレが好きだと言ってくれたことも大きかった。二人でするコスプレは、何より楽しかった。 1つだけ問題をあげるとするなら、私の好きなキャラは私の体格とかけ離れていること。この子はこんなに背が高くないのに！ 隣で零もため息をついた。推しの体格が自分では合わないと。お互いの押しをお互いが表現すればいいのでは？と先に言ったのはどっちだっただろう。 私達は今日も2人でコスプレをする。 次の戦場は夏コミ。さぁどのキャラクターになろうかと、気合は十分である。 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ・図書館司書をしている男装コスプレイヤー ・仕事はできるが生活能力が壊滅的。いつもお世話してもらっている ・朝ごはんはパン派。ベーコンエッグをトーストの上に乗せちゃうのが好き ・放っておかれるとやばい。料理は微妙だわ皿洗いも段取り悪いわ洗濯物もたまる一方で見ていられない惨状になる。悲しいね。 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 【部屋に置いている家具】 ・ミシン(裁縫道具) ・トルソー(それぞれの身長のもの) ・お揃いのマグカップ ・化粧台 ・姿見の鏡 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 参考：[クトゥルフ2020　職業：司書] ・経理、図書館、他の言語、母国語、個人的な専門または記事を読む専門家として任意の他4つの技能 【職業技能について】 ・歴史 →キャラクターについて深堀したい ・写真術 →コスプレの撮影技術向上のため ・コンピューター →フォトショップなどで写真加工するため ・人類学 →学生時代勉強していた 【趣味技能について】 ・聞き耳 →イベントの混雑時でも人の声を聴き分けたり、ドラマCDを堪能したりするため ・目星 →舞台などを見に行く際に身についた。遠くで動く推しを凝視するため ・制作(コスプレ衣装) →あまり上手くはない。服飾科を専攻しなかったため ・芸術(コスプレ) →長年の趣味。地の顔もいいので周囲からの評価も高い(とPLが嬉しい)

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