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没落した英国きっての名家の一人息子。 家が昔は金持ちだったが故、誘拐や危険から身を守る為の、簡単な護身術は身につけている。 義務教育終了後すぐに父親の事業失敗にて生家が没落し一家離散。 没落後、借金取りから逃げていた為、逃げ足は非常に早い。 理不尽な額の借金返済の追っ手を振り切る為に、日本へと来日。 日本の事がとても気に入り、そのまま日本国籍を取得した。 英国国籍を放棄した為、改名。 本来の名前はアリス・エスコット・クラーク。 ミドルネームのエスコットはシャーロック・ホームズの使用した偽名の一つである為、史人の助手になってからは「どうせならワトソンの方が良かったなあ」と思う日々。 アリス、と呼ばれるのが耳に馴染んでいるので、人には「有栖」「有栖くん」と呼ばれるのが好き。 香坂という苗字は、日本にきて最初に働いたBARの日本語を優しく教えてくれた恩人のマスターの苗字を戴いたもの。 成績優秀だった為、バイトを転々としながらも通信教育にて大卒認定を得た。そこそこの苦労人。 本人は生まれの不遇を気にせずに、気ままに生きている。 バイト経験が豊富な為、街の人と広く浅く仲がいい。 街の人に声をかけられても邪険にはしない。 街の人に頼み事をされると余裕があれば断らない。 ただし相手が一般人及び金持ちであれば普通に報酬は貰う。 金に苦労した過去がある為、路上でうずくまっているホームレスなどを見かけると 「お使い、頼んでもいいですか？」 といって買い物などのとても軽い頼み事をして、お礼のお金を少し多めに渡す事がある。 その際、頼んだ時点でお金を持ち逃げされても 「これであの人は明日のパンとスープが食べれるな」 という思考で肩を竦めて盗人探しはしない。 そういう時は街にいる知り合いに助けてもらうか、「すいません先生、お財布スられちゃって」とケロッとした顔で探偵の元へ帰ってくる。 決して己のことを善人とは思っていないが、そう在れたらいいと思っている。 史人との出会いは、史人が外国人に因縁をつけられて絡まれていた時に 身につけている語学で何とか助けようとしたら逆に有栖が殴られそうになり それを史人が庇い、史人が一発殴られてからの縁。 殴られた頬を赤くしながら「ま、怪我なくて良かったわ」と彼に頭を撫でられてから、彼の傍に居たいと思い探偵助手の道へ進む。 尚、ほぼ押しかけ女房状態。 はじめは「葎迫さん」だった呼び方が、ぼさっとした姿を知ってからは「史人さん」「先生」に変化した。 史人のことは心から尊敬しているが 私生活のぐうたらぶりには呆れている。 でも世話を焼く。 彼が面倒くさがることをちゃんとできるのは、有栖の世話焼きのお陰といっても過言ではない。 ふらりと怪我をして帰ってきたりとするせいで、気がつけば応急処置程度の手当は出来るようになってしまった。 探偵助手としてはとても有能、 だがそれは史人の助手の時に限る。 他の探偵の助手をやる気は、特にないようだ。

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