タグ： 奇妙な共闘

上沢 怜恩(ウワサワ・レオン) 北海道日本生ハムファイターズ所属。グリコ大学経営学部経営学科卒業。 ポジションは一塁手。右投右打。プロ2年目。背番号は63。 しっかりした下半身から飛び出す強烈な打球が持ち味で、大学時代には4番としてチームを背負っていた。 さらに実力の磨きをかけるべく、プロ2年目の現在はファームで経験を積んでいる。 その努力が実り、今年のイースタンリーグ個人打撃成績は2位となった。 体力面では少し不安が残るため、主にリリーフとしてだが、来年度からは1軍登板も期待されるだろう。 将来的にチームの顔になりそうな選手である。 現在はオフシーズンのため、実家が近く、2軍本拠地もある千葉県鎌ヶ谷で主に練習している。 先日、イースタンリーグ打率2位の祝杯として、大学野球部時代から仲のいい友人・杉谷と飲みに行った。 上沢がプロになってからの話だけでなく、大学の思い出話にも花を咲かせ、久し振りの再会を楽しんだ。 そして、別れを惜しみつつも、また会える機会を楽しみに、新宿駅で解散となった。 しかし、それから彼と連絡が取れなくなってしまった。 最初は二日酔いや体調不良だろうと思っていたが、メッセージに既読がつく様子すらない。 少し心配になった上沢は杉谷の家に向かったが、郵便受けにはたくさんの新聞や広告が溜まっており、ここ最近で彼が帰宅した形跡はなかった。 最後に彼と別れた新宿駅に手がかりがあるかもしれない。 そう思った上沢が新宿駅に向かうと、駅員から彼と最後に会った直後に駅のベンチで寝入った男がいたとの情報を得た。 体格や服装から杉谷だと思われるが、それ以外の痕跡はなかった。 彼は一体どこへ消えてしまったのか、上沢は不安に駆られるばかりであった。

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