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1822年、史実におけるあ「ゴールド・ラッシュ」や「西部開拓時代」が始まるよりも少し前、当時植民地であったアメリカへやってきたハウスマン家初代当主ディミトリアス＝ハウスマンは1819年のアメリカ大恐慌に乗じて逆張りを続けることにより富と権力を伸ばすことになる。 アメリカと言う広大な土地を巡った覇権争いの影には必ずハウスマン家がいた、アヘン戦争・テキサス革命・墨米戦争etcetc... 主義は無く、富を求め、死の商人であり虎視眈々と漁夫の利を狙う''The thirdman''(第三の男)として着実にアメリカ合衆国への裏の裏、その根深い部分にまで彼は喰いこんでいく。 時代は移り変わり1840年代、二代目当主であるガストン＝ハウスマンが目を付けたのは、『運輸』と『開拓』だ。 先代が作った莫大な富を先行投資と言う形で大陸横断鉄道に大きく注ぎ込む中で、アメリカ中央部未開の地に住むインディアン達の土地を得意の口八丁で二束三文で買い上げ、インディアン達を農夫として雇い入れ、開墾し巨大なトウモロコシ農園や小麦農園を作らせることにより地位と富を盤石のものへしていく。 どんな家でもどれだけの巨万の富を得ようとも、三代継続させるのは難しい。 三代目当主グラハム＝ハウスマンは居丈高で増上慢な人間であった、加えて彼が当主を引き継いだとたんに起きたアメリカ恐慌、1873年から1896年まで続いた大不況の渦中にいた、と言うところも大きな理由となるだろう、特に大きな功績を果たさぬまま彼は1880年に急逝してしまう。 その影には４代目当主である「ブレンダン＝ハウスマン」の姿が見え隠れしているとも噂されている。 ブレンダン＝ハウスマン、彼の人間性を敢えて二語文で語るとするならば、「ロマンチストな銭ゲバ」だ。 彼の背骨は金銭欲と支配欲、権力を追い求める自分自身のその姿に陶酔を覚えているフシがある。 今は恐慌を凌いだように見えるだろうが必ずもう一度大恐慌が訪れる、そしてそれをトリガーとして、このアメリカ合衆国を、ステーツを中心として世界は大きな戦火に巻かれるだろう。 人々が飢えや恐怖や騒乱に巻き込まれる最中、笑って立っているのはこの俺一人でいい。 今日も彼は人知れず準備を進める、いつか来るその日の為に。 初代がそうしたように死の商人になる準備を、祖父がそうしたように貧乏人やインディアンを低賃金で従え、先代のようにはヘマはしない。 世界が、アメリカが、大きく揺れ動くとき、揺れに動じず立っているのはこの俺だ。 そんなブレンダンの最近の悩みは息子のバーナードだ。 せっかく勇ましい名前を付けてやったというのに、あれではまるでナード(おたく)だ。 アイツも口は上手いんだから、そのうち何か一角の男になれればいいのだが…

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