タグ： うさぎごや

誰か大切な人がいた。その人が死んだ。悲しかった。沢山泣いた。 目の前で死んでしまった誰かの死を慎む。誰かは思い出せないあの人。 けれど、ああ、あの人の死体が起き上がる。動き出す。 生き返ったのかと思った。嬉しかった。抱きつこうと思った。 けれど、あの人は自身へ殺意を向けてきた。あの人だけじゃない、墓場から死者がずるずると起き上がる。群れを成す。 追いかけまわされる。悲鳴を上げて。走る。走る。走った。疲れ切って、足がもつれて。その果てに。 貴方は哀れ、死者の手で生きたまま引きちぎられてバラバラに！ ああ、あの人だ。アンデッドだった。あの人が自身の体を滅茶苦茶に。 アンデッド絶対殺すマン。全てのアンデッドに再び死の安らぎを与える為に世界を彷徨う。 そうしていれば、きっと"あの人"にもこの手で「おやすみなさい」ができるから。

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