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『お困りごとですか？僕で良ければお手伝いしますよ』 椛ヶ丘高等学校に通っている高等3年生。 黒の学ランを着用し､今時珍しい(?)おかっぱヘアーでメガネをかけている好青年。何かあると必ずと言っていいほど手を貸してくれるいい人。 保健委員ではあるが部活には入っておらず学校が終わればすぐに帰宅している。 本人いわく 『家が少々貧乏なもので…アルバイトの方をしているのですぐに帰らなければ行けないんですよ』とのこと。 家は住宅街のボロアパート。 でもたまに休みがあると学校の知り合いと帰宅中どっか遊びに行く付き合いもある。 「気安く声をかけないでもらえる？不愉快」 そんな彼の本質は東京のとあるヤクザ「三上組」に引き取られた組長の息子(27)の許婚。 薊は実は女性である。学校ではさらしや胸潰しサポートをつけて胸を潰している。女性には珍しく喉仏があり､そのおかげかバレていない。地声も低め。 組では着物を着ておりピアスをつけている。ちなみにこのピアスは組長から渡された物でGPSが付いてる。 上記で書かれてる家は三上邸の裏手にある組の息がかかったアパート。当然そちらには住んでいないよ。 学校では人の良い感じをしているが本質は何にも思ってない。興味がない。というか人を信用してない。組ではほぼ無表情。あと非処女。 学校にいる養護教諭は組から薊を監視するために雇われた人で何かしらあったときは彼のいる保健室に勝手に入ってる。その時は養護教諭に人払いをしてもらっている。 こんな「三上組」の一員の彼女だが実は宿敵の「四ッ谷組」に密かに情報を流している。 望みは「三上組」を潰すこと。そのため彼女は不定期的に連絡を取ったり必要があれば変装し密会に行ったりもしてる。 「あの能無しの猿共をどんな事をしても結構ですので消してくれません？」 と､言うのもまた建前で彼女は更に入手した「四ッ谷組」と「三上組」の情報を更に京都に拠点を置いて東京進出を狙っている「鷹司(たかつかさ)組」に情報を流している裏切り者。 薊の本当の目的は「三上組」「四ッ谷組」の取り潰し。この2つの組を抹消してこそ薊の復讐は果たされる。 「ぱぱ､まま！きょうはがっこうでこんなのしたよ！」 薊､もとい【花宮 花梨(はなみや　かりん)】はごく普通の一般家庭に産まれたはずだった。たとえ父親がかつてある組の幹部であったとしても､足を洗い､愛した女と幸せな家庭を築き上げたのだ。そうして両親の愛があって花梨は産まれた。その3年後にはかわいい妹も産まれた。 父には何故か手の指が1つなかったがそんなことは気にしなかった。父はよく肩車をしたり遊んでもらい､母には好きな花の図鑑をよく絵本の読み聞かせの代わりに読んでほしいと強請った。妹も可愛く自身も幼いながらお姉さんのように振る舞った。幸せだった。 小学校に入ったばかりの頃だった。1年生､できたばかりの友達の所に遊びに行ったときのことだった。友達と遊び夕方帰る時間を知らせる街のチャイムがなる。夕焼けのなか帰路につく。家に帰ったら父と母､妹にどんな事を遊んだかを報告するのが楽しみだった。 家に着く。ただいまーといつものように家に入った瞬間､母の甲高い声が聞こえた気がした。その直後酷く大きな音が聞こえた。玄関からリビングに続く廊下に土汚れがひどくついてる。花梨は恐る恐る廊下を進む。リビングにくるとそこには黒い服を来た知らない人が何人かいた。そしてその人たちの奥に何かを守りながら横たわる母とそんな母に覆いかぶさりながら動いていない父を見えた。 そこから先のことは覚えていない。 次に気がついたときには三上邸へと来ていた。彼らは言う､君の家族はとある奴らに襲われ君自身も誘拐されそうになっていたと。そして残念だが父と母､そして妹は殺されたのだと。誘拐されかけていたがうちの者がなんとか間に合い君を保護できたと。自分たちは君の味方だ。そして1人になってしまった君を養子として引き取ろうと思う。 幼い花梨には突然のこと過ぎて分からないことだらけだった。しかし1つだけ分かったことがあった。言葉を発してる彼らの目の奥が笑っている事､彼らは信用してはならないと幼いながらに警報がなった。その直感が父譲りだったのかは誰も分からない。 そして花梨は今を生き残るためにそれに従った。産まれた地を離れることになった。何かあってはいけないと性別を偽るように言われた。名前も変えるように言われた。そして花梨は自分の名前を捨てることになった。 新しくつけた名前は母が花の図鑑を読んだときに教えてくれたものにした。 【厳格】であるようにし､家族を奪った者にいつか【報復】を果たせるように。そして彼女は彼となり､「三上薊」となった。 彼女は報復を果たすまで何としても生き続ける。 薊イメージソング【フォニイ-kafu［オリジナル］】

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