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▋606号室の辺獄│双子の兄 ──────────────────── 「蚕は飛べなかった、それだけだ」 高校二年の夏、学校のベランダから飛び降り自殺を図った。 未遂で済んだものの、復学後も周囲の目の居たたまれなさに高校を中退した。 入院生活の中で本を読み漁っていたこともあり、小説を書き始めるものの秀でた才はない。 大きくは売れないものの、ファンはつくという理由から官能小説を書いている。 執筆中の小説は『夏の蚕子（なつのごご）』という双子の恋愛を描いた仄暗い作品。 編集のチェックが終われば一番に読ませるのは愛しの弟。 本人はだらしなく笑うような適当人間であり、生活能力は中の下。 インドア生活を送っているものの、昔から運動神経は良い方でアウトドアスポーツも得意。 おまけに官能小説の資料という名の性欲発散なのか何なのか、家には男女共に上げる。 しかしながらセフレはいるが恋人は作ったことがない。 その代わり弟のオミにはべったりで、「毎日オミがいい」と駄々をこねている。 「オミ？ 俺の分の飯は？？？ 飯つくるかセックスするかしてよ～！」 ✦モチーフ：蚕 ✦イメソン：風 https://youtu.be/8nkDPf2TPbg?si=Vx6zi6VXIDxCONYP ▋小説│夏の蚕子（なつのごご） ──────────────────── とある双子のひと夏を描いた官能小説。 暴力的な描写を蚕が繭から這い出て羽化するように歯止めのきかないものとして描いている。 蚕の繭が糸を吐き続けるように、そっけない婚約者に対してもとても献身的な兄。 結婚したら家族旅行にも行けなくなりそうだから、と兄を避暑地に連れ出す弟。 初めは兄の視点で描かれている。婚約が決まってから昔のように喧嘩をすることもなく、 随分とよそよそしくなった双子の兄弟の関係が綴られている。 兄は旅先で奇妙な夢を見る。自分の後悔が露わになった"自分自身"の夢だ。 「本当はこのまま逃げてしまいたいのだろう、弟を愛しているのだから」と、 夢の中の自分が繭を叩き破るように殴りつけてくる。 次第に夢を見るたびに自分自身からの暴力は過激なものとなり、 この場所はおかしいのだと弟を連れて帰ろうとする。 視点が切り替わり、弟。 兄は昔から酷い離人症を抱えていることを知っていた。 献身的な婚約者をどこか他人ごとのように見つめながら、 毎日機械のように生きていた兄を見て、旅行に連れ出した。 久々に家族と過ごせるのは楽しみなのだと言う言葉とは裏腹に、兄は毎晩のように暴力的な愛情を与えてくる。 日に日にエスカレートしていく行為と、昼間の優しい兄との差に悩まされていた。 兄が夢だと思い込んでいるものは全て現実であり、思い違いがあるとすれば被害にあっていたのは弟だという点だ。 兄は弟に自己を投影しながら暴力的な行為に及んでいた。 ついに真実を口にし、弟は兄の手を振り払った。 自分はあの繭の中でシルクとなって消費された方が良かったのだと、 飛べないことをわかっていながら、どうして翅を伸ばし出てきてしまったのか。 弟を傷つけたことを酷く後悔し、兄は行方をくらませてしまう。 さて、この結末をどうしようか悩んでいる。 ✦雰囲気イメソン：V https://youtu.be/QjU90VQAcrI?si=xUsGS42c28RUyap4 ▋特記・特徴表 ──────────────────── 【特記：作家】 作品の得意分野（心理学）としている技能に+10％のボーナス。 【特徴表4-8：大切なもの(D)】 他人には価値のないものだが、大切な品物をいつも身に着けている。 失った時、1/1D8の正気度ポイントを失う。 【特徴表3-9：スポーツ万能】 1つの技能に+20%、3つの技能に+10%、合計4つの運動系技能にボーナスを加える。 ▋共通HO ──────────────────── きみたちは双子の兄弟姉妹である。 そして、互いをとても大切に思っている。 一卵性、二卵性は問わないため、容姿が似ている必要はない。 どちらが兄姉・弟妹なのかは話し合って決めておくこと。 また、年齢は自由である。 二人はとあるマンションの606号室で、たった二人で暮らしている。 高校生のころから二人で暮らしはじめ、普段両親と交流することはない。 仕事はどちらも在宅業務となる。 君たち二人の住まいは2LDK。 間取りやどのような暮らしをしているかは好きに決定してよい。 ▋後遺症・不定など ────────────────────

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