タグ： わをん 忘却マリナーHO1

　 　▼星舟 臨（ほしふ のぞみ） 　宇宙飛行士になりたかったのは親戚の兄の影響だと今でもはっきり言える。 　幼い頃から彼に宇宙の話をし続けられれば嫌でも興味が出るというもので、ともかく幼少期からの夢であることには違いない。 　自分自身、頭が良いわけではなかったから大学入試はそれはそれは苦労したものだ。両親に多大な心配も掛けた。 　二浪の末ようやく志望学部に合格。同級生は皆年下。何となく頼られる立ち位置に立ったのはその頃から。 　リーダーや委員長という責任を感じる立ち位置を任されることが多くなった。 　しかし適任ではないと誰の目から見ても分かっただろう。何せ人前に立つのが苦手なのだから。 　自分で言うのもなんだけれど、裏方の方が似合うのではないか？そう思案した夜は数えきれない。 　次第に同年代の友達というものが出来るようになって、それからは存外あっという間だった。 　順当に年齢を重ね修士号を取得し大学を卒業、在学中に就職先も決めて26で宇宙開発事業に携わるように。 　この道に引きずりこんでくれた親戚の兄へ報告しようと久しぶりに顔を合わせれば、 　天文学教授になり結婚し子供が出来たなんて驚きのニュースを返されるものだから 　世の中というものは一体何が起こるか分かった物じゃない。 　愛する妻との出会いはそれから1年後27の時。運命なんてロマンチックなことはない、ただの取引先相手。 　しかし自然と話題に花が咲き気付けばプライベートでも会うように、交際を始めて籍をいれたのは2年後の29の秋。 　どうしても子供が欲しいという妻に負け、結婚1年後にようやく子供ができる。低出生体重児で育てるのに本当に苦労した。 　感染症はもちろんのこと気管支から臓器の病気まで様々なものに罹り、将来が危ぶまれたりもした。 　しかし、苦労の甲斐あってか娘はすくすくと成長し小学生に。入学式の写真は今でも宝物だ。 　将来パパと結婚するなんて可愛らしいことはもう言ってくれなくなっていたけれど、それでも愛する娘はいつだって可愛くて 　どんな姿でも、どんな言葉でも、どんな仕草でも。目にいれても痛くないほどに愛していた。 　 　35の7月4日、午後3時12分。今でもこの数字が忘れられない。 　職場にかかってきたのは病院からの一報。奥様と娘さんが交通事故にあい緊急搬送されましたの短い言葉。 　どうやって病院に向かったのか、どうやって職場を出たのか、何も覚えていないが気付けば集中治療室の前にいた。 　夢のようだった。それでいて現実だと飲み込んでいて、時間間隔が酷く曖昧だった。 　どれだけ神に祈ったか、どれだけ奇跡を願ったか、きっと今後の人生においてこれを超えることはないだろうと言い切れる。 　しかし神は残酷で、必死の願いは届かず二人は亡くなった。なんてことはない普通の日になるはずだった。 　触れる指先を握り返してはくれない、呼んでも瞳を向けてくれない、抱きしめようにも体は冷たく固い。 　不思議と帰宅した自宅だけは何一つ変化がなくて、明日になればおはようと顔を出してくれそうなほどに、日常だった。 　それから数日職場を休んだものの、人というのは動かなければ生きていけないもので 　最愛の人を失い悲しみに暮れようとも世界は時を止めてはくれないのだから、全く人間に優しくない。 　復帰する前から気にかけてくれていた仲間たち。彼等のおかげで再び前を向けるようになったと言っても過言ではない。 　人は一人では生きていけないとはよく言ったものだ。自分の身でそれを痛く体感した。 　愛するものがいなければ生きて行けず、支えられていなければ今を生きていなかったのだから。 　しばらくしてから共に宇宙飛行士を目指さないかと誘いを受けた。 　技師が宇宙飛行士になるのは珍しいことかもしれない。彼らの誘いがあったから足を踏み出した。 　支えられて、少しだけ、いや、ゆっくり。前をむこうと思ったんだ。 　 　比較的厳格で趣や恩を大事にする仲間想いの大人しい性格。 　四季の移り変わりを楽しんだり、星の移ろいを感じたり。自然のままを愛している。 　落ち着いて大人びてるため他人から頼られがち。しかして本人は縁の下の力持ちタイプ 　静かな時間が好き。子供が好き。動物が好き。物語が好き。星が好き。 　失くしてしまったからこそ、大事が見えるようになった 　どちらかというと見守り型 　それでも何かを失うのは、怖いな 　 　 一人称：私/俺、二人称：貴方 　誕生日：4/3 【特徴01】戦士 【特徴02】動物に好かれる （職業：エンジニア） ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 　▼通過シナリオ 　　【忘却マリナー】 　　　KP：AQUA、PL：けしかす 　　　　　　　　　PC：スイ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 　▼その他 　【基本性格】 　信仰篤い/仕事人/忍耐強い 　【追加志向】 　小食/書物好き/泣き上戸 　【花ダイス】 　葉牡丹：「利益」「慈愛」「物事に動じない」「祝福」 　　　計算高く、損得をまず考える人。それが大切なことだと正しく理解している人。 　　　だからこそ損をする人でもある。この世は計算できないものが多すぎる。 　矢車菊：「教育」「信頼」「デリカシー」「優雅」 　　　優しく人を導く力に長けている。決して踏み込みすぎず、先導する。皆が貴方を信頼するだろう。 　　　その絆は太く、強固だ。なにも恐れることはない。 　【関係者】 　・星舟樹（https://charasheet.vampire-blood.net/4577082）※ライカバレあり 　　……親戚の兄の子供。幼い頃面倒を見たことがある。行方不明と聞いている 　【資料】 　・のぞみ（https://www.isas.jaxa.jp/missions/spacecraft/past/nozomi.html） 　　……1998年7月4日に打ち上げられた日本初の火星探査機 　【♪】 　Waiting For Love / Avicii 　（https://www.youtube.com/watch?v=cHHLHGNpCSA） （忘却マリナーHO1バレ） ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 　▼HO1：地球人 　君は異星人を捕獲するために派遣された地球の調査隊だ。 　しかし調査の途中で宇宙船が壊れてしまい、立ち往生していたのだ。 　宇宙船を治すこともできず、食糧は底をつき、共に船に乗った仲間は皆死んでしまった。 　このままではあと数日であなたも死んでしまうことだろう。 　・目的 　「地球に帰ること」 　「異星人を捕獲すること」 　 ※ただし、これらの目的は必ずしも遂行しなければならないわけではない。 　そのため、PLの判断で未遂行にしても良い。 　・作成ルール 　最低限、大学を卒業し自然科学系の研究、設計、開発などの実務経験を3年以上持つ40歳程度までの探索者であること。 　自然科学系とは、理工学部、工学部、歯学部、医学部、薬学部、農学部、衛生学部、栄養学部などの幅広い理科学系の学部を指す。 　上記に則っていれば、職業指定は自由である。(過去にそういう設定があれば現在は別の職種でも構わない) 　〈英語〉技能を所持すること。これは宇宙飛行士になるために必要であるため。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 　……ああ、どうして。 　どうして貴方達が死ななければならなかったのだろう。 　貴方達に生かしてもらったというのに。貴方達に支えられてきたというのに。 　私は大事な仲間たちに何も返すことが出来ぬまま、愚かにも生きている。 　仲間が一人、また一人と身体を倒していく。そのたびに彼等が私に言葉を遺す。 　親友へ、家族へ、愛する恋人へ、先輩へ、　……貴方へ。 　募った言葉と思いがここにある。私しか伝える事の出来ない手紙が胸の中に。 　一人ひとりの顔を、声を、仕草を、愛を、すべて覚えている。帰れない絶望も、死に際の苦しみもすべて 　だからこそ私が生きて伝えようと思った。貴方達の大事な人へ、最後の言葉を。 　もう、それしか私に出来る贖罪と感謝は存在しないのだから 　……ああ、どうして。 　どうして私が生きてしまっているのだろうか 　

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