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水無瀬 律（16） 一人称：「俺」 「危ないから下がっていてほしい。そうすれば俺が守れる」 無自覚王子様系。 日本人の母とアメリカの父との間に生まれた子。 弓道部。左利き。 家族のことにはあまり触れられたくない。出身に若干のコンプレックス。 自分のことはあまり語らない日本男児。 ▼探索者との（一方的な）出会い 幼い頃からハーフ+美形なため、人から一歩引いた距離で接されることが多かった。 家がお金持ちな事もあり、自分に近づいてくるのは顔か金目当ての人ばかり。人間不信に陥るのは当然であった。 目が合うと必ず熱に浮かされたような表情で連絡先を聞かれたり、目をギラギラさせて家のことを聞かれたりする毎日。 そんなことがあるため、いつも通り目が合わないように下を向いて歩いていると、誰かとぶつかりその人がコンビニの袋を落としてしまう。 慌てて謝りながらそれを拾って顔を上げると、その人とバッチリ目が合う。 「しまった」と咄嗟に身構えたが、相手はあっさりとお礼を言って碌に顔も見ずに去っていった。 ただそれだけの出会いだったが、いつも奇異なものを見る目で見られている律にとっては忘れられない出来事だった。 他の人とは違う反応をしたその人に強く興味を惹かれた律は、その人のことを調べるようになる。 （元々律には友達がいないため、『仲良くなる秘訣～まず相手のことを良く知ろう！～』という本の通りに行動した結果。ストーカーという自覚は無い） その人が通る道や交友関係、趣味や好きな食べ物に至るまで執事に調べさせた。 自分でもその人が通る道を歩いて見たり、写真を撮ったりして「その人のことを知ろう」としていた。 ある日執事から1枚の写真を見せられる。そこには歩く春子さんの後ろ姿と、手前の電信柱の陰には見知らぬ男が写っていた。その男は帽子にマスクの黒づくめの男で、明らかに春子の写真を撮っているようであった。 「おそらく春子様のストーカーであると思われます」 執事が淡々と告げるその言葉に、律は目の前が真っ赤に染まるかのような怒りを覚えた。 「危険だ。俺が守らないと」 ストーカーがその後どうなったのかは想像に難くない。 そんなことがあり、律は「春子さんを守らないと」という思いに駆られるようになる。 だが、春子さんはどうやら隙が多い。これは注意を促さないといけない。 そう思い、律は執事と相談して今回の計画を立てた。 目的は「隙が多いと自覚させること」そして「あわよくば仲良くなって連絡先を交換すること」。 『吊り橋効果～出会いと別れの心理学』は、「仲良くなりたい」という主人の思いを聞いた執事が善意から買ってきたもの。 おそらく魔導書もこの出来る執事が手に入れたもの。 （『仲良くなる秘訣～まず相手のことを良く知ろう！～』を買ってきたのもこいつ。真面目な律は両方熟読して「こうすればいいのか！」ってなった。） 恋愛感情は持ってると思うけど無自覚。とにかく無自覚。 「自分が守りたい」「仲良くなりたい」「あんなに善人なんだから変な奴に付きまとわれたら大変」 ビスケット…最初に出会った時に探索者が落としたコンビニ袋の中に入っていた。好きな人が食べるものは好き理論。 執事…「出来 優（でき　すぐる）」。名前の通り出来過ぎている執事。ただ友達がいないので「友達の作り方」に関してはポンコツ。 　　　計画もこいつと一緒に建てたので実質共犯。おそらくホテルの外で仕掛けたカメラ越しに見守っていると思う。

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