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とある小さな病院の薬剤師さん 趣味は写真を撮ること おじいちゃんおばあちゃんに囲まれて毎日楽しい 薬剤師になって２年目で、そこそこ知識もついてきたという段階 最近は薬学以外にも色々興味が出てきて、何でもできるナイチンゲール的な存在になりたい ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 父親が病気がちな人であったため、幼い頃から医療分野に興味が湧いていた。 高校生になって、養護教諭と仲がよく保健室へよく行くようになった。（体調が悪いわけではない） そんなある日、保健室へ訪れると養護教諭の先生はいなかった。 首を傾げながらも帰りを待っていると、ある一人の女子生徒が入室してきた。 彼女は学内でも有名な、いわゆる目立つ女子『芥子そまり』であった。 どうやらダンスで足を挫いてしまったらしく、彼女は足を引きずっていた。 養護教諭の先生に見てもらった方が確実ではあるが、放っておくのも心配ということで自身が処置を施すことになった。 若宮にとって初めての患者さんであった。 「はい、できた。でもまだ激しい運動とかしちゃだめよ？」 憧れの看護師のように照れつつも声をかけると、彼女はとても嬉しそうに笑った。 彼女の屈託のない笑顔がなぜか頭から離れなかった。 その日から、彼女は廊下や教室、保健室で声をかけてくれるようになり、仲がよくなっていく。 時には悩み相談をし、時には彼女のようにダンスを踊ってみたり、時には遊んだり、毎日が楽しかった。 隣にいる彼女がとても大好きでたまらなかった。 大人になってもそんな関係は続き、彼女はプロダンサー、自分は薬剤師となったある日。 二人で重なった休日。 いつも通り手を繋いで、いつも通り歩き出すと、突然隣にいた彼女が手を離した。 軽い衝撃と、彼女の手の感覚が今でも残っている。 彼女の横顔が、脳裏に焼き付いて離れない。 目の前には、大きな塊。それが鉄骨であることを理解するには、少し時間がかかった。 周りは何かを言っているようだったけど一切聞こえない。 そまちゃんはどこ？ 隣で眩しい笑顔を浮かべていた彼女は？ どうして、彼女のいた場所は赤くなっているの？ そこで意識が途切れた。 次に目を覚ますと、彼女はもうそこにはいなかった。 助けてくれたのは彼女だった。 私は、そまちゃんに助けられてしかいない。 そまちゃん、どうしていなくなっちゃったの？ 私を置いていかないで。 ＿＿そまちゃんがいない世界に意味なんてない ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 『初恋性ストックホルム症候群』KPC

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