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　幼い頃は明るく快活な性格であり、何にでも興味を示す好奇心旺盛な性格だった。望めば欲しいものは手に入るほど裕福ではあったが、親族の教育により傲慢に育つことはなかった。動植物を愛し、この世界のありとあらゆるものは美しいと信じ生きていた。（ここまでがまだ純粋だった頃の性格） 　転機は記憶のない７歳の頃。何があったかは覚えていないが、家族の手も自分の手も血に塗れていたことは覚えている。一人ひとりの顔までは覚えていないが、死屍累々の山が築かれていたことは覚えていた。その一端を担ったのが自分であろうことも理解している。 　 愛し憧れていた世界は既にないものと悟り、またその綺麗な世界を壊したのは自分だと絶望し今に至る。誰かが死んだ。どうでもいい。誰かの尊厳が奪われた。民草のことなど一々覚えていられない。現在に至るまで数え切れない程の人間を殺したが、圧政による蹂躙を行う度に元の純真な心が音を立てて崩れ落ちていった。 　いつしか厚く鉄を纏うことで感情に蓋をするようになり、持ち前の明るさも失せ、寡黙で冷徹な人物へと変わり果てた。以降は王族としての役目を果たすことにのみ意識を向け、人や物に対し愛情を抱いたことはない。全く抱いていないと言えば嘘になるが、「それは自分の中から生じたものだ」と実感することが出来なくなってしまった。そのため意図せず物を丁寧に扱い優しくすることもあるが、そこに本人の感情が伴ったことは物心ついた頃から一切ない。 　なお親族に対しても表向きは畏敬の念を示しているものの、所詮彼らも無慈悲な面を持つ自分と変わらないと認識しており、心から信頼してはいない。それはかつて自分が任命したはずのHO騎士に対しても同様で、いつ寝首を掻かれても不思議ではないと思っている。相手を信用していないというよりは、自分を含めた親族側に対する嫌悪感が由来している。 　とはいえ全くの無関心かと問われればそういう訳でなく、国と心中するくらいであれば謀略により反旗を翻してしまえとすら思っているくらいには気にかけている。遠回しに巻き込みたくはないという意思表示とも取れるが、やはり本人がそれを自覚することはない。 　名前の意味は「守護者」。

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