タグ： 削磨の探索者

ウエンベツミサキ。雨煙別家第四子・三男。元大日本帝国陸軍二等兵。長男は家督を継ぐため、次男は身体病弱のため兵役を免除されている。 真面目で粘り強く、諦めが悪い性格。地頭は悪い方ではないが、教養に関してはあまり追いついていない。小学校、高等小学校を出てからは、兄弟らと共に農家の仕事を手伝う傍ら、専門学校入学者検定試験の勉強を重ねていたものの、合格には至っていない。腕っぷしは幼少の頃から強く、畑の作物を食いに来る獣や泥棒には加減なくその力を振るっていた。 徴兵令にて21歳の時に招集され、陸軍第75師団に所属する。当時、連合国軍と熾烈な争いを極めたニューギニア戦線に参加。仲間と共に送り出されたが、激しい爆撃やゲリラ戦、過酷な環境下に置かれ、激しく消耗。銃弾や爆撃による裂傷だけではなく、マラリアをはじめとした熱帯性感染症や飢餓からくる栄養失調で戦友たちも徐々に力尽きていった。三祥も例外なく、複数個所に骨折や脱臼などの傷を負う他、マラリアやデング熱に感染しており、生死の境を数度、彷徨っていた。玉砕命令が下る頃には、隊の中で意見が分裂。当時行動を共にしていた中隊は散り散りになってしまった。 かろうじて生き残った三祥は、死の恐怖を覚えつつも生き残ることを強く恥じ、玉砕覚悟でアメリカ軍の駐屯地へ特攻攻撃を仕掛けることを決意。熱に浮かされる身体をもたげ、夜間に単身特攻を行う。左肩、右上腕、右大腿を撃ち抜かれるものの、所持していた自決用の手榴弾による攻撃をはかる。ピンを抜くことには成功したが、つくりが粗悪であったためか不発に終わったうえ、危険と判断された彼は頸部を撃たれ、そのまま昏倒することになる。その後、アメリカ軍の野戦病院に送られ、奇跡的にも一命をとりとめてしまった。 一命をとりとめた後は、アメリカ軍の捕虜として数日間訊問をされたのち、収容所に入れられることになる。収容所内では、三度脱走を試みるも、どれも失敗に終わっている。捕虜の間、アメリカ軍との関わりを持つ中で、彼らの人柄を知る他、不本意にも英語を習得することとなる。 帰国後は、短期の日雇い仕事をアテにした生活を送っており、お世辞にも豊かとはいえない。これからどうしようって感じである。

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