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「田川商店」の長男。 弟2人（14歳 勇/いさむ、5歳 正/ただし）、妹1人（12歳 千代）。 田川商店は、もとは反物などを取り扱う町の商店だった。 2代前に輸出入に着手、大きく売り上げを伸ばし、貿易商社として名を馳せるようになる。 いわゆる成金。両親や祖父母はどうにか華族とつながりをつくりたくて右往左往している。 祖父の代で、”田川”から”宇田川”に改名。 父親は仕事で家にあまりおらず、母親は自室にこもってばかりのお嬢様。 両親ともに優しく愛情が深いが、その愛と家庭を顧みる行動が比例していない。 ぽんやりした母親はTHE・箱入り娘で、家事などは不得意。 なので、幼い頃からこっそり実が家事を行ってきた。 弟妹ができてからは、面倒を見るという言い訳のものと、結構大っぴらに家事をするようになった。 家族が大好き。もちろん弟妹が大好き。何かしてあげたくてしょうがない。 最近、千代が反抗期なのかあまり相手をしてくれなくて少し寂しい。 愛の行き場がなくなってうずうずしている。誰かの面倒がみたくてしょうがない。 --- 突如道端で声をかけられた、と思ったら女学生だった。 驚いていたら「制服を交換して互いの学校に入れ替わって通わないか」とお願いされてさらに驚いた。 どうにも困っていたようだし、料理も裁縫もどちらも好きだ。 自尊心が高く強いことに重きを置く人間の多い高校は、窮屈さを感じていたところだったので、 願ってもない申し出だと思って受けることにした。 通ってみた女学校はやっぱり楽しかった。

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