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【好きな食べ物】 【嫌いな食べ物】 【誕生日】9月10日　　【血液型】B型 少し口下手だけど誠実な青年。大学三年生。農学部でお茶の品種について研究している。小学生の頃から少林寺拳法をやっていて素手での戦いならばまず負けない。もっとも、精神的にもしっかりしており、自分に厳しいため、他人に対して拳を振るうことはよほどの危険が迫っていない限りありえない。 〜以下、秘匿ハンドアウトに関わる内容〜 立花樹は半グールである。理由は知らない。いつもお腹がすいているし、ご飯を食べても美味しくない。物心着いた時からそうだったから、そういうものだと思っていた。 小学二年生の時、自分を可愛がってくれた祖父が死んだ。その祖父の遺体を見て、猛烈な食欲を覚えた。大人たちが寝静まってからこっそりと、その硬くて冷たい小指を齧った。 ——美味しかった。 程なくして樹は武道をやりたいと言い始めた。体を動かすことを嫌っていた（お腹がすくので）息子の熱心な申し出に両親は驚いたものの、強い反対もせずに許してくれ、近所にあった少林寺拳法の道場に連れていってくれた。 人間である樹は、祖父を「食べてしまった」罪悪感から逃れたかった。そのことを忘れるほど何かに打ち込みたかった。同時に樹の中のグールの部分も、人を狩る術を身につけたいと疼いていた。武道とは、最初はその最適解に過ぎなかった。 しかし樹は師に恵まれた。厳しい修行を通して心の強さを身につけ、己の中のグールとしての本能、人を殺して食べることへの誘惑をほぼ抑え込めるようになった。自分は人の道に外れまいと心を決めた。大学で農学を学んでいるのも、自分が死肉の他に唯一味を感じることの出来る緑茶。その茶葉を改良し、何とかして自分の空腹を癒せる品種を作りたいと思ったからだ。 しかし、そんなことがそう簡単に実現できるはずもなく、また生存本能はいかんともし難く。こっそりと衰命山へと趣き、手を合わせて詫びてから自殺者の遺体を食べて、命をつないできた。 九条美咲に対して、恋心を抱いている。ほとんど一目惚れに近かった。明るい笑顔が、真っ直ぐな心が、元気いっぱいの彼女が好きだ。 しかし、伝えるつもりは無い。正義感の強い九条が、半グールとして死肉を漁ってきた自分を受け入れることはないだろうから。友達としてその笑顔を向けてもらえれば、なんでもない日常を共にできれば。バケモノの自分がそれ以上望むことなど、身の程知らずというものだ。 自分が半グールであること、死者の肉を口にしなければ生きていけないこと、身体を鍛え心を鍛えてきてなおそれを克服できていないこと。 表には出さないが、少林寺拳法を通じて精神修養を重ねてきたからこそ、そのコンプレックスと自責は深い。

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