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ぎこちない同居NPC　日向 切國 古くから武家、地主として栄えてきた日向家は現代、政治、商業、新事業など多くの界隈に進出する日本有数の名家である。 切國は三男として日向家に生まれる。 幼少期より武道、伝統芸能の才能を持っていたが極度の人見知りで内向的だった。 また、当初日向家は跡取り騒動で水面下の諍いが起こっており、切國は隠し玉としてひっそり分家で育てられる。 その為兄弟とはあまり会えず跡取りとしての教育を1人分家で受けることになる。 極度の人見知りに加え慣れない分家での生活は切國に大きなストレスとプレッシャーを与えたが兄弟と本家の両親が言う「騒動がおさまればすぐに本家に連れ戻すから待っていて欲しい」という言葉を信じて20年間分家で過ごした。 そして20歳の誕生日を迎えた切國の元に一通の手紙が届く。 日向家の次期頭首が兄弟の掘仙に決まった事、その為本家に連れ戻せなくなった事、跡取りが決まった以上、今後分家には預けることも難しくなるから荷物をまとめ好きな所へ行くように、費用は此方で出すといった旨が書かれておた。 無論、これは両親含む本家の人間が決めたことで仙伏と掘仙はまだ知らされもしていなかったことだが長年、たった一つの約束を信じて生きてきた切國には十分すぎる裏切りでもう言い返す気力もなかった。 幼い頃から分家の人間が陰で囁いていた「望まれない子」の意味を理解した切國はその日のうちに少ない荷物を纏め国外へ。 暫く放浪し、やがて片田舎の町はずれ、海辺に建っていた一軒家に根を下ろした。 その事件があってから以前にも増して人を避ける様になり性格も自己評価が極端に低く、捻くれた。 因みに残された兄弟は切國への通達があった５日後に跡取りの件を聞かされ当然拒否。 だがすでに切國が分家を出てしまっており、堀仙が跡取りになることを拒むようであれば切國への援助を打ち切ると言われ、嫌々ながら日向家の跡を継ぐ。 現在、日向家の悪しき体制を変えるべく二人で奮闘しながら居なくなった切國の行方を突き止めるため尽力している。 切國からの連絡は勿論ない。 そして海辺の家に住み始めて3年が経った頃、切國の家に一人の男が訪ねてくる。 何でも、町の宿が取れず野宿するしかなくなったが生憎の雨にやむを得なくここを訪ねたという。 「1日で構わない。必要なら金も払う。なるべく邪魔はしない、泊めてくれないか」と男は言った。 「断る。街へ戻れ、泊めてくれるスキモノの一人くらいいるだろう」と断った切國だが話している間に外は雷雨。 海に近い道をこの天気の中歩くのはかなりの危険が伴う上、町の人間がよそ者を嫌うことを知っている為断るに断れなくなった。 諦めたように雷雨の中へ歩き出そうとする男を呼び止め「……ここでお前を泊めず死なせたら俺の目覚めが悪い。明日の朝一番に出ていくなら、泊めてやる」と渋々男を泊めた。 男は相州 廣光と名乗った。 結局、雷雨は3日間続き、中途半端に追い出すわけにもいかず二人は暫く一緒に過ごす。 一応客人なのだからとベッドを勧めるも頑として頷かない、やめろというのに手伝いをし出す、警戒を解かないチョギに構い、いつの間にか懐柔している、そんな廣光のことを、最初こそ他の人間と同じように疎ましく思っていた切國だが、同時に初めて正面から人と会話する経験に戸惑っていた。 少しづつ会話は増え、お互い多くは語らないが静かに相槌を打ち話を聞く廣光と居るのが心地よかった。 三日後、後ろ髪を引かれるようなよく分からない感覚を抱え別れの挨拶をした切國に廣光は「長く世話になった。また礼に来る」と言い残し去って行った。 咄嗟に断ろうとしたが結局金銭を受け取らなかった切國に念押すように「またな」と言い黙らせて廣光は行ってしまった。 それ以降、２，３か月に一度廣光は切國の家を訪れた。 それが嫌なようで、待ち遠しく、カレンダーを見ることが増えた。 だが何故こんな俺の所へ来るのだろうか。 呼び止めるべきではない、いつかは来なくなる。 一緒に居るという保証はない。 多くを語らないアンタの本心が分からない。 だが「俺が来たくて来ている。居たくてここに居る。これは俺の心だ」と言ったアンタの言葉を、信じてもいいのだろうか。 ああ、やっぱり 俺は、望まれない。 【備考】 ＊兄弟について 長男：仙伏(せんかく) 次男：掘仙(ほせん) 三男：切國(きりくに) ！上二人は日向で容認されて生まれ育ったので名前が似ている。 　切國は生まれた時から存在が隠されていたので万が一存在が知れた時の為に名前が似ていない。 　もし日向の跡取りに選ぶことがあればその際に襲名をと考えられていた(クズだねぇ) 　跡取りの事、切國に送った手紙のことを知った時、堀仙はその場の全員を怒鳴り吠え、仙伏は部屋を半壊させた。 　現在も日向の跡取りとして勤めを放棄しない様、切國の情報は生きていること以外知らされていない。 ＊チョギ 海辺の家に住み始めて1年が経った頃、嵐の夜に家の庭に迷い込んだ白猫。 肢と目を怪我していたので嫌がるチョギを何とか保護して看病した。 その後野良に帰したのだが毎朝切國のビーチコーミングに合わせたように海辺に現れる。 そこからいつの間にか切國の家に居付くようになり飼い猫になった。 本猫は飼われているというより一緒に居てやっているといった態度。 【NPC参加シナリオ】 ・ぎこちない同居

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