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ホオズキ　ガクト 「たいちょー、ここに書いてある漢字なんて読むんスかー？」 　食い意地張ってる金にがめつい育ち盛りの17歳。見るからに育ちが悪い。箸がちゃんと持てない。バカ。 　刀を振るう事に一切の抵抗が無い上に寧ろ楽しそう。本人曰く仕事だと割り切っているらしいが、鬼狩を遊びかなんかだと思っている様に見える。 　好き嫌いはほとんどない。ダンボールや無機物以外ならなんでも食う。カビが生えたパンもその部分ちぎり捨てて平気で食べる。 　最近になって駄菓子を初めて食べた。安くて美味くて腹が膨れる！最高！！最近のお気に入りは「う○い棒コンポタ味」 　頼み事されたら面倒くさそうにするが1円でもチラつかせたら滅茶苦茶ノリ気になる。 ここから秘匿。 「は？親？んなもんいねぇけど？？」 　クッッッソ貧乏な家庭に生まれ、無職でギャンブラーなDV父親と言いなりのヒステリック母親に育てられた子。母はパートしてるけどその金は全て父のパチンコと競馬代に消えているので借金生活。小中は給食費まともに払えてなかった。なんなら風呂にもまともに入れてない。食べる物も無く、いつも腹を空かせていた。 　友達はいない。風呂に入ってないのもあるが、昔ゲーム機器を貸してもらった時父親にそれが見つかり勝手に売られた。それ以来ハブられる。 　就職しようと思ったが、中卒で働ける場所は無いからと母に高校へ行かされる。この頃の母の口癖 「どうして誰もわかってくれないの？岳斗だけは私の味方だよね？お母さんのこと助けてくれるよね？」 　それに対して笑顔を貼り付けて「そうだね。」と答えるしかなかった。 　高校受験に差し掛かった頃、夜な夜な母と父が口論になっているのを聞いて途中から高校へ行く道を捨てた。どうせ学費も払えないし。 　父が家に帰ってくる日がまばらになってきた。あんなクソ野郎は帰ってこなくてもいい、母が傷つかなくて済むし、何より幾分か気持ちが楽だ。 　中学を卒業してからは我武者羅に働いた。昼間も夜も中卒でも嘘をつけば働ける場所はいくらでもある。 　ある時仕事の帰り道、深夜の歌舞伎町にて酒に酔った見ず知らずの中年の男に「着いてきたら3万円あげるよ」と誘われ、目の前の大金欲しさに何も考えずについていった。人目のつかない路地裏に連れ込まれ突然服を脱がされる。後ろの異物感、口内に広がる青苦い匂いに咽せ返る、そんな思い出すだけで嗚咽しそうな体験をした。 　全て終わった後、気持ち悪さで吐きそうになった自身の足元にひらりと何かが落とされる。それは3枚の万札。 「君、はじめてだったんだね、良かったよ。また遊ぼうね」 　金。 　金だ。 　ものの小一時間自分が気持ち悪い体験をするだけでこんな大金を稼げるのか。普段身を粉にして丸一日働いても日給なんて高が知れている。それに比べてこの行為をたったの一回するだけでこんなに。 　知らなかった。こんなにも手っ取り早い簡単な方法があったのか。 　それ以来仕事後に路地裏でそういうプレイが好みそうなおっさんおばさんに片っ端から声をかけて咥えたり挿れたり挿れられたり飲んだり食ったフリしたり。 　文字通り「金の為ならなんでも」やった。 　その時に手に入った金は全て母に渡した。どこで手に入れたかすら聞かず、その金を受け取るや否や母は何も言わずに出かけることが増えていった。 　きっと、借金をしている金融機関へ向かったに違いない。これで少しは生活が楽になるといい。 　母を楽にさせるためか、将又自分のためか、今となってはわからない。 　しかし、そんな生活も突然終わりを告げるのだ。 　父が家を空けて半月ほど経った7月28日。家にいる時間の方が少なくなった母が珍しく上機嫌で明け方帰宅した。その時の母は小学校の頃以来の綺麗な格好をしていた。 「何かあったの?」と聞く前に口を開いた。 「岳斗。私、再婚するの。もうお父さんもこの家には帰ってこないし、あなたもこんな家いらないでしょ？岳斗はもう17歳だし、十分一人で生きていけると思うの。これからは自由に生きてね。」 　目の前が眩んだ。 　は？待って？なんで急に?てか、相談くらいしてくれても良く無いか？というか、今まで家を空けていたのって借金を返済するためじゃなくて、男と遊ぶため？そんなことのためにオレの金は使われていたのか？一人で生きていけるったって、税金の払い方も知らなければ水道代や光熱費がもったいないから家事も洗濯も掃除も自炊すらまともにやったことないよ？学校でそんなこと教えてもらってないよ母さん。給食費払えないと家庭科の授業は受けられないんだって知ってる？アレ？オレこの人に何かしてもらったことあったっけ？アレ？ 　───オレの人生って今までなんだったんだ？ 　気がついたら病院のベットに転がっていた。何がどうしてこんな所に寝ているのかは全くもってわからない。 　そんな岳斗にはじめに声をかけたのは傍にいた見慣れない女性。彼女曰く、自身が覚えている最後の記憶から3週間ほど経っていた。その後、なんか色々説明されたけど頭に入ってこない。寝起きもあるが、それ以上に衝撃を受けたのだ。 　なんて綺麗な人だろう。 　一目惚れというやつだ。仕方ない。自分だって裏若き少年なのだ。 「…その、なんとか隊ってのに入ったら…おねーさんのそばにいれんの？」 「24時間は無理だけど、衣、住、3食たっぷりご飯付きだし、風呂にも入れる。」 「ノッた」 　こうして新たに始まった自分の人生。一週間みっちり特訓をつけてもらうことになったがそれは苦ではなく寧ろ幸せだった。まさか自分に剣道の才があったなんて知らなかったし、何より彼女、百合亜がマンツーマンで訓練してくれるのだ。ここは天国か！？最高すぎる！毎日が楽しすぎる。アド…なんだっけ？がどっぱどぱ頭の中に埋め尽くされてる気がする。 　訓練を終えていよいよ明日入隊の日。終わったと思った人生は今思わぬ形で掬われて新たなスタートラインに立った。一発逆転やり直しのチャンスだ。 　あんなクソ親どもなんて知るか！オレはここで最ッッッ高の人生を送ってやる！！そんで指咥えて見てるがいい。ざまーみろ！ 一人称/オレ 二人称/アンタ、オマエ ※NPC「百合亜」のみ「姐さん(あねさん)」 陰キャにする予定がチェンソーマンのデンジくんみたいになりました。てへぺろ。今の目標は百合亜さんのウエディングドレスを見る事です。来年以降「姐さん結婚してくれ！！」って言い出すと思います。 「ありがとう」と今まで言われたことが無いので、どんな些細なことでも「ありがとう」やそれに通ずる感謝の言葉を言われたらどんな状況であれ固まってしまう。また、「ありがとう」を言ってくれた人に滅茶苦茶懐く。 家族の話題は地雷。別に他人がどういう家族だったかを話す分には「コイツ親ガチャ成功してんなー」って受け流すけど、そこから派生する「子は親を愛するし親は子を愛してる理論」を無理矢理押し付けてきたらキレる。 初入社前に身なり整えろって言われたから初めて美容院ってとこ行った！！！！髪の色姐さんと同じにしてもらった！！！！ メガネヤベェ！！！！！！！めっちゃ見える！！！！！！！めっちゃ見えるけどこれ闘う時めっちゃ邪魔！！！！！！！！コンタクト！？何それ！？！！？ 2024.3.31. わらう鬼　全生還 ※鬼化の後遺症は残ったままだが、赤くなる前は百合亜と同じ透き通るような美しい翡翠色だった。 鬼狩り部隊解散後、HO1朱雀の家に居候することになった。 HO2沖野驟雨に懐いた。 HO4酒巻瑞木をなんだかんだで慕ってる

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