タグ： 忘れられないシリーズ

パリを中心に欧州にてモデルをしている30歳。 モデルとして身長は平均であるものの、抜群のスタイルと特徴的な容姿(目と歯)を買われ活動中。また、特徴的な容姿を持ちつつも”どんなブランドにも雰囲気を合わせ、デザイナーが求めているモデルに成る”カメレオンモデルとしても有名。 個人で契約しているブランドもあり、パリコレにも毎年出演しているため”Nagito Enzyaku”の名前はトップモデルとして知られている。 モデルとして、デザイナーの人から求められた”マネキン”を演じるのはやりがいもあるし楽しいが、心の奥では“舞台俳優“としての仕事を求めている自分もいてやや鬱。 また”NagitoEnzyaku”を求められれば、どんな時でも演じて応じてしまうため気の休まる暇がほとんどない。また、自分に自信がないのは昔から変わっておらず„五百雀凪“を見せた瞬間に、今の全てが壊れて周りになにもなくなるのではないかという恐怖が拭えず、“NagitoEnzyaku“ではない顔を見せるのに偏執的な恐怖を抱えている。 モデルをしている時は常に気を張って180度完璧なモデルを演じているためキラキラと輝いていているが、一人で家に帰った瞬間に全てのスイッチが切れ自己嫌悪だらけの虚無タイムを過ごしている。 小学生の頃はモデルをやって疲れることもあったが、学校に行けば“五百雀凪“に戻れてビビリでダメな自分でも、奇天烈な友人が受け入れてくれたため精神的な安定があった。 芸能科のある私立中学に上がってからは、常に周りがライバルなうえ、”燕雀凪斗”として見られ続けられたため、“五百雀凪“に戻れるタイミングが少なくなり、気の休まる時間がどんどん減っていった。 加えて、自分に戻れる時間が減れば減るほど、モデルとしての活躍は増え、モデルとして活動すればするほどやりたい“演者“の仕事ができなくなっていったが、周りからは“天才モデルの燕雀凪人“を求められ続けたため、それに応えてしまい、また自分をすり減らし、本当にやりたいことはできないものの、名声は得てしまうという循環に陥った。 また名声を得れば得るほど、周りに群がる人は凪を利用したい人間か、引きずり落としたい敵だけになり、自分を出せなくなることに拍車をかけてしまった。 (凪が臆病なために信用しきれていないが)ちゃんと凪のことを心配しているマネージャーが、最近の雰囲気からなんとなく限界の気配を感じ、無理やり休みをもぎ取り同窓会を理由に凪を日本に送り返した。 凪本人は今休んで大丈夫かすごく不安だが、マネージャーに勘付かれたくらいには自分が“凪斗“を演じきれていなかったんだろうと反省中。 久しぶりに友人に会えて嬉しい気持ちもあるが、きっとみんなすごく活躍しているだろうし、自分なんかがそこにいっていいのかという不安でいっぱい。あと、卒業以降連絡もできていなかったし、あいつ誰？って思われそうで怖い。 —忘れられない未来へを越えて— 恩師が亡くなっていたことに衝撃は受けたものの、卒業してからも気にかけてもらっていたこと、あの時の友人は今でも間違いなく友人であることを知り、偏執的なまでの自虐意識は、ちょっとだけ改善した。 また、自分の中にいた現在への不満とも折り合いをつけることができたし、自分が臆病すぎて前に出ることもせず、嘆くだけ嘆いて何もしていなかったと言うことも理解できたので、それを改めることで少しずつ前へ進めている。(テレビとかそういったものにも少しずつで始めた) マネからも「いい顔になったな！え、モデルも楽しいけど役者もやりたい？いいじゃん！」という感じでそっちの仕事も探してきてくれるようになったので忙しさに拍車はかかったし、毎日楽しいことばかりでもないけど、心理的には穏やかな日々を送ることができている。

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