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レオナール・ヴィドック フランスの軍人を輩出する家系に生まれる。 父親が憲兵隊で家に帰ってこず、そして最期にはテロで殉死。家族がちゃんといる学校のクラスメイト達とそりが合わず、かなり学校内では浮いた存在だった。 不良グループの一員に近いような存在だったが、人一倍正義感は強く、悪さをする悪童達を相手に喧嘩をしていた。その関係でよく警察の世話となり、良くも悪くも街中の有名人となっていた。 そのままフランスの後期中等教育を卒業し、定職に就かずに様々な職を転々とした。迷惑な客と騒ぎを起こして今日もクビとなり、街中をほっつき歩いてたところ、街を騒がす殺人事件の現場に出くわしてしまう。怖れず立ち向かう日本人の男に向かって刃物を持った大男が襲い掛かろうとした瞬間だった。レオナールは迷わず間に割って入り、大けがを負いながらも日本人の男を庇った。 目が覚めると、レオナールは病院の中だった。助けた日本人の男「東条 霖 とうじょう ながめ」が拙いフランス語で傷の容態を見て慌てながらも感謝を述べてくる姿を、レオナールはさも愉快そうに笑った。 それが運命の出会いだった。意気投合した2人はフランスと日本に探偵事務所を開き、些細なものから大きなものまで様々な依頼を解決した。幼少期から培った悪人への天性の勘と観察眼に優れた肉体担当のレオナール、世界中を旅して得た知識を活かした頭脳担当の東条の名コンビはそこそこ有名になった。 しかし、1年前に東条はフランスで起きたテロに巻き込まれて死亡する。自分の半身を失ったような気がしたレオナールは平和な日本で空虚な1年を過ごした。 そして、レオナールのもとに唐突に一通の手紙が届くのだった。 「初めましてレオナール・ヴィドック様、あなたには叶えたい夢があるのではありませんか？」 「叶えて差し上げましょう、命を懸ける危険な遊戯に参加して頂けるのでしたら。」 「覚悟がおありなら下記の住所へいらっしゃってください。」 「良いお返事をお待ちしております。」 下には集合日時、住所が書かれているのだが、目線は違うところに向いている。 「普通ならトージョウを蘇らせてくれって頼むところだろうが、もしあいつが生き返ったとしても、まぁ喜ばねえだろうぜ。そんなチャンスをつまんねえことのために使うな、ってな。」 「俺が欲しいのは大事なものを守るための力だ。全部の人間は守れなくても、せめて目の前にいる奴らぐらいは守りてえんだ。」 「命を懸ける覚悟？そんなもんはこの仕事に就く前からしてんだ。今更何を言ってやがる。」 あなたの答えは決まっているのだから。

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