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「ココン！東西化け合戦」 ▶〈PC4〉表HO シナリオロイス：次郎吉（じろきち） 　あなたはUGN：芒ヶ原（すすきがはら）支部の支部長であり、最も古くからUGNに所属している者達のひとりだ。20年前のオーヴァード大量覚醒事件の際に芒ヶ原市で発生した混乱を仲間達と協力して収めた後、UGNに参加して今に至る。あなたが支部でくつろいでいると、開いていた窓から一匹の鼠が室内に入って来た。鼠はあなたの眼前で机の上に直立し「狸と狐の戦争を止めて欲しい」と述べた。 ▷〈PC4〉リバースHO 公開条件：【争乱を目論む者】の情報判定に成功している。 　元々この地は日本に隠れ住む化生たちの憩いの場であり、あなたは彼らを祀る一族の末裔だった。20年前、芒ヶ原市では前回の「東西化け合戦」が行われていたが、その最中にジャームの同時発生に伴う大火災が発生した。混乱を鎮めるべく、あなたは化生の頭領達【玉藻前】【段三郎】【次郎吉】と協力して戦ったのだ。混乱の中に大会の勝者は有耶無耶になり、事態の終息後に仲間達は離散してしまった。あなたと共にUGN支部に残ったのは『サブロー』と名前を変え身分を隠した【段三郎】だけだった。あれから多くの月日が流れ【段三郎】はすっかり耄碌してしまったように見える。それでも化生達の無意味な争いを止めるべく、誰かが立ち向かわなければ。あなたは決意と共に、かつて化生達から贈られた葛籠(つづら)の封を切る。 　このリバースHOを公開している場合、あなたはシナリオ中に１回のみ、いつでも以下の効果を使用することができる。 ●購入判定で入手可能なアイテムを１つ選択し、それを取得する。シナリオ終了時、そのアイテムは失われる。 ・20年前、段三郎は自身の使っていた妖刀を一時的に封印した状態で大会を開催していた。ジャーム発生による混乱が生じた際には封印解除の条件を満たしていなかったため、段三郎は太刀なしで戦っていた。PC2の抱えている古びた太刀を見た際、PC4はそれが段三郎の使っていたという太刀なのではないか？と悟る。 ・20年前は芝右衛門いなかった。 PC4は前回(20年前)の大会には出場していない。 ・玉藻の前：気に食わないものにはすぐキレるし殺すけど、認めた・愛した相手には礼を尽くす悪女。狐至上主義で狸とは基本いがみ合ってる。化け合戦で頭領になっていた「段三郎」には敬意を払っていた。 →　意地の悪さはありつつも、化生として自身を貫き通す彼女の姿は、亜里傍にとって憧れを抱いて然るべきものだった。憧憬/不安 ・20年前より昔（具体的には40年前～）の化け合戦については、PC4が直接見聞きしていない限りは詳しくは知らない。ただ、「段三郎」が化生の総大将が襲名する称号であり、今サブローになっている狸が十二代目の「段三郎」だったことは知っているだろう。 前回の大会に際して総大将の座から降りたからサブローに再改名した。 [キャラ設定] 　その家系は古く、始まりは遥かシルクロードを越え南蛮貿易の際に来日した中東のとある男に由来する。その人物は奇怪な術を操り、森羅万象に通じたという。彼はこの地で妻を娶り、子を成して人生を終えたという。 　彼の子孫はいずれも妖術を扱い、村に恩恵を与え続けたという。またこの地に根付く化生たちとも言葉を交わしていたそうだ。このため村人からは、化生と人の間の子とか、森の狐狗狸が人に化けているのだとも言われていたそうだ。 　こうした異能と化生達との関係は脈々と、少しずつ変化しながら受け継がれていき、大正時代には現代とほぼ同様の、森(そしてそこにおわすモノ達)を奉る社という形を取っていた。また現代的な価値観がこの地にも普及していった結果、最早妖術などを信じる者は殆どおらず、この家の者もそうした時代に合わせて異能を隠すようになっていった。それでも森の住人達との関係は変わらず続いていた。 　当代の巫女が生まれたのは今から凡そ35年前。先代と同じ様に異能を操り、この社を守る巫女になる筈であった。生まれた当初は神童と持て囃されるくらいには聡明な子であったが、いつまで経ってもそれらしい異能が発現はしなかった。幸いな事に化生とのコミュニケーションは誰よりも取れていたため、引き継ぎに関しては特に心配されていなかったが、子にとって親の期待に応えられなかったという事実はいつまでもコンプレックスとして心に残った。 　時が経ち、先代は急逝して独り身となりながらも森と社を何とか守っていた十代。そんな生活も孤独ではなかったためか、彼女なりに幸せに過ごせていた。しかし20年前の世界的なオーヴァード大量覚醒事件の影響はそんな彼女にまで及ぶ。その余波なのか「東西化け合戦」ではジャームの発生による大火災が起きた。何とか事態は収められたものの、世界的なレネゲイド事件に対処すべく結成されたUGNがそんな彼女を放って置く訳もなく、化生達と彼らの森を守るため、彼女自身がUGNの傘下に入り、支部長としてこの地の責任を負うこととなった。 　とは言っても当時にしてまだ15歳の少女、ましてやその身に宿すレネゲイドは人外の怪力を与える訳でも火や氷を扱える様になる訳でもない。加えて幼き頃から誰よりも自身の力に対してコンプレックスを感じていた彼女が、不安のためにさらなる力を求めたのは無理もないことだった。今となっては、いや当時から彼女のその類稀なる思考力はそんなものに必要性などなく、無意味なリスクを背負うだけだと結論付けていたのは皮肉な話か。 　今から15年前、彼女が20になった頃にある2人の男が接触してきた。一人はUGNの長瀬明、もう一人は神城グループの研究技術者だと言っていた。UGN本部から離れており、組織的なことには疎い彼女でさえも、神城が比較的親UGN組織であることは把握していた。加えて何よりも彼らの提案した、レネゲイドの力を大幅に高める研究の協力というものを聞いて、その疑いようもない程に信じるべきではない契約書に、同意してしまったのだ。それから1年程は丹念に丁寧に全身を弄り回された。人権などという言葉も女という言葉も子供という言葉もそこには存在していなかった。ただ認識できていたものは苦痛と悲痛と屈辱と、幻とわかっている期待、そして何か異物が全身に浸透していく感覚であった。 実験が完了した後、長瀬は自身が計画している謀略について、彼女の頭脳を以てさらなる進展をさせられないかを問うたが、思うような答えが得られなかったためか、元の支部に何もなかったかのように彼女を帰した。当然数々の口止めと脅しを添えられて。彼女がこの1年間を代償に得たものは、碌でもないものであった。それは、内側は生命維持も危ういレベルの損傷具合にも関わらず、表面上は老いることのないだけの少女としての肉体。一応少し頭が以前より冴えていたが、そんなものは彼女にとって些事でしかなかった。 　それから十数年が経過し、彼女のもとにダイナストという老人のようなものが訪ねてきた。どういう訳か彼は厳重に秘匿されていたはずの彼女が受けた実験を知っており、自身に協力しないか、と提案してきたのだ。それに何の希望も見いだせなかった彼女は即座に理由を添えて断っていた。それに対しダイナストもまた。長瀬と同じように失望したような視線を彼女に向けて去っていった。 　それから時が経ち、今から少しだけ前に、UGN本部の重役ととある支部の少女がやってきて、彼女が受けた実験についてとそれに関係した長瀬明や、未知の存在ダイナストが起こした事件の顛末について聞いた。それは、彼女が以前、長瀬やダイナストに直接伝えた、彼らの計画が完膚なきまでに失敗するという結末と何ら違わず、特に何か感じることはなかった。どちらかというと、自分に埋め込まれたものの源流である少女と、その時直に対面できたことのほうがまだ心が動いたことだろう。 　結局彼女は自分の願ったものは手に入れられなかった。勿論その願いが子供が描いたおとぎ話のように滑稽で、彼女が取った手段では決して叶わないことは、何よりも聡明な彼女の頭脳が結論を出していた。それでも人間としての、いや子供としての彼女の心が、足掻きたかったのだ。 　今は半ば隠居生活のような感覚である(前述した通り実験の後遺症で見た目は15歳程の少女だが、内臓器官がボロボロのため老婆同然なのだ)。ただそれでも生まれた時から大切にしていた森と化生達は彼女の宝であり、だからこそ今なお支部長の座に付いている。 ※注釈的な 　祖先はレネゲイドが発見された中東某国からやってきたオーヴァード。20年前に世界にばらまかれたレネゲイドとは異なる種であるため起源種(この辺りはリンケージマインドの該当Dロイスの説明参照)。それが遺伝したため彼女も起源種で20年以上前からオーヴァード。　異能が使えなかったと書いたが、元々単なるノイマンで目に見えた妖術ぽいものが無いからそう言われた。特に集められた証拠から導く未来予知というレベルの推測に特化した能力であったが、理論建てた推理というよりも、まるで物語の結末部分だけを抜粋して見てきたかのような超直感的な予知であったため、周囲からは(そして本人としても)何となく彼女の言うことは当たるよね―、ってくらいだった。 　長瀬明、ダイナストに関してはレネゲイズアージの菊池リプレイ参照を推奨。彼女が受けた実験は、長瀬が彼女の能力に期待して自身の計画の穴を聞きたかったからなのと、その能力強化および万が一の神崎の娘の予備体として、神崎葵の遺伝子を埋め込んだもの。ただ予知能力が強化されたはずの彼女から得た答えは、ただ端的に(前述した通り課程をすっ飛ばして)長瀬の計画は失敗する、というもの。それに失望した長瀬は、一応予備体であることから彼女を殺さずに生かして元の場所に帰した。神城経由だったのは、あの組織が会長派閥とそれ以外で内部分裂しかかっており漬け込みやすかったことと、予備としての神崎の娘を作ることから、UGN外の組織を用いたかったため。 　ダイナストが接触した理由は、他の神崎の娘同様に利用しようとしたことと、自身と同じ変異種の娘であったため。しかし長瀬の時の対応同様、自身の計画の失敗しか述べず、協力をする素振りさえ見せなかったため失望して放置した。 　最後にやってきたUGN支部長の少女は薬王寺結希で、神崎葵のクローン(ヒューマンリレーション参照)。話を聞いて彼女が自身に埋め込まれた遺伝子から生まれた少女だと直感的に分かったし、そう薬王寺から説明された。 　この地に化生がたくさんいるのは、もしかしたら中東からやってきたオーヴァードのレネゲイドに感染したせいかも？？？？とか適当に言っておきます。 アル・ファッターフAl-Fattah 解放する 故郷は今もすぐそばに、安楽椅子探偵

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