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クトゥルフ PC作成ツール
冷泉 柊
ID:3256300
MD:b13b6f7341fc56f248bdcb6d2b1c9771
冷泉 柊
タグ:
つかさ@168
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
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(不定領域:
)
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技能
職業P
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(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
「現実はいつもぼくを傷つける…」 「はぁ~若者は元気でいいねえ…尊敬しちゃうわ~」 ⭐︎職業:自宅警備員 【隠れる】【聞き耳】【コンピューター】【忍び歩き】【図書館】 +個人的な関心の技能3つ 【電気修理】【電子工学】【ほかの言語(英語)】 ○概要 神奈川県郊外で生まれた。比較的優等生として高校まで過ごし、某工科大学へ進学。しかし、陽キャ学生達との人間関係に煩わしくなり中退。 以降、横浜市へ引っ越し、引きこもりもとい自宅警備員として、ゲーム、ネットサーフィン、漫画、小説、アニメ…と自由気ままに一人で暮らしている。 収入は、大学時代のコネクトで来るプログラミングの依頼や、デイトレードで得ている。 なお、買い物は基本ネット通販で済ませたがるが、時折気分でコンビニや書店へ出かけることも。 ネットでのHNは『0Z(レーゼ)』。一部界隈では有名なゲーム廃人らしい。 ○容姿 不健康な肌色によどんだ瞳ではあるものの、元々容姿は整っている方。所謂残念なイケメン。 その容姿(当時はまだ引きこもりでないため上記の特徴はないが)に惹かれる女子がいたため異性との交際経験はあるが、いずれも長続きしていない。 「ばっどこみゅにけーしょーん…。見た目で判断して期待して、いざ付き合ったら『思ってたのと違った』とか…ほんと勝手だよね~。嫌んなっちゃうよまったく。」 ○性格 根暗な陰キャ of 陰キャ。 それでも学生時代は、多少電子機器に強い程度で特に悪目立ちすることなく、むしろ比較的優等生として取り繕いクラスに馴染めていた。(ただし、根が陰キャのため、立ち位置的には振り回されポジになりがち。) 大学進学し、いい加減陽キャ達との人間関係にうんざりしていたところ、『プログラマーは在宅でもできる』と偶然教授から聞き、「あれ??これ無理して通学する必要なくね??勉強だって独学のが捗るじゃん」と思い中退した。学費を稼ぐためやっていたバイトも同時に辞めている。 取り繕える系陰キャあるあるだが、相手がその場限りの付き合いの人であるほどまともにコミュニケーションを取れる。不要なトラブルを招くリスクが低く、(今後その人に対する振舞いを記憶しておく必要がないため)その場しのぎの振舞いで乗り切って問題ないからである。 「ほら、前回会った時と違う振舞いしちゃうと『君、なんかキャラ違わない?』ってなるじゃん?そうなると結構痛い人扱いじゃん?今後会わない人相手ならそういうの気にしなくて良いから楽でござるよな~」 なお、自宅警備員就職()後は、基本的にリアルで継続して付き合いのある人物は殆どおらず、直接人と接する機会もほぼないため、以前ほど取り繕って接することはできない。故に、現在の話口調は陰キャ丸出しなローテンションが主。 「対面して人と会話する事なんてもうないし…今後付き合いない人に体裁保って接する必要ナシナシ。」 ※陰キャオタの例に漏れず、某SNS等オンラインではリアルと様子が違うようである。 ○趣味 幼少期より大のゲーム好き。据え置き機、携帯機、果てにはスマホゲーまでなんにでも手を出す。歴代ハードは全て部屋にある。ジャンルもRPGからホラゲまでなんでもござれ。 ゲームのやりこみ度合いは廃人レベル。一部界隈ではその名(HN)が知れ渡っているとかなんとか。 また、漫画や小説、アニメも手広く好き。ネットサーフィンも日課。所謂オタクである。 部屋の棚には漫画や小説、Blu-ray、推しの可動式フィギュア、コンピュータ関係の本が整然と並べられている。意外と散らかさないタイプ。 「ゴミ屋敷の住人の神経とか一生理解できないっすわ~。自分の城に虫とか湧いたら嫌じゃないの?」 ○特技 プログラミング。また、電子機器には滅法強い。所持しているパソコンは全て彼が自作したもの。 現在、身の回りの世話をしてくれる人工知能を開発しているとか。続報に期待。 (世に出すためのものではなく、あくまでも個人的な開発物である。) ○嫌い・苦手なもの 「まず陽キャでしょ…。それと、技術もやりこみも足りてないくせにイキってる小物。あと、日も知識も浅くてお金もかけてないくせにすぐ『推し』を名乗っちゃう人かな…」 「陽キャ以外はそっとブロックすれば無害だけどね…」 ○好みのタイプ 「え、今までのカキコちゃんと見てた…?三次元の女の子はもうこりごりなんだ。」 「現実(リアル)はいつもぼくを傷つける…でも、ゲームをはじめ仮想空間は違う。温かくぼくを包み込んでくれる。」 「だから、ぼくはなるべく外に出ないのさ!キリッ」 ○親族関係 父母、兄、妹がいるが、いずれも疎遠である。 ○技能補足 【コンピューター】【図書館】【電気修理】【電子工学】【ほかの言語(英語)】【物理学】 特技・趣味に記載の通り。 なお、【ほかの言語(英語)】については、読み書き等の内容理解はできるものの、会話部分は不得手。 【隠れる】 容姿が若干目立つため、なるべく悪目立ちしないよう身についた振舞い。 陽キャからの逃げの姿勢。 【聞き耳】 集団で浮かないように振舞うため、自然と他人の会話に耳を傾ける癖がついてしまっている。 外出時は煩わしいためイヤフォンが手放せない。 「陰キャなら一度は思ったことがあるかもしれないけど、周りの人がひそひそしてると『ぼくの悪口言ってるんだろ?そうなんだろ?』って気になってくるあれ。」 【目星】 電子機器の故障部分に当たりをつけ見抜く。ゲーム内の潜んでいるエネミーを発見する。等 ○memo 元ネタは某ブルーバード文庫怪盗作品に出てくる引きこもり探偵。 以下クリア済みシナリオ(ネタバレ含む) ①『5人の英雄と黒の哀情』 KP:時雨様 PL:柏木 まあさ様(PC:八千草 みかん)、有栖川様(PC:横山 晃弘)、髪永様(PC:白浪 誉)、つかさ クリア報酬等:SAN-4、目星+8 ②D猫様作『All or Nothing』 KP:柏木まあさ様 PL:焼き魚様(PC:梓 梓)、つかさ クリア報酬等:SAN-5、クトゥルフ神話+6(うち+5は神話事象遭遇に伴う発狂によるもの)、2000万円 不定の狂気:2か月(2020.10.4~2020.12.4) 狂気の内容:外の世界は怖いという強迫観念による極度の引きこもり。自室からの外出、人との接触不可。 ※該当の行動をする、またはされると錯乱後に気絶してしまう。 ※不定の狂気期間、ネトゲやSNSの類は一切浮上しない。界隈では失踪かと話題になることだろう。 ①7月20日。その日付を確認したところでぼくの意識はまた途切れ…気づいたら21日の夕方だった。何を言っているのかわからねえと思うがry 外、しかも久々に人混みの中に長時間いたからだろうね。熱を出して寝込むほどの疲労ってどんだけよ………まあ酷い目に遭ったのは事実だけど。 陽キャ達と異世界ループ物に巻き込まれるとかマジありえんわ~。ラノベかよ。しかも勇者だって?適材適所って知ってる??ぼくみたいなのは主人公ってより、その周りのバフ盛るサポートキャラが適任でしょ。肉体労働とか一番やらせちゃダメなステなの!ユニット組むの下手かよ! …こんな体験、SNSで言おうものならさぞや香ばしいでしょうな。「妄想乙wwww」「今時そんななろう系流行らねーよww」とか言われそう。人類滅亡日なんてのは昔からネット上でまことしやかに囁かれてるけどさ、いずれも現実になると思ってる人なんて殆どいないからね??頭のおかしいオカルトマニアくらいじゃない?? そう…もしや拙者、長い悪夢を見ていたのでは!?いやそうだ、そうに違いない、そうであってくれ! って、そんなわけないっすよねー。連絡先ばっちり残ってるわ。ところがどっこい、これが現実です…っ!体験型最新VRとか妄想のがまだましなんだよなあ。 さっさと忘れたいし連絡先もすぐ消去…………、いや、ぶっちゃけあの体験はトラウマ物だけど、あれは夢じゃないって証拠のため暫く残しといても良いか…。うん、ホントそれだけの理由だけど。 はぁ~~~ぼくが何したってんだよ~~陽キャ達と違って誰にも迷惑かけてないんだからさ~。自由に生きさせてくれよな~頼むよ~。 ってか、素材今が稼ぎ時なのにあんまり触れなかったとかマジあり得んのだが???カルト教団(?)許すまじ。しばらくは外に出ず引きこもろ!! 身の回りの世話してくれる人工知能もイベ終わったら本腰入れて組み始めるか。 ②某月某日 とある病院にて ——ここだ。 ノックをすると、怯える気配がした。少々心が痛むものの、構わず扉を開ける。 「おっと…」 本が足元に飛んできた。 恐らく自分に向けて投げたのだろうと予測できるが、彼はフィジカル面は強くないらしかった。…その点に関して、人のことは言えないのだけれど。 本を拾い上げ、投げてきた相手に目を向ける。 「こんにちは、れいぜいさん。…そんなに怯えないで。僕だよ。久遠律。」 いつも通り、相手を過度でない程度に見つめ、語りかけ、距離を詰める。 「驚かせちゃったかな…ごめん…。」 「うん…大丈夫、怖くないよ……。」 最近はちょっと慣れてくれたのか、近づいて触れてもそこまで暴れず、落ち着くまでの期間が短くなったように思う。…この調子なら、もうちょっと室内に本を増やしたり、彼の好きであろう電子機器を近くにおいても問題ないかもしれない。後で相談してみよう。 最初の頃は、ノックをしただけで物を壁や床にぶつけ、扉を開ければ物の嵐は更に悪化し、近づこうものなら更に暴れて…暫くすると気を失っていたっけ。 先述の通り、自分もフィジカル面は貧弱だから上手く避けられず何発か当たって大騒ぎになった。…当初の彼は今よりも衰弱していたから、大事には至らなかったのだけれど。 ——彼、冷泉柊は転院という形でこの病院へ来た。 彼は当初、横浜の病院にいた。なんでも、元々横浜市に住んでいる人で、宅配業者が部屋を訪ねたところ、錯乱し気絶したのだとか。 宅配業者からの通報でまず横浜市の病院へ運び込まれた彼は、栄養失調により衰弱していた。何日もまともに食事を摂っていなかったのだろう。 必要な処置をしたが、彼は2日間目覚めなかったらしい。…そして、目覚めたら先ほどのような状態だった。 目覚めて間もなく、横浜市の医師は精神にも異常を来していると判断したが、生憎その病院には精神科がなかった。 このままではまともに処置もできず……最悪死んでしまうかもしれない。 そこで、転院先として白羽の矢が立ったのがここだったというわけだ。 「……と。」 危ない危ない。考え事しながら行動するものではないね。うっかり部屋のカーテンを開けてしまうところだった。 …一年前に出会った子が窓から夜空を見上げるのが好きになったと言っていたから、つい引っ張られてしまった。 「れいぜいさん。心配しないで。…開けないから。」 「え、あ、……はい。……すみません…」 振り返り彼を見れば、案の定不安そうな目を向けていた。 その表情を見たら、とても申し訳なくなった。 いくら症状が良くなってきていると言っても、彼はまだ完全に立ち直れてはいないのだ。むしろ、せっかく良くなってきているからこそ油断してはいけない。 「本当にごめん………。やっぱり、まだ外は怖いよね。」 「……。ってか、元々外は嫌いでした、けど………窓の外を見たらアレが……ぼくみたいなのが外になんて出るから……」 「………。大丈夫。君を脅かすものはもういないよ……いないんだ…。……この子の神さま……どうか導いてあげて……。」 震える彼の手を安心させるように、また、祈るように握り落ち着かせる。 (元々外出がストレスになる子だったんだろうな……ただでさえストレスのある環境下で、一体どんな怖い思いをしたんだろう……) 一年前に出会った子もそうだったが、最近常軌を逸した症状の患者によく出会うような気がする。…僕の知人である医師にはそういった何かを引き寄せる才能があるのだろうか?と思うほどに。 (…ねえ、彼の神さまは刺激的な生活が好きなのかな……?………うんうん。悪戯っ子さんなのかもしれないよね……) 話が逸れたが、一年前に出会った子も、目の前にいる彼も、着実に回復に向かっている。 特に目の前の彼は、もう少しで退院できるのではないかと思う。 知人に依頼されただけでこちらが本業というわけではないが(……否、ある意味本業に含まれるだろうか。)彼らが無事回復してくれることを願うのみだ。 (…大丈夫。君はまた外に出られるよ。れいぜいさん。神さまも君を見守ってる……) (そう、大丈夫だよ。君も、かぐらさんも) ——最近、冷泉の側におけるようになったスマートフォン。 そのスマートフォンは、以前ほど触られている様子はなく、ただ画面に通知を示し点滅するだけだった。 ※久遠律との関連 例により、知人の医師・時任から「変わった症状の患者がいる」と相談され面会したことがきっかけで知り合った。 彼の状態に興味を持ち、時々面会に来ている。 〇星の少女との出逢い 冷泉の退院の見通しが立った頃。 金髪の少女が、冷泉の病室の窓を突き破り入って来た。 偶然その場に居合わせた時任、神楽に宥められるが、突然の侵入者に対し、また、外の世界への恐怖がぶり返し冷泉は酷く取り乱した。 さて、この金髪の少女。正体は、世間一般的に実存すら疑わしく、しかし赤い夢を見続ける人がいる限り永久不滅な存在――怪盗であった。 彼女は『イーチャン』と名乗った。曰く、この病院や人々に危害を加えるつもりはなく、今回の件はただの事故であるという。 確かに、彼女は片足を負傷しており、所持している機器は故障しているのか正常に作動していなかった。 時任は、応急手当をしながら会話していく中で、機械のことならば冷泉がなんとかできるのではないかと考えた。イーチャンが不義理な性格ではないと判断した時任は、冷泉に彼女の持つ機器の修理を依頼する。 その頃には落ち着いていた冷泉は「何故自分が」と異論を唱えようとするが、そんな隙もなく勝手に話が進んでいった。 (ちなみに、時任のこの提案は別にイーチャンのためではない。場と患者を荒らしたイーチャンに早くご退場いただく、尚且つ、荒らした分を整えていただくためだ。) イーチャンがガラスの修理費用を支払いに来るまでに修理することとなった冷泉は、ため息をついた。 修理自体は簡単だが、ただ単純に時間のかかるものだ。断ってこの程度のものも修理できないのかと思われるのも癪である。決して、断り切れなかった自分に対する言い訳ではない。(震え声)とつけたくなるのは気のせいだ。 致し方なく、彼は彼女の持つ不思議な機器の修理に取り掛かった。 その後、イーチャンは冷泉の様子に対し何か思うところがあったのか、修理が終わるまでの期間、度々冷泉と無理やり話すようになった。 ――縦糸は紡がれ。 無事修理が完了し、イーチャンは赤い夢へと帰っていった。 彼女を見送りながら、冷泉は思った。 彼女の言う「世界はもっと広く面白いハズ」という言葉には結局共感できなかったが…… 「世界は恐ろしいものばかりではない」 その程度は思ってやっても良いかもしれない、と。 以下途中まで書いて飽きたやつ。↑の詳細。 明日、ぼくはここを退院する。んだけど……。 「……なんで先生に仕事を投げられてるんですかね。これでも一応病み上がりなんですけど??」 「まあまあ。良いではございませんか、冷泉様。労働していただいた分はしっかりお支払いいたしますし、これもリハビリの一つになればと。」 「ここで謎の塩対応。とっくに素性バレてるのに何故無意味なことを…」 そう。ぼくは何故か目の前でニコニコしている先生…時任さんに頼まれごとを押し付けられていた。しかも病院が定めた消灯時間はとっくに過ぎている。俺の主治医が職権乱用しまくりな件について。 頼まれごとの内容自体はぼくにとっては簡単な事だ。プログラムに疎い人からしたら知らんけど。 だがしかし退院する身とはいえ拙者患者ぞ??このフリーダム先生の脳内どうなってやがる!時々来る久遠さんといい、精神科医系男子ってみんなこんななの?? ぼくがわざとらしい態度に言及したら、時任さんはおっと、という表情をした。この表情も作ってるんじゃなくて素らしい。何それ怖い。 「ん?塩対応とやらのつもりはなかったんだが…こっちのが話しやすいのならそうしようか。」 「あー、はい。そっすね。そのわざとらしい振る舞いも素なんですもんね~」 「ははは。ありがとう?俺も、冷泉が前より気を遣わずに話してくれて嬉しいよ。」 「褒めてないんだよなあ」 取り繕わなくて良いのかって? 無駄無駄。そんなことは当の昔に諦めた。取り繕ってたら今度は胃とか悪くなりそう。 ――コンコン 駄弁ってたら、ノック音が聞こえた。 どうぞ。と時任さんが返事する。言い忘れてたがここは時任さんの診察室だ。 「…やはり、まだ休まれてなかったか。貴殿方。」 「おやおや……なんてな。神楽か。どうした、眠れないのか?」 姿を現したのは神楽さん。院内で会話したことのある稀な存在。…いや、院内に限らずリアルで人と関わることがまず希少だけどねぼく。 神楽巡。白髪なんて目を引く容姿だけど、もっと珍しいのは彼の持つ経歴。 なんでも、記憶喪失で…(これは初対面の時困惑したぼくに後で時任さんがこっそり教えてくれたことだけど)人間が楽器に見える幻覚症状に苛まれているらしい。幻覚部分について、本人にその自覚はないそうだ。 最初聞いた時「マ?????」ってなったよね。異世界転生した系の方で…?それとも、ひと昔前のエロゲの攻略キャラか何か??みたいな。まー浮世離れしてるっちゃしてるふいんき(何故か変換できない)だけどさ。 でも、彼らの言ってることが嘘だとは思ってない。はい厨二乙~wwwwって前のぼくなら思ってたけど、ほら、世の中には不思議なことが沢山あるじゃん……は~つら………。今からでも全部夢でしたってならないかな!! 魔法とかならまだ可愛いもんなんだけどさ……。 ……ヤ、思い出したくないしこれ以上はやめとこ。ってか、ファンタジー世界の魔法ならまだマシって考えも割とヤバイんだが???冷泉、貴方疲れてるのよ。 「それもあるな。あと…」 受け取り方によっては揶揄っているみたいな時任さんの言葉(だが実際はそんなつもりないってこれマジ?)に対して、特に気にした様子もなく神楽さんは緩やかに首を振った。 そして、真っすぐこちらを見た。 「冷泉さん。明日で退院なのだろう。明日会えるかわからぬから言える時に言っておこうと思い。…悪い部分が直り、再び奏でられるようになったのだな。おめでとう。」 「…………。ありがと。」 陰キャ真ッスグ見ツメラレルノ慣レテナイ。不愉快ってわけじゃないけど、なんとなく居心地悪いアレ。陰キャならわかるはず。 あと、ちょっと思ってしまった。 こんなに真っすぐな瞳で見られるのに、見えてないんだ。 ……いや、自分の見てるものと他人の見てるものが同じ保証はなくって正しいってなんだよみたいな説もあるけど、そういうのは置いといてね?少なくともぼく楽器じゃなくて人間だもん。 ってか、ぼくがどうこう思ったところで神楽さんの症状が良くなるわけじゃありませんし?そもそもぼくと神楽さん友達ってわけじゃないし?あれこれ考えるのはお門違いですわ。 だがしかし。お礼を言わないほど薄情でもないつもりだからね。一応お礼は返しておく。 ぼくが目を逸らしたところで、室内にガシャーンという音が響いた。 ………は??ガシャーン??何が起きたし。 突然の異音に驚いてそちらを見れば…窓割れてね??マ???? 突然の出来事に、時任さんと神楽さんも目を丸くしていた。だってさあ、普通こんなことある??あるあr…ねーよ!!って言葉が脳内で浮かんだわ!! 「Est douloureux……」 ありのまま今起こったことを話すぜ! 窓から金髪の女の子がダイナミックお邪魔しますをした模様。何を言ってるのかわからねえと思うがry いやホントわかんないんだが!?なにこれドッキリ!?にしては二人とも素で驚いてるし女の子も痛がってるよね!!そりゃ今時強化ガラスだもん痛いだろjkってか強化ガラス破るって何????あーもーフィクションじゃあないんですよ!勘弁してくれ。 「二人とも、怪我は…なさそうだな。良かった。……さて。これはこれは。珍しいお客様でございますねえ。玄関からお入りいただけると助かったのですが、よほどお急ぎだったので?」 硬直から真っ先に解放されたのは時任さん。急患かな?みたいなノリだ。診察時間の概念こわれる。 その後に我に返った神楽さんは神楽さんで「…楽器は繊細なのだ。振る舞いには気を付けた方が良い。」とか言ってる。そっか、この人視点だと楽器が窓から飛んできたように見えてるんだ。それはそれで怖いけど、人が飛び込んできたよりはマシかも??楽器の振る舞いってなんだよって突っ込みは間に合ってると思われる。 「Hmm……」 ▼しょうじょ は こんらん している ! …あ、これノットジャパニーズ。外国語で早口で何か言ってる。英語じゃなさそうってなると…見た目も加味してフランス語とか?? 翻訳アプリを立ち上げるべきか悩んでたところで、時任さんが落ち着かせることに成功したようだ。さす本職。 「エト、窓、スミマセン……」 申し訳なさそうにうなだれるデニムジャケットを羽織ったその少女は『イーチャン』と名乗った。(関係ないけど、イーサンって外国人によくいる名前だよね。) 迷子の猫を見つけたので送り届けようとしたところ、急いでいてうっかり事故ってしまった。要約するとそんな事情らしい。……なんて?? ガシャーン当時は気づかなかったが、よく見れば腕の中で首輪のついた猫がすやすやと寝ていた。マジか、豪胆すぎる。 「ほう、イーチャン様は随分お転婆でいらっしゃるようだ。ですが、うっかりで窓を割ってしまっては命がいくつあっても足りませんよ。気をつけた方がよろしいかと。現に……」 「ああ。腕の中の猫は無事だが。貴殿、怪我をしているな。」 二人の順応力は何なの??ついていけないぼくがおかしいの?? 言われてみれば、確かに足が腫れてる。むしろ強化ガラスにつっこんでそこだけってのがすごいんだが??超人か?? というか、血とか出てないってことは、もしかして。 「猫…は、今更ですね。窓についても朝になったら業者に連絡して直していただくとして。イーチャン様。ご着席を。」 時任さんは診察椅子を指し示しニッコリと笑った。余談だが、『猫』と『今更』の間には、院内に動物を持ち込むのは駄目だがまあ良いやという言葉が圧縮されてる。多分。 「あ、ソウ!窓、弁償しマス!」 「その話は後程。ご着席を。……お怪我。こちらにいらっしゃる前より痛みが増してきているのではありませんか?」 「……Oui.」 笑顔の圧力に素直に従うようだ。 そう。今回のダイナミックお邪魔しますで悪化した可能性はあるけど、ここに突っ込んできたことが原因の怪我じゃないなって。 …そんな状態であのレベルの運動能力を?本格的に現実離れしてきた。そういう人に過去会ったことはあるけどさ。こう何度も出くわしたくはないよね。あー頭痛い。風通し良いから冷えるし。 ぼーっと考え事をしてたら、どうやら診察やら窓やら諸々の話は終わったようだ。「外科医じゃないから簡単な応急処置しかできないんだがな……。」とか呟いてた気がしたけど、素人目にはちゃんと処置がされたように見える。 その間、神楽さんは物珍しいのか猫に触っていた。…まあ、仕事先で触る機会なんてないか。院内なら猶更だし。 ……猫は猫だって認識できるんだね。 「Merci!」 「いえいえ。……ところで、わたくし気になっていたのですが。」 「?」 「イーチャン様は大変身体能力が高いご様子。加えて、窓の費用の件についても、ご年齢の割にやけにあっさりご承諾いただきましたし…普段何のお仕事をされていらっしゃるのかなと。嗚呼、勿論回答義務などございませんよ。わたくしの純粋な興味による質問ですので。」 「ふむ……。私は生憎非力ゆえそのような力はないのだが、時任先生の口ぶりからすると常人と比較しても変わっているのだな。」 その質問に彼女はちょっと困ったみたいだった。…なんだろ、その反応。非合法な方法で稼いでんの?何その発想ラノベかよって言われそうだけど。 少し悩んだ後、答えが固まったのか彼女は自信ありげに笑って大きく頷いた。 「Hmm.そうデスネ…。世界を旅する、夢の中で生きる……そんな感じのお仕事…デスネ!」 「世界中のどこかに夢を見続ける人がいる限り、ワタクシ達はその夢の中で生きられるのデス!」 なるほど、わからん。……うん!何か思い出しそうだけど、わからんな! 飽 き た
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