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花嵐 一会（はなあらし　いちえ） 見て分かる通り昔からのワル。 父親はDV酒乱野郎。 子供の頃に母親が首を吊って自殺し、父親の標的になった。 小学五年生の時に父親を肉叩きで殴りつけ、それ以来父親から怯えられる様になる。 中学一年で立派な非行少年。同時期、父親が失踪。多分海に沈められた。 高校生の時に暴行や強姦で警察とも暴力団とも顔見知りになり、高校を卒業して暴力団に入る。 とにかく短気で喧嘩っ早く、自分を拾った組長に「お前、もうちょい正さねぇといつか後悔するぞ」と言われる。 女遊びが激しかったが、ある日ボコボコにされて転がされていた時に手当してくれた女性に惹かれる。 探し回って見付けて、何となく一緒にいて、居ついて、何となく他の女と縁を切って、こいつとだったら所帯を持ってもいいかな、と思った。 思ってすぐに指輪を買ってプロポ―ズしようとした日に、その女性に包丁で腹を刺された。 そこでようやく、昔自分が強姦した被害者だったと知る。 謝ることも出来ない侭這いつくばる一会を一瞬振り返り、彼女はマンションの部屋から飛び降りて自殺した。 最後に見た、彼女の晴れやかな笑顔が今も忘れられない。 警察の事情聴取から解放されて帰ると、組長に「ほれみたことか」と言われた。 自分よりも落ち込んだ組長が、随分と老け込んだ様に見えた。 毎年どころか8年経った今でも暇があれば彼女の墓参りに行っている。 ------------------------------------------------------------------------- 『塩漬荘監禁事件』　裏エンド【〇】 -------------------------------------------------------------------------

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