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　多くの視聴者が短気だってことをオレは探偵事務所のおやっさんから学んだ。 　目覚めた時だった、オレは金を持っていなかった…いや正確にはすっからかんだった。 　何故かっつーと昨夜チンピラに絡まれた美少女を庇って朝までノビてたらしい。 　諦めて仕事をすることにした。 　ストーカー野郎の調査依頼…早速現場に向かって奴を待つ。 　そこに現れたのは明らかに人間をやめた姿のストーカー、強そうなのか弱そうなのかすらさっぱりわからない。 　奴はスタイリッシュに登場して阿鼻叫喚起死回生快刀乱麻一件落着……のはずがあの女が現れた。 　女の名は都築京香。悪の秘密結社ファルﾅﾝﾄｶハーツの日本支部長だと名乗った。 　「おめでとう、ランキング入りです。 　第50位のランカーとして認定されました。 　全てのランカーを殺し尽くして願いを叶えてみませんか？」 　つまりランキング1位になることがオレ達の目的らしい。 　どうだ？短くてわかり易い説明だろ？ 　道のりは長く険しい… 　スゲー楽しいかもしれないし、 　スゲー怖いことになるかもしれない、 　スゲー辛いことが待っているかもしれない。 　でも一つ提案だ兄弟、 　どうよ？このバカげた戦いを止めるって願いは！ 　そしてテレビの前でリモコンを探している兄弟、 　諦めてくれ、チャンネルはそのままだ。 　正義を探す旅に出かけようぜ！ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「マスクド×ヒーローズ×ドラグーン」のＯＰナレーションより抜粋 　「ドラグーン」のヒーローネームで活動している新米ヒーロー。基本的に私服で活動しており、戦闘時のみ竜型の従者と合体して赤い騎士のような姿に「変身」して戦う。強い正義感を持ちお人よしで熱血漢というヒーローの見本のような人物だが、感情に流されやすく、ヴィランに対して怒りの余り手加減ができなかったりと未熟で不安定な面がある。戦闘の技術はベテラン並にある割に、その他ヒーローの活動である救助や情報収集、マスコミへの対応などの経験の無さも目立つ。どうも彼の出自に秘密があるようだが・・・？ 　その正体はヴィランズイヤー直前に放送されていた特撮ヒーロー番組「マスクド×ヒーローズ×ドラグーン」に登場する架空のヒーローを由来とする協力型レネゲイドビーイング。厳密には同番組の主人公「辰頭　雀吾」によく似た外見・人格を持つ人間「ジャンゴ」にミームを本体とするレネゲイドビーイングが同化した存在である。人格・記憶・自我ともにレネゲイドビーイングの影響を受け、番組内の設定に合わせた言動を取っているが、人間だった頃の記憶や自我も保っている。デミサーヴァントみたいなモンです。 　 　「マスクド×ヒーローズ×ドラグーン」とは 　ヴィランズイヤー直前、つまりまだレネゲイドがバレてなかった時代に放送されていた特撮ヒーロー番組。オーヴァードのような超人（「マスクド×ヒーローズ×ドラグーン」番組内では「ランカー」と呼ばれいた）が戦う特撮番組「マスクド×ヒーローズ」シリーズの最新作であり、最後の作品。「50人の超人達が願いを叶えるために殺しあう」という斬新すぎる内容が物議を醸し、子供向け番組らしからぬ過激な描写への反発やヴィランズイヤーによる世情の悪化も手伝って半年ほどでシリーズごと放送中止になってしまった。現在では特撮番組というジャンル自体がレネゲイドの存在によりニーズを失い、レネゲイドウォー中の文化的退廃もあり、知る人ぞ知る作品となっている。番組のコンセプト自体への批判は多い一方でストーリーやデザイン、演出への評価は高く、レネゲイドウォーさえ無ければ特撮ヒーローの転換点となり得たともされている。また「マスクド×ヒーローズ」シリーズ自体その設定からレネゲイドを予言、もしくは警告していたのではないかと噂されている。 　番組内における架空のヒーロー「辰頭　雀吾」について 　強い正義感を持つお人よしで熱血漢の主人公。西洋竜型モンスター「プロメテオス」と合体してヒーロー「ドラグーン」へと変身する。 　基本フォームは赤い騎士のようなデザインの「ドラクルフォーム」。残念ながら強化フォームが出る前に放送中止になってしまった。 　主武装は赤い光弾を放つビームライフル「エックスキャリバー（従者の弓相当）」だが、必殺技はまんまライダーキックの「ブラッドツェペス」。背中に生えた翼で空を飛び三次元的な戦闘を得意とする。 　番組内での職業は探偵（浮気調査したり猫探す方の）。ひょんなことからオーヴァードとして覚醒しオーヴァード同士の殺し合いに巻き込まれるが、その性格から殺し合いを良しとせず、迷い苦しみながらもただひたすらに人を守り、争いを止めるために奔走した。得意料理は麻婆豆腐。ただしクソ辛い。 　レネゲイドウォーにおける現実のヒーロー「辰頭　雀吾」について 　元はガーディアンギャング「ドリームキーパー」に所属する孤児であり、外見と性格こそ番組内の雀吾にクリソツだが当時はただ「ジャンゴ」と呼ばれていた。18歳の誕生日、ガーディアンギャングを引退したその日に生まれたばかりのレネゲイドビーイング「ドラグーン」と遭遇、彼の意志（ミーム）を受け継ぎ、ヒーロー「ドラグーン」として生きていくことを決意する。今はドリームキーパーの子供達にも「雀吾」の名で通している（正体や事情は知られている）。番組内では生き残るために他のランカーと戦わされていたため、人を守るために戦える今の境遇には感激している。一方で番組内でのトラウマがヒーロー活動の足を引っ張っており、自分の思い描いていたヒーロー像との剥離や実際に人を守ることの難しさにも悩んでいる。特に非道なヴィランに対しては番組内でライバルだった獅山のトラウマを思い出し激情にかられて攻撃してしまう。ついでに自分の番組を知っている人があまりいないのにもちょっと傷ついてる。 　「マスクド×ヒーローズ×ドラグーン」の登場人物 　番組では毎回ゲスト怪人のノリで敵ランカーが出てきては倒されるが、それとは別にレギュラーでストーリー上重要なランカーを一部紹介する。幹部怪人レベル。コイツらもＲＷのどこかでレネビとして第二の人生を歩んでいるかもしれない。 　“サムライ”佐畑　参重郎（サバタ　サンジュウロウ）　第7位 　「戦う事が罪なら…俺が背負ってやる」 　不愛想だが誠実な青年。唯一といっていい仲間だったが、雀吾と違い戦いは躊躇しない。具足のようなアーマーを纏い、刀を使って戦う。戦う目的は死んだ恋人の蘇生。 　“ジャスティスマイル”獅山　傑雅（シヤマ　タカマサ）　第3位 　「HAHAHAHAHAHA！楽しいなあァオイ！……笑えよ」 　宿敵。ジャームと呼んで差し支えないレベルの快楽殺人鬼。ゲーム感覚で人を殺すクソ外道である。番組内でも多くのオーヴァードやその他登場人物が彼の犠牲となり、雀吾のトラウマとなった。雀吾とよく似た能力を持つ（同じシンドロームの婉曲的表現）。戦う事自体が目的。 　“ロストアイズ”野座間　成香（ノザマ　ナスカ）　第10位 　「私ハマダ人間ダ･･･！」 　獣人のような姿に変身して戦う盲目の少女。能力の副作用で食人欲求に悩まされている。オーヴァードから元の人間に戻ることが戦う目的。 　“マスターピース”保　真大一（タモツ　シンダイチ）　第9位 　「絶望がお前の終点だ」 　拳銃で戦う汚職刑事。自らの汚職を隠蔽するため戦っている。一度は雀吾らと共同戦線を組むがCM前に裏切った。 　“ホーリーマン”質宕　正義（シチゴ　マサヨシ）　第8位 　「その命、天に返しなさい」 　独自の正義観で私刑を行う神父。変身するとアメコミヒーローのコスプレのような姿になる。番組中盤で信念を折られてやさぐれ、野座間と「地獄同盟」を結成。所構わずビームを発射する。 　“ザッパー”玄衣　繭夢（クロギヌ　マユム）　第5位 　「これが権力…あたしが求めていた力…」 　難病に侵された天才幼女。精神を「ハッキング」することにより多くの人間を従えて戦う。病を治すため戦っているが、より確実な方法として治療費を稼ぐために他のオーヴァードに協力したりもする。放送中止より少し前の回で病状が悪化し死亡。 　ランカーは自分より上位のランカーを殺すことで順位が一つずつ上がり、第一位になることで「ファイナルゲーム」として謎のチャンピオン“マスターマスターレイス”との決闘が許可される。勝利して晴れてチャンピオンの座に就いた者はあらゆる願いを叶える力を手に入れる。なお上位のランカーは下位のランカーからひっきりなしに挑戦され、上位のランカーも下位のランカーを狩ることで報酬が得られるため戦いを避ける手段は無い模様（最下位の50位もランカーになりたい非ランカーに襲われる）。実質たった一人の第一位になるまでの殺し合いとなる。

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