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○ラル・ナユタ・クレマチス(Lull・Nayuta・Clematis)/『狂気山脈』HO3-A ・山岳カメラマンを本職とする登山家。本職はカメラマンではあるが、題材とする登山家の面々がかなりの高度の山にアタックをすることが多く、そんな彼らを日夜撮影している為、登山家としての実力はそれなり。 ・濡れ羽根のような鮮やかな黒髪に、鮮やかなエメラルドの双眸。ゆるゆると綻ぶことが多い瞳ではあるが、いざ自身のレンズの中に被写体を捉えると、その瞳は鋭く細める。艶やかな黒髪は、後述の祖母譲り。 　些か筋力には欠けるが、それをカバーするかのように体力があり、根気もあるために、山での生活には順応出来ている。 ・祖母が日本人とのハーフである日系英国人のクォーター。出身は英国。だが、写真家として世界各地の山を渡り歩いているのと、一番仲のいい友人が日本にいる為、日本語はちょっとだけ喋れる分類。 ・山ですれ違った登山家には笑顔で頭を下げ、時に話し掛け、にっこりと笑う、軽やかな性格。 　山での一期一会の出会いを大切にしており、基本的には誰に対しても愛想がよく人懐こい。この場所に居る目的を伺い、いままでの話を伺い、それらを楽しげに嬉しげに聞いては、彼らの登山家としての今までに思いを馳せる。中でも特に気に入ったり、仲良くなってくれたひとがもし許してくれるのならば、幾つかの山を共にさせて貰い、彼らが山に懸ける姿勢を撮影させて貰っている。 　それを一冊の本として、写真集として作り上げることだったり、或いは雑誌や新聞などに寄稿することも多々あるが、基本的には登山家の面々の希望を優先するため、無理強いは決してしない。 ・そんな、何かを夢中でする人が、何かに必死になれる人が、真剣になれる人が、何よりも好き。 　純粋純然と尊敬し、上記のようにそんな彼らの話を聞くことが好きで、彼らが許してくれるのならば、そんな彼らの一瞬を、レンズの中に、写真の中に切り取らせて貰いたい。 　彼らの懸命な刹那を捉えて、閉じ込めて、そうして、忘れないようにしたい。 　彼らが、人生を、命を燃やす、その一瞬が見たい。 　――――だって、俺はそこまで夢中になることも、懸命になることも、出来ないから。 ・HO1-A：深雪さんが山頂を踏む、その姿が一目見たくて、それだけの為に今回の狂気山脈のアタックに名乗りをあげた。 ・彼のことは、度々、日本の友人に噂を聞いていた。同年代であるにも関わらず、まるで山に全てを掛けたように登る、才気に溢れた人物がいると。海外に出ることは少なく、日本の山を中心に登っている。けれど、一年、或いは二年にたった一度だけ、海外のどこかしらの山にも、出てくると。 　一見は童顔で若々しい東洋人。けれども、その瞳はただ、山の山頂だけを見ている。何処か少しだけ、浮世から離れたような、そんな人物。 　詳しくは知らない、けれども、噂だけを聞いていて、興味を惹かれていた。彼の登る姿を一度くらいは見てみたいな、と、そんな風に、いつものように思っていて。 ・数年前に、たった一度だけ。霧深い山で彼の姿を見つけて。たった一度だけ、遭遇した。 　さして言葉を交わした訳でもない。深く真白い霧の中、ただ一瞬、すれ違い、頭を下げ、そして、山の無事を祈った、それだけだったのに。 　すぐに彼が、『深雪啓』だと、理解が出来た。理解してしまった。アイウェア越しに見えた、あのひとみに。 　────山頂しか、見ていない。その、目に。 　真冬の雪原に、たった一筋射し込んだ、春の光を目にした気持ちだった。 　鮮烈だった、鮮やかだった、激烈だった、目を奪われた。心を、焼かれたここちだった。 ・こんな、目をする登山家が、存在するのか、と。 　心を奪われるには十分だった。 　瞳を目にしただけで分かる、その覚悟に。憧れを抱くのは、十分だった。 ・誰も踏破したことがない、誰も知らない、けれども、世界で何よりも空に近い、その場所。その場所に一番最初に彼が踏み入るというのなら、その姿を、間近でみたい。レンズの中で、永遠にしたい。 　この目で、見届けたいんだ。あの目が、世界で最も美しい青を捉える、あの瞬間を。 　頂しか目にしていない、その目が。 　頂を越えた、その先を、見る。 　それが、みたい。 　たった、それだけ。 ・その為だったら、出来るサポートは何だってする。 　彼だけじゃなく、彼の周囲、彼の登頂に役立ちそうな事象があるならば、そちらにもさり気なく気を配り、彼の登頂のサポートをする。 ・同時に、実力のある登山家には、HO1-Aほどでは無いが興味はあり、敬意を払っているために、勿論彼らのサポートも適宜こなしている。 　なので、自身が山頂を踏むというよりも、山を登るというよりも、彼らを手助けし、支え、その瞬間の記録を残す為の意味合いが強い。 　俺の全てでサポートをするから、だからどうか、貴方たちのその足で、あの山頂を踏んでくれ。 ・大切なものには、憧れるものには、決して手を出さない。 　ただ、焦がれるように、目映いように、静かに、その後姿を眺めている。 「俺はただ、あの山頂に足を踏み入れるあのひとを見たいだけなんだ。世界で最初に、地球ではじめて。ただ、それだけだよ」 〇通過シナリオ ・『狂気山脈』：SAN値-3、クトゥルフ神話技能+5 【フレーバー】44：向日葵(ひまわり)：「私の目は貴方だけを見つめる」「崇拝」「熱愛」 それは見る人から見れば狂気かもしれない。だが構うものかと貴方は考える。信仰こそが貴方の幸せ。祈りこそが貴方の幸福。貴方は自分を正しく理解し、だからこそさらに傾倒する。

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