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小鹿　栞（こじか　しおり） カメラ趣味のサラリーマンの父と、専業主婦の母の間に産まれる。幼少期に親に連れられて訪れた山の、黄金のススキが一面を埋め尽くす様に感動し、小学生時代は親にせがんで月に二回はハイキングに勤しんでいた（金のかからないレジャーとして親も賛成してくれていた模様）。父親の仕事の都合で長野に移り住み、以降、フィジカルの頑丈さをいいことに、もっと高い山にもっと美しい景色に、と深く考えずに登って父親から譲られたカメラに収めているうちに、毎週のように登山して綺麗な景色を撮ってきていた。 ある程度いいカメラで女子学生が撮影した綺麗な山の写真、ということで物珍しさも手伝って雑誌や新聞に投稿してはちょこちょこ掲載されていたが、動画配信の時代となり、深く考えずに飛びついたところ登山家Boutuberとして生計を立てられるようになる。 肌は登山と雪山焼けで色黒になっており、紫外線で傷んで色褪せた髪はいっそ金髪のピッグテールにしてトレードマークにしている。 富田川のタイムアタック富士登山に偶然出くわした際に撮影した一枚が新聞社主催の写真コンテストで大きい賞を取り、機会があればまた富田川を撮りたいし、きっとそれはいい一枚になるだろうと思っていた。 物事をあまり深く考えずにぼんやりしている、と称されることもあるが、美しい風景を収めるための苦労は惜しまないし、それで食っていけるなら苦労と思わない。 第二次登山隊には、様々な業界の体のいい使い捨てできるカメラマンとして起用された。だが、外野がどう思って居ようが関係ない。この仕事を受けたのも、富田川が居ると聞いたからだ。 「どうして登るのかって？其処に【最高の被写体】が待ってるんだから」

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