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柊 雪斗(ひいらぎ ゆきと)
ID:3500750
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柊 雪斗(ひいらぎ ゆきと)
タグ:
Azisai
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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簡易表示
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
表示
初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
簡易表示
通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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通常表示
<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
非表示
簡易表示
通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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通常表示
所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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通常表示
パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
〇柊 雪斗【17】(ひいらぎ ゆきと) 羽星高校2年の男子高校生。 両親は彼が中学時に海難事故により死去。それ以降、幼馴染かつ隣人の「向日葵夏希」の家にお世話になることもあるが、ほとんど1人で生活を行っている。 中学時代はシュートボクシング部に所属しており、全国中学大会でも優勝したこともあるほどの実力者。 大人顔負けの強さから「冷酷な氷拳」と呼ばれるほどだった。 しかし、高校入学直後に夏希を暴漢から助けた結果、ヤクザに目を付けられることに。 夏希を人質にされ、雪斗は高校生活を引き替えに用心棒として度々働くことになる。 その為、他人に迷惑をかける訳にはいかないと考え、スポーツ推薦で入学した羽星高校では帰宅部を選択。 また用心棒の関係から学校を無断で欠席することも多く、学校内の評判はお世辞にも良いとは言えない。 現在は、雪斗の家に夏希がほぼ同居という形で一緒に過ごしており、生活面でも勉強面でも非常にお世話になっている。 名前:柊 雪斗 誕生日:12月25日 家族構成:両親(死去)、夏希? 一人称:俺 ニックネーム:ユキト 職業:高校生兼ヤクザの用心棒(人間山脈) 趣味:筋トレ。夏希と遊びに行くこと(学校の人に見られないように遠出)。 休日の過ごし方:ヤクザの用心棒。家で夏希の手伝い一緒に遊んだりする。 好物:イチゴ味なら何でも。 将来の夢:今の生活で精一杯で考えられないが、仕事には就きたいと思ってる。 信念:どんなに自分を犠牲にしても大好きな夏希を守る。 〇向日葵 夏希【17】(ひまわり なつき) 羽星高校2年の女子高校生で生徒会長。 夏を彷彿させるほどの明るい笑顔と誰にでも接する性格から多くの人に慕われている。 容姿端麗で才色兼備とはまさに彼女にふさわしい言葉だった。 また、家庭科部副部長も務めており、料理も裁縫もかなりのレベル。 急に何故か学校で距離を置かれた雪斗に対して、少しでも一緒に居たいと考え、雪斗の家に上がり込み、現在ほぼ同居という形で暮らしている。 地元のヤクザと組んでいる、ということを夏希は知っているが、あえて雪斗本人には言わずに彼の身の回りのサポート、勉学の指導をしている。 黙っているのは何か理由があるからと考え、もし話すことがあれば、 それは雪斗が夏希の告白の返事をしてくれる時だろうと信じ、今日も彼の帰りを待ち続ける。 名前:向日葵 夏希 誕生日:8月31日 家族構成:両親、猫、雪斗? 一人称:私 ニックネーム:ナツキ、なっちゃん 職業:高校生(ベース:料理人) 趣味:家事。雪斗と遊びに行くこと(学校の人に見られないように遠出)。 休日の過ごし方:雪斗と一緒に過ごす。 好物:甘い物。特にイチゴ味(雪斗の好物がうつった)。 将来の夢:大好きな人のお嫁さん。 信念:何があっても雪斗の味方で居続ける。 【ステータス値】 STR:11 DEX:15 INT:14 CON:9 APP:17 POW:10 SIZ:10 SAN:50 EDU:10 HP:10 MP:10 【技能】 アイデア(70%) 幸運(50%) 知識(50%) 小さな棍棒(50%) 応急手当(65%) 聞き耳(25%) 精神分析(51%) 図書館(50%) 目星(55%) 製作(料理)(60%) 説得(45%) 母国語(50%) 英語(41%) 生物学(31%) 歴史(40%) 【持ち物】 財布 黒い長財布。大人っぽい。 スマホ iPhone12。 手作りお菓子 クッキーとか。大抵イチゴ味が入っている。 向日葵の髪留め 去年の誕生日に雪斗がくれたもの。 雪斗への誕生日プレゼント まだ決めてません…。KPから提案があれば幸いです…。 【大切なシートから抜粋】 Q1.この人は貴方(探索者)のことを何と呼びますか? A1.雪斗(夫婦感を出したいときは雪斗さん) Q2.なぜ2人で住んでいますか? A2.好きな人と一緒に居たいため(花嫁修業を兼ねて) Q3.この人の口調がイメージできるセリフ等 A3. 学校Ver「ここは因数分解して…ね!こうすれば解けるでしょ? 教え方が上手い?いやぁそれほどでもー! (まぁいつも貴方達よりも頭の悪い子に教えてるからね…)」 生徒会長Ver「良い皆!今日は待ちに待った文化祭よ! 羽目を外さない程度に騒いじゃいましょー!」 家庭科部Ver「よし!うまく焼けたかな…、じゃあこのクッキーは皆にあげるわね! え、このイチゴ味のやつはダメよ!持って帰るんだから。 …うん、私の好きな人にあげるの!あ、これは内緒ね(笑)」 雪斗宅Ver「お帰りー…って、また怪我してる! もういつもいつも何してるのよ、ほらこっち来て! 応急処置してあげるから。…貴方が怪我すると私も辛いんだから、身体には気をつけてよね、お願い」 【Azisai小説】 柊 雪斗と向日葵 夏希は隣同士で幼馴染。 子供の時は、お互いの家の二階から二階へと移動して遊びに行くほどの仲。 年を重ねる内に思春期が近づく中、2人が会う時間も減っていったが、仲は良好。 雪人は幼い時からシュートボクシングに通っており、その実力は中学時代の全国大会で表彰台に上り詰めるほどの逸材。その相手を凍り付かせるほどの鋭いこぶしは「冷酷な氷拳」と呼ばれていた。 高校もスポーツ推薦で入学し、将来は有望な選手になると期待される程だった。 しかし、高校入学した直後、彼の運命を大きく変える出来事があった。 入学して三日目。 幸運にも入学してすぐに友人達が出来、彼らとファミレスに寄った帰りの事だった。 月が頭の真上に浮かんでおり、夜遅くまで遊んでいたことが分かる。 (帰宅をしたら、シャワーでも浴びてさっさと寝よう) そんなことを思いながら、輝く繁華街を抜けようとした時だった。 『ちょっと、離しなさいよ!』 どこかで聞いたことのある声がどこか遠くから聞こえた。 いや、聞き覚えしか無いのだが、こんなに彼女の焦った声を聞くのは初めてのことだ。 考えるよりも先に声がした方へ足を向かわせる。 繁華街の裏路地に出ると、一人の女子高生と大柄の男が二人。 女性の手を乱暴に男が掴み、どうやら親戚といったような関係ではなさそうだ。 こっちが見ているのに気付かない程白熱しており、男達は女子高生に強い口調で何か話しかけている。 「えーと、外部からすみません。彼女嫌がってそうですし…、やめませんか?」 あくまで月並みな台詞かつ、偶然見かけた様な口調で雪斗は話しかける。だが、 『あ!雪斗!!丁度良かった…、この男の人達が急に…』 そう女性が声を上げると、男性の手をほどき、雪斗の方へ走ってくる。 最初から気がついてはいたのだが、彼女は幼馴染である向日葵夏希だった。 夏希の正義感の塊みたい生き方が、また面倒なことを引き起こしたのだろう。 (折角の演技も無駄になったな…) そんな事を思いながら、彼女を庇うように自分の後ろに居るように合図をする。 [兄ちゃん、そこの彼女の連れかい?じゃあ言ってやってくれよ。彼女が俺らの商売を邪魔するから、ちょっと強く言ってやっただけなんだよ] 『だって貴方達が嫌がる女性の腕を強引に引っ張ってるから警察を呼んだだけでしょ!』 夏希は一瞬だけ横から頭を出すと、すぐに引っ込める。 今ので大体の状況は理解できた。 「なるほどね…。まぁ今回はこっちが悪い部分もあったかも知れないので、後でこいつには強く言っておきますから…。今日はお互い引きませんか?」 あくまでも下手に出ながら、相手の怒りを買わないように注意しながら言葉を繋げる。 いつもならこの辺で相手も身を引くのだが…。 [あぁん?それじゃこっちの気はすまねぇんだよなぁ。とりあえずよ、金でもはらってもらわねぇとなぁ?] 今回はそう上手くはいかないらしい。 「おい、なんて奴に手を出してんだよ?」 『知らないわよ、そんなこと!』 夏希にこそこそと愚痴をぼやいていると、その態度にイライラしたのか男がこちらに詰め寄ってくる。 [おい、話をしてるのはこっちだぞ…!ガキのくせによぉ!] そう言って男は右腕を振り上げ、雪斗の顔面へと振り下ろした。 ゴッ…! 皮と筋肉を超えて、骨と骨がぶつかる音が鈍く響いた。 声を上げそうな夏希を片手で制する。 口の中を切ったのか、口内が少し温かく、嫌な感じがする。 「…まぁこちらが悪いのは分かりました。お金もないので一発は喰らいましたよ…。これで良いでしょうか?さぁ行くぞ、夏希」 殴られるのは慣れているつもりだったが、意味の分からない暴力がこんなにも気持ちをざわつかせるものだとは思わなかった。 本当は殴り返したい気持ちでいっぱいだったが、夏希が居る以上あまり乱暴なことはしたくない。ここは大人の対応で接するべきなのだ。そう自分は冷静に- [殴り返せないチキン野郎だったか。そんな男じゃあ、女も守れねえぞ? へっ、そしたらそこの女の子は貰っちまうかぁ?] 『だから近付かないでって!』 だが、そう男達が行動するなら話は別だ。 「おい、歯ぁ食いしばれよ」 そう一言忠告を入れると、男の顎に向け拳を振り上げる。 男子高校生の非力な力でも顎を殴り、脳を揺らすことは難しくない。 シュートボクシングを学んでいる雪斗なら尚更のことだった。 [お、おい!お前何やってんだよ!?死にてぇのか、小僧!!] もう一人の男性が声を張り上げ、雪斗に襲いかかってくる。 怒りと困惑からの戦闘行動。 普段から殴り合いを日常としている雪斗にとってみれば、男の行動は簡単に予想できた。 大振りな右ストレートを避けると、合わせるように拳を男性の顎に当て、脳を震わせる。 最小限の動きだったが、二人目の男性も先程と同じように身体を地面に預ける。 とたんに先程とは打って変わって静寂が流れ出す。 (や、やっちまったぁ!) 肩で息をしていた雪斗だったが、ふと我に返ると自分の行いに後悔の念が襲ってくる。 「と、とりあえずこの場から離れよう。夏希大丈夫か?」 『私は大丈夫だけど、それより雪斗は!?怪我していない!?』 そう言って夏希は雪斗の身体を確認し、大きな怪我が無いと分かるとほっと胸をなで下ろす。 雪斗も普段通りの夏希の行動に安心感を覚えながら、落ち着いて居る中、 [おい!こっちだ!ガキどもはこっちに居るぞ!] 先程の男達を似た背格好の奴らが遠目に確認できた。 「やっば…。夏希、逃げるぞ!!」 『え、う、うん!』 まだ困惑気味の夏希の手を強引に引っ張り、裏路地から表通りに抜け、そのまま自分たちの家に向かって走り出した。 息を切らしながら二人は自宅の前まで帰り着く。ふと雪斗と夏希は今まで手を繋いだままだったことに気付き、手を放す。二人の顔は走ったせいか、真っ赤に染まっていた。 少し息を整えたのか、夏希が顔を赤くしたまま口を開く。 『助けてくれて、ありがとう。雪人のお陰で私助かった…』 「まぁ夏希もあんまり変なことに首を突っ込むなよ、俺も今日はやり過ぎちまったけどな…。じゃまた明日な」 片手をひらひらさせながら、自分の家へ帰ろうとする雪斗。 しかし、急に身体が引っ張られ、その身体は思うように動けなくなる。 どうやら学生服の上着を夏希に引っ張られているらしい。 (また夏希のからかいか?) そんなことを思いながら、後ろを振り返ると、夏希は下を俯いていた。 そして急に顔を上げると、雪斗の顔を真剣な表情で見つめてくる。そして、意を決したように口を開いた。 『ねぇ雪斗。私、暑苦しくて大雑把な女だけど、これからも貴方の近くに居てもいい?』 「何言ってんだ、お前はいつでも近くにいるじゃねぇか。物理的にも」 『ち、違うの!そういう意味じゃなくて…。これから雪斗はきっとすごい人になると思う。そんな雪斗の輝く姿を近くで見続けたいし、その時に雪斗の1番大切な人になっていたい…。だからさ、…私と付き合って下さい!』 「……え?ちょ、ちょっと待てよ!い、いやすごく嬉しいけどさ…、初めてそんなこと言われたから気持ちの整理ができねぇよ…。と、とりあえず回答は後日でもいいか?ほら、「吊り橋効果」って奴かも知れないだろ?」 (うっわー、かっこ悪すぎるだろ、俺…) こういう時に、すぐに回答できない自分が嫌になる。 今まで何度も夢に見てきた展開なのに、どうやら本当に起こると人は混乱するらしい。 『私は子供の頃から雪斗のこと好きだったけど…。じゃあ返事待ってるから、早く教えてよね。 それまでは向日葵みたいに貴方のこと見続けるからさ!…じゃあ!!』 そういって夏希は自宅へと駆け上がっていく。その姿をぼんやりと見つめながら自室に戻り、怪我の手当てを行う。いつもの白い顔が赤く染まっていたが、どうやら風邪ではないらしい。 顔をぺちぺちと叩きながら冷やしていると、電話がかかる。どうやら公衆電話らしい。 「あー、もしもし?」 『君は強いな。あんなに居た男達を容易く倒してしまうとは…』 「…あんた誰だ?」 『さっき倒した男たちの上司、とでも言おうか。黒龍組と言えば分かるかな?』 黒龍組…。聞いたことはないが、高校生の頭でも相手がどんな立場の人間なのかは容易に想像できた。 「ヤクザ、ってことかよ…。めんどくさいことになったな」 『それはお互い様だろう?君の友達の夏希ちゃんが、私たちの仕事の邪魔をするからいけないんだ。彼女は綺麗だったし、かなりの上玉になったのになぁ』 「…要件が無いなら切りますが」 『おぅ、さすが「冷酷な氷拳」。電話越しでもヒヤッとしちゃうねぇ。いや、別に切ってもらっても構わないよ、でも夏希ちゃんが今後どうなってもいいのかな?例え君がいくら強くても所詮は1人の高校生だ。出来ることは限られてるはずだが。ねぇ、柊 雪斗君?』 甲高い軽い声が癪に障る。名前まで知られているということは、つまりそういう事なのだ。 「はぁ…、何が目的ですか?」 『いやぁ話が早くて助かるよ!実は君の実力を買ってさ、用心棒として来てほしい訳。勿論、お金は出すよ。 女だって用意しよう、大人の女性はいいぞ、あんな小娘より―』 「分かりました、でも夏希には今後近づかないでください。 俺があんた等と手を組んで、迷惑をかける人はいないけど、夏希には幸せな生活をして欲しいんです」 『…君はまるで騎士だね、甘くて胸焼けしそうなぐらいだ。まぁ君を近くに置く方が利益はありそうだし。高校生活も普段通り行ってもらって構わないよ、しかしこちらの呼び出しには必ず応じること。OK?…じゃあまた連絡するから、ばいばーい』 ツーツーと携帯が音を鳴らす。 その携帯を怒りのままに壁にぶち当てると、天井を見上げ、目を覆い隠した。 今日は唐突なことばかりで頭の処理が追い付いていない。 (未来のことを考えることがこんなにつらいとはな) 漫画みたいな台詞が頭をかすめたが、深く考える前に眠ってしまった。 次の日、顔もろくに洗わずに玄関のドアを開けると夏希の姿があった。 『あ、おはよう!って大丈夫!?目のクマ、酷いよ?』 「あぁ、夏希か。おはよう。少し考えることがあってな、とりあえず学校行くぞ」 『え、う、うん。そうだね!』 先に歩き始めた雪斗を追いかけるように夏希が隣に並ぶ。 『ね!…で、昨日の返事は決まった?』 「あぁ、勿論俺もお前の事はずっと前から…」 言葉を紡ごうとした時。昨日の電話が頭をよぎる。 (そうか、俺はもう…言葉にすらできないんだな) 『えっと、雪斗…?ずっと前から…??』 「いや、ずっと前から思ってたことがあるんだ。夏希は良い奴だけど、恋愛感情を持つほどじゃない。 俺の理想は、料理上手で俺の帰りをいつでも待っててくれて、どんな時にでも俺を見捨てない人で、なおかつ成績優秀じゃないと困るな。 …だから夏希、お前はもっといい男を探すんだな、俺と付き合うのはお前じゃない」 そう言い捨てると雪斗は夏希の顔を見らずに走り出す。 (最低な男だ、俺は。でも、こうするしか夏希を巻き込まない方法はない…!だから、分かってるなら…、ここまで泣くことはないだろう? こんな顔、夏希には見られたくねぇ…) それから1ヶ月が経った。 雪斗はスポーツ推薦で入学したにも関わらず、シュートボクシング部に入部しなかった。勿論、友人や先生に強く言い寄られたが、「生活の関係で…」と断り続けた。 黒龍組にも顔を出した。電話を掛けた男は20代後半の若頭だった。いつでもニコニコしていて、腹の内が探れない男だ。仕事の内容は電話の通り用心棒の様な仕事で、酔っ払い男や敵対組織の男を気絶程度にあしらった。お金は毎回束で貰えるほどだったが、使う気持ちにはなれなかった。 そして、雪斗の悪評ばかりが聞かれるようになる。 『スポーツ推薦の癖に入部せずに遊んでるやつだ』 『この間3日間、無断で学校休んでたよな』 『私、彼が繁華街で大人を殴ってるの見ちゃったの!!』 噂話というものは煙の様なもので、一瞬で学校全体を満ちてしまう。 夏希も雪斗を心配して話しかけてくれていたが、友達に止められたのだろう、いつの間にか雪斗に近づくことは減っていった。 そして、いつしか彼は1人になっていた。 そんな日が続いたある日の事、学校から自宅に帰ると違和感を覚えた。 自分の家に明かりが点いている。 勿論、誰かを家に呼んだ覚えはない。 (遂に黒龍組が自宅まで押しかけて来たのか?) 嫌な予感が頭をよぎった。 緊張のせいか、汗ばんだ手でカギを開け、慎重に扉を開くと- 迎えていたのは、食欲をそそる香ばしい香りと、トントンという心地よい包丁の音。そして、 『あ、お帰りなさい、雪斗!とりあえずご飯作ってみたから食べてみてよ!』 花柄エプロンを着けた夏希がパタパタと足音を立てて歩いてきた。 「な、夏希…!お前、どうやって…!?」 『いや雪斗が二階のベランダの鍵開けっ放しにしてるからでしょ。直らないよねー、昔からまぁそんなことは置いといて。ご飯作ったの!初めて人に振舞うから少し心配だけど-』 「そうじゃなくて!!」 思わず大きな声を上げてしまう。夏希がビックリしているのが目の端でも分かった。 「…なんで俺の家に居るんだよ?知ってるだろ、俺の最近の悪評。俺に付きまとってても良いことは何もないんだぞ、それに俺は…、お前の事だって…!」 これ以上は言葉が出なかった。言えば、全てを話したくなってしまうだろう。 雪斗に出来るには顔を下に向けることだけだった。 『…もう、しょうがないなぁ』 夏希がそう呟いたかと思えば、雪斗は何か暖かいものに包み込まれる。 それが夏希が抱きしめているということに気付くには時間はかからなかった。 「お、おい何してんだよ!」 『いーから、少しこのままで。…大丈夫、ここには雪斗と私しか居ない。だからさ、そんなに強がらないでよ』 彼女の暖かさが伝わると同時に、自分の体が冷え切っていたことに気付いた。 途端に傷口や筋肉に痛みを覚える。 (そうか、俺無理してたのか…。自分の体がこんなに悲鳴をあげてるなんて気が付かなかったなぁ) 太陽のような暖かみと落ち着く香り。 両親を早くに亡くした雪斗にとっては、どこか懐かしさも覚える物だった。 しばらくして夏希が手を放し、雪斗を解放する。 『…ど、どうだった?へ、変な匂いとかしなかったよね?』 まるでサウナに入った後の様に火照らせた顔で、目線を外しながら訪ねてくる。 「ああ、すっげぇ元気貰ったわ。ありがとな、夏希」 『へへ、どういたしまして!』 『というわけで、私今日からこの家に住ませてもらうね!』 「ぶふぅ!」 あまりの急な展開につい味噌汁を吹き出してしまう。 『ちょっと!汚いじゃない!…もう、はい!タオル』 「あ、ああ。ありがと。…え?本気?俺、何も聞いてないよ?」 『そりゃ、今言ったし…。私考えたんだ、どうしたら雪斗に相応しい女性になれるかって。だからこの1ヵ月間、お母さんに花嫁修業をしてもらったの!ね、いいでしょ?』 「花嫁修業って…」 雪斗は切り込みだけ入ったきゅうりの漬物をつまみ上げる。どうやら最後まで切り切れていない様だ。そんな事に気付かず、夏希は言葉を続ける。 『どうせカップ麺とかで済ませてるんでしょ?それに部屋は余ってるみたいだし。私が使ってもいいんじゃない?』 「いや、だからってなぁ…。住み込むのはちょっと…」 その言葉に夏希は深くため息をつき、あきれた表情を向ける。 『あのねぇ…、「好きな人と一緒に居たい、力になりたい」って思うことがそんなに変?どうせ、学校では適当に私の事、あしらうんでしょ?…こんな事、女の子の口から言わせないでよね』 「あぁ、悪い…」 ズズッと味噌汁を啜る。自分好みの濃度だ。いつ勉強したのだろうか。 『後、雪斗の本当の返事待ってるから』 「んっ…!」 今度は吹き出さない。が、器官に入ったようで鼻の奥がジワジワ痛み出す。 「…ごほっ。いや、返事って。…したじゃねぇか、夏希とは付き合えないって」 視線を下に向け、味噌汁に映る自分の顔を覗いた。 苦虫を噛み潰したような顔、とはこんな顔なのだろう。 『ねぇ、気付いてるか分かんないけど、雪斗って嘘をつくとき顔を見て返事できないって知ってた?大事な場面では特に』 「え、まじで?」 『マジ。だからさ、雪斗が無理して返事をしてるって分かっちゃった。それに無理をしている理由が簡単に相談できる内容じゃないってことも。言えないなら言わなくても良いんだよ?でも、私が待ち続けるのは勝手でしょ?将来は「柊 夏希」って名前にしてよ…って泣いてるの!?味噌汁そんなに美味しくなかった!?』 「い、いやそうじゃなくて…!なんていうか、ほんっとうに良い奴だな、夏希って」 流れ出した涙をぬぐいながら満面の笑みで夏希を見つめる。嬉し涙なんていつぶりのことだろうか。 『べ、別に褒めても何も出ないんだから!と、とりあえず、今後は私が雪斗の身の回りのことを何とかするんだから!…だから、頼れるところは頼らせてよね。雪斗がどんなに皆を敵に回したって、私は貴方の味方だから』 「ありがとな、夏希。俺を信じてくれて。…この間の返事、今言うよ。俺も夏希の事がずっと前から——んぐぅ」 言葉を続けようとする口を夏希の人差し指が押さえる。突然の接触に驚きのあまり口を閉ざしてしまった。 『はい、終了-。そんな疲れ切った顔で言われても意味ないんだから。ちゃんといい雰囲気で、プレゼントも用意してから言いなさいよね。…でも、ありがとね。さっ、お皿を洗うわよ、お皿洗いは男性にも手を借りるんだから、ほら立って!』 そう夏希は言うと、食器を抱えて台所へと向かった。真っ赤に染まった耳を長髪から覗かせながら。 (かなわないな、夏希には…) 心の中でそう呟くと、食べ終わった食器を持ち、台所へと足を向かわせた。 あれから2年の月日が経った。 相も変わらず雪斗の評判は悪いままだ。だが、夏希の献身的な自宅勉強のお陰で成績は上位を保つことが出来、先生たちも強く指導できない状況だ。 夏希は1年の時から生徒会に入り、今では生徒会長を務めている。 容姿端麗、成績優秀な彼女は皆の憧れの存在であり、玉砕覚悟で告白を挑む男子が後を絶たない。 黒龍組とはまだ縁を切れていない。だが、若頭も殺しまでは雪斗にさせようとはしなかった。2年経った今でもよく分からない、不思議な男だ。 そして2人の共同生活と言えば…。 「痛っ!」 『こんなに右手を怪我して…。骨は折れてないみたいだけど、動かないんじゃないの?』 「いや、そんなことはない…。いつっ」 激痛が右手を襲い、箸を落としてしまう。今日の用心棒任務はかなり肉体を疲労した様だ。 『もう仕方ないわね。…はい、あーんして』 「え、いやそこまでしなくても食べられるぜ?」 『あーんして』 夏希の圧力に物言えず、口を開ける。 放り込まれたのは卵フワフワのオムライス。初めの頃はチキンライスの作り方も分からなかった夏希だったが、今では得意料理の一つになった様だ。 まるで重病に扱われる雪斗だが、夏希から運ばれる食事は気のせいだろうか、いつもよりおいしく感じられた。 『でもあれだね、聞き手が使えないってなると…。体洗えないんじゃない?』 ふと思いついたように夏希が呟く。いや、思いついたのではない。この目は、計っているときの目だ。ここまでが夏希の想定通りだったのだ。 「えーと、夏希。なんでそんなに目を輝かせてるのかな?」 『そんなことないよー、じゃあ私が背中でも流して—』 「ご、ご馳走様でした!シャワー浴びてくるわ!!」 『あ、雪斗逃げるなー!』 と、仲良く(?)やっているようである。 この幸せはいつまで続くのか。 それは誰にも分からない。 それでも【彼女は返事を待っている】。
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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