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「俺はいつだって───今日を諦めない人間の味方だ」 UGNから「財閥」へと正式な手続きを以て出張という形を取っているエージェントの一人。 ……なのだが、両組織からの出頭命令に対しての出席率が異様に低く、大事な時によくいない。 しかして自然と肝心の騒動に現地でしっかり巻き込まれては解決していくため強めに文句も言えない大問題児。 最近被害に遭ってるのは専ら財閥側なので「厄介払いされてきたんじゃないかこいつ」と実しやかに囁かれているトカ。 一応ガチの大事絡みに関してはしっかり出席しているのでやる気が無いわけではない。決して。 性格は一言で表せば明るくフレンドリーなコミュ強者。馴れ馴れしいラインに絶妙に届かない距離で攻めてくるタイプ。 来る者は拒まず、去る者は追わずの精神で基本的にはどんな相手であろうと分け隔てなく接する。 全力で自由を謳歌するタイプで、その精神が行動にも表れているのか、基本的に定住を持たない。 ふらっと現れ、ふらっと去っていくその在り様は昼行燈の如く、とも。 しかしていざ戦闘となれば普段のお気楽さは程々に、敵対する存在を全力で討ちのめす修羅と化す。 ブラックドッグとブラム＝ストーカーのクロスブリードであり、純戦闘に特化したオーヴァードである。 桁外れの耐久力と弩級の破壊力の一撃を併せ持つ重戦車型で、仲間を守る盾であると同時に敵を討つ剣である。 血液を媒介とした専用の武器を操り、蒼白の雷を以て戦場を支配する。 ================================================================================================= 物心付いた時、少年は両親を手に掛けた。 必要なことだった。そうしなければ両親に殺されていたから。 齢5にしてシンドロームを発現してしまった少年は、そのままUGNに引き取られ、教育を施された。 そして、そこで少年は知った。知ってしまった。 自身の悲劇などありふれたものだと。世界は悲劇で溢れかえっていると。この世界は平穏の皮を被った地獄だと。 ───そして、そんな地獄の中でも。自身よりなお重い十字架を背負っても、諦めずにこの世界で生きようとしている者達が居ることを。 少年は、「今日」を大事にするようになった。「今の世界」を守りたいと思うようになった。 確かに世界は悲劇が普遍的になっている。地獄のような日々が世界のあちこちで繰り広げられている。 それでも、だとしても、昨日より少しでも幸せな今日を、今日より少しだけ幸せな明日を求めて生きている人達がいる。 ならば自分は、「今日を諦めない」人達の力になろう。「今日を全力で生きている」人達の心の火になろう。 この世界で生きることを諦めない人が世界に唯一人でも居る限り、自分はその人達の生きる希望になろう。 もし誰もが絶望してしまったら、誰かが心の火を燃やすことを信じて、喜んでこの身を投げ出そう。 それが天見陸という青年であり、見ず知らずの誰かの為に自身を消費し続ける「名も無き王」である。 彼は決して不真面目な訳ではない。ただ、「常に今日を全力で生きようとしている」だけなのだ。 「前を向け。　明日を求めろ。　君が今日という日を諦めない限り───俺は、何があろうと君の味方だ」

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