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幼い頃に交通事故で父親を亡くした宵は、天文学者である母親に女手一つで育ててもらっていた。 その頃から『お父さんの星を探そう』と、母とよく一緒に夜空を眺めていた。 無数にある星1つ1つを繋ぐと星座になったり、それぞれに名前がついていたりと、星に関する色々なことを母から教わった。 そんな常に明るく強い母親を誰よりも尊敬し、誇りに思っていた。 この時から将来は母と同じ天文学者になろうと心に決めていた。 ある夕方、『宵ほら見て一番星、あなたの名前は宵の明星、つまり一番星が由来なの。お父さんは明(あきら)がいいって言ってたんだけど、それだと逆から読んでも一緒だってお友達に馬鹿にされちゃうわよって言い合いしてたなぁ(笑)結局、お父さんが折れて宵になったの。宵、あの星みたいに誰よりも一番にその場を明るく照らす人になってね。』と話を聞いた。 それから暫くして、宵が高校2年の冬を迎える頃、母が倒れる。 必死に勉強している可愛い一人息子を大学に行かせたい一心で無理をして働いていたらしい。 この時はただの過労だったのだが、進行していた癌が発覚し、実は母がもう永くないことを医師から知らされる。 母自身も残された時間が多くないことを悟り、出来る限り宵との時間を大切に過ごした。 そして高校3年の卒業式前日、ついにその時を迎える。 『宵…ダメよそんな暗い顔しちゃ…あなたはいつだって明るくいなくちゃ…お父さんに笑われちゃうわよ…フフ…お父さんと一緒にいつも宵のこと見守ってるから、お母さんの星も探して欲しい…な…』 そう言い残して、母は逝ってしまった。 その後、独りになってしまった宵だったが、猛勉強の甲斐あって、見事難関大学に1発合格する。 母が宵のために貯めてくれた蓄えには手を付けず、奨学金で入学し、バイトをしながらコツコツ返している。 大学ではもちろん天文学部に入り、毎日両親の星を探している。 現在は大学院生となり、宵の明るさもあって多くの友人に恵まれ順風満帆な日々を過ごしている。 ちなみにアレクとは、アレクが大学の講義に来ていた時に、宵が道案内をした時に仲良くなった。

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