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偽名:ニカ 本名:Nicolò・Bianchi （ニコロ・ビアンキ） 裕福な家庭で育ち、有名シェフの息子で舌が肥えていた。 ある日、家族旅行のクルーズ客船が海上で沈没し、遭難してしまう。 遭難用ボートに乗り込めたのは、幼き日のニコロと中性的な見た目をした召使いの2人だけだった。しかし、召使いは遭難の際に傷を負っていた。 日に日に無くなる食糧と適切な処置が出来ずに弱っていく召使い。食糧が無くなったと共に、召使いは息絶える。「食糧が尽きたのなら自分を食べて欲しい」と狂った遺言を残して。 ニコロはその遺言通りに初恋の相手だった召使いを食べた。極限の空腹状態で食べたその味は有名シェフの父親のどんな料理よりも美味しい至高の味。 そして、性的興奮を覚えるほどの高揚感を味わい、気がついたら、召使いの身体を食しながら、死姦を行っていた。 それ以降、ニコロは当時の自分が味わった至高の味を求め、誰かに共感して欲しいと願った。 救出された後に、どんな料理を食べても物足りない。満たされない。どんな相手と交わっても足りない。満たされない。あの日あの時味わったあの味には程遠く、あの日あの時味わった高揚感を得ることは出来ない。 今の彼は自身をシェフと偽りながら店を構え、闇医者として臓器摘出をした際、時々つまみ食いやつまみ食わせを行っている。 APPがあまり高くない理由は、前髪で隠した顔面の右側は遭難時の影響で皮膚が爛れており、また右側の目が無いから。 右側の目が無い理由は、どうせ隠しているので、いらないと判断し、摘出して自分で食べたから。興味本位。 しかし、やっぱりあの日あの時の味には程遠かったそうで、それ以降自分を食べる事は意味が無いのでやめている。 あの日あの時の味を味わえた時点で、過去の出来事を不幸だとも思わないし、この人生を幸福だと考えている。

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