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裕福とは言えない家庭だったが、幸福な日常を過ごしていた。透は母も父も大好きだった。 透は小さな頃から視える気質だったがその時は人と霊の区別がついていなかった。ある時、横断歩道を渡ろうとした際、道路の真ん中で泣いている女の子を発見し、道路に踏み出した。もちろん、泣いていた女の子は生者ではなく、彼のその行動は意味はなかったわけだが、その時、目前にトラックが迫っていることを、彼は気付いていなかった。それを助けたのは彼女の母だ。しかし完璧に助けられず重症、救急車で運ばれ、手術の結果、彼は片腕を失うこととなった。自分の子供を助けられなかった母は後悔の念からかは、わからないが彼の前から姿を消した。 その時から霊のことは信じたくなかったが、見えてしまうのはしょうがなかった。 なぜ母がいなくなったのかは彼は知らない。 だが父親に迷惑はかけまいと家では明るく振る舞っている。 学校でも周りに気を使っていることが多く、おとなしい喋らない子だと思われてる。 優しい子なんです...。 右腕をなくしたけど左ききだったので問題なし！

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