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神裂 紅咲 【あがさ かんざき】
ID:1858202
MD:b8e45caba7fe1573bb2d6a28a1bf9c1c
神裂 紅咲 【あがさ かんざき】
タグ:
駄鳥
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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APP
SIZ
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初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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簡易表示
通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
砂糖菓子七ツ サブKP 神裂 紅咲。牧師という神に仕える職業でありながら異形の神へ祈りと疑心と血肉を捧げることから「神を裂く」。名前の紅咲は裂いたあとに真っ赤に咲いたものが残ることへの連想と、砂糖菓子七ツのシナリオのオマージュもとになっている「そして誰も居なくなった」の作者、アガサ・クリスティの名前から。 家族。 もともと捨て子で孤児院育ち。 そこで家族同然に育った親友の名前は天野 仁実(あまの めぐみ)。欠点は猪突猛進。正しいことをしようとして、ぶつかり合うことも恐れず、でも自分の間違いに気付いたときには非を認めることのできる、正しくて明るくて優しい女の子。 引っ込み思案で卑屈な紅咲のヒーローで、憧れで、好きな相手だった。 大人になり、神裂は育った孤児院からの流れで神父となり、天野は保育士となる。天野から聞かされた保育業界の話から、少しでも力になりたいと協会での保育業務の強化を行い、その業績を認められ県から賞をもらっている。(ネットや新聞などから調べられる情報にすることができるかもしれない) 天野のことを憧れていて好きだったにも関わらず、「家族同然の親友」以上になることが怖かったので、自分の気持ちの一切は天野に伝えていない。なので天野が連れてきた結婚予定の相手ともうまく関係性をもっているし、さらに言えば家族代表としてスピーチももちろん了承した。君の幸せが俺の幸せ。 結婚式が目先に迫ったある日、天野と結婚する予定の男が事故にあう。理不尽な自動車事故。いつ目覚めるかは不明の植物状態。不謹慎だが、「よくあることだ」と思う。けれど天野にとっては、天野のこれからの幸せには無くてはならなかったひとである。 ほとほとと涙を落とす、記憶の中のヒーロー然としたシャンと伸びた背筋に程遠い、丸くなってしまった小さな背中。 勇敢な天野の隣にずっと居たくせに、昔から変わらず臆病な俺はやっぱりその肩を抱き寄せることなんか出来なくて、「俺にしろよ」というずるい言葉も、「すぐに良くなるよ」というむごい言葉も、何も、言えるはずが無かった。 そんな折に届いたのは、俺を捨て置いた両親からの置き土産。どういった理由で俺のことを捨てたのかも一切ない。ただ、「神裂」という血筋について綴られただけの紙切れと、「魔導書」、「宝石」。 凄惨で血塗られた歴史であることは理解した。理解してなお、「ああ、あの男でなく、俺が、天野を幸せにしてやれる」との想いが強かった。強すぎた。 あいつがぽっくり死に損なったせいで天野があんな顔をして泣くんだから、俺があいつの魂を呼び戻して、天野を幸せにしてやる。 ショゴス・トゥシャの証である、爪の灰褐色を隠すために白色の手袋を嵌める。職業柄、あまり違和感のないもので助かる。 「宝石」を加工して十字架のネックレスに嵌め込んで、肌身離さず所持できるようにした。ランダムに招待状をばらまけば、「砂糖菓子」は簡単に七つ集まった。あとはこれを砕くだけ。…砕けるのか?いや、砕くのだ。自分は、俺は、ひとつ残らず砕くのだ。殺すのだ。 なけなしの勇気を振り絞って、…おれがめぐみちゃんを幸せにするんだ。 さあ、臆病な自分にできる、世界の何より好きなあの子への一世一代の大恩返しの大勝負。 とは言え自分が臆病であることに変わりはない。一度も飲んだことも無かった酒で倫理観を誤魔化し、震える指を誤魔化して、何もかもを誤魔化して、ただひとつだけの「好きなひとを幸せにする」という真実を成し遂げてやろう。 「俺は~神裂 紅咲~。協会の子たちのために買ってた文房具からこんな素敵な旅行の券があたるなんてなあ。親友も結婚しちまうってことで、ナイーブになっちゃう心を宥めるために来ました~。みなさんのために祈りましょう、アーメン。なんてな~」 ・島に来てから慣れない飲酒をしているので、うっかりとヒントになりそうなロールを挟んでいくこと ・もし「神裂 紅咲」について調べる探索者が居た際、過去に神崎が受けた新聞のインタビュー記事が見つかる 新聞記事:保育士の親友の伝で保育業界の現状を知り、その力になるため協会での児童教育に力を入れ始めた牧師、という旨の記事。県知事から賞を授与された際のもの。 地域活性イベントも兼ねていたため地酒が振る舞われる予定だったが、神裂牧師が体質的にあまりアルコールを受け付けないとのことで、地元の果物を使用したジュースで終始和やかな様子であったと記載されている。 ・もし神裂 紅咲の部屋を探す探索者が居た際、キャリーケースの中から神裂の遺書のようなものを見つけることができる 遺書?:きっと俺は天国へ行けないだろう。だからこそ俺はそれを引き換えに、彼女の幸せを祈る。 ・天野 仁実 について調べる探索者が居た際、とある事故についての記述を見つけることができる。 新聞記事:飲酒運転をしていたドライバーが踏み切り前で停車していた車に突っ込み、停車していた車が線路に玉突き事故で押し出され電車と接触する事故があったという記事が出てくる。天野仁実はその被害者男性の結婚予定の女性で、いつ目覚めるかも分からない恋人の介抱をいまも熱心にみている。涙を堪えながら、悲惨な事故を引き起こす飲酒運転が無くなればいいと、彼女は語っていた。 もし例のエンディングを迎えた際の電報 [結婚おめでとう。こんな素晴らしい晴れの日に、参加が出来ないことを本当に申し訳なく思っています。家族代表として、幼い頃の様々な話をしてやるのを楽しみにしていたのですが。ええ、滅茶苦茶なことをやらかすおてんばでしたが、君との毎日は退屈でなく、ふたりで一緒なら幸せでした。君も俺と一緒だったと思います。ふたりで居られたら幸せだった。しかし、俺程度が居なくなったところで、きっともう君の幸福は揺らがないことでしょう。新しい家族が君の支えになることでしょう。 今日という日から、旦那さんと、笑顔の絶えない素敵な家庭を築いていってください。 きっとそれは難しいことでは無いですよ。 君とずっと一緒に居た俺が言うのだから間違いありません。 ただ、寂しがりな奴ではあります。旦那さんも、どうか、彼女のことを大事にしてやってください。 凡庸な男からのお願いです。 それでは、たくさんの愛情を込めて。 君の幸せが俺の幸せ。 神裂 紅咲] 2018/06/15、07/22,07/23,08/05,08/06 KP.たんちょう PL.碧木 翔琉、碧木 翔琉、村崎原 彩 一日目 ・酒を煽れば、現実のことなんて遠いものになる。いま和気あいあいと話している、ひとの良さそうな子たちを自分が殺す、という生々しい現実だって遠いものになる。自分がどんな子を殺すのか、知らなければ。知らないままで殺すことができれば、きっとそれが一番楽なんだろうけれど。けれど、俺は、自分のエゴで殺す、彼ら彼女らを知りたいと思う。 邪神へ請い願う俺の祈りが、どこまで神様に届くか分からないけれど、それでも、彼らの魂の安寧を祈りたい。 …それはともかくとして、初めて呑んだ酒はやばい。一応は「やること」がある身の上なので、かなりアルコールは薄くしたはずなのに、気分の浮き沈みが激しすぎて目が回る。これは想定外。それでも、最低限の理性はギリギリ残っていて良かった…。 部屋に到着して、協会で子供たちや天野と撮った写真をベッドサイドテーブルへ置く。天野。俺がお前を幸せにする。 食事の時間に合わせて、天候を変える呪文を讃美歌のリズムに似せて歌い上げる。こればっかりは音程が合わないが仕方がない。もともとあまり歌は上手でないし、緊張もしていた。この島からひとを逃さないための大嵐。…天候を変える呪文は、本当にちゃんと機能していたようだ。あっという間に大粒の雨が窓を叩き始めた。 …自分で外堀をどんどん埋めていっている感覚が生々しい。そう。そうだ。今夜、自分はまずひとり殺す。 江戸川さんをショゴスを操り圧死させる。それを一階まで引きずって連れて行き、蟻にたからせるためにブドウ糖に塗れさせる。酒のせいか、死体を前にしたせいか、なんとなく持ってきてしまったスキットルの酒を零してしまう。仕方ない。やるべきをこなすしかないのだ…。見立て殺人に見せかけるため、メレンゲ人形をひとつ砕き捨てた。………寝れるかは分からないが、ベッドに入ってしまおう。 夜中、明智さんからライン。思ったより発見が早くなりそうなことに驚く。全員を誘って行こう、という言葉を聞き、明るい表情を装って合流する。明るくいなければ、テンション高く在らなければ、きっと成し遂げられないだろうから。 ひとの形をしたなにか。何か分かっている。俺が殺した江戸川さんの死体。タイヤじゃあないか、と嘯いたところで、本当に死んでいるのか確認のために近寄る。蟻にたかられた死体。動揺していないのを悟られないように、叫び出して逃げ出したのはやりすぎだったかもしれない。 検死らしいものをしている明智さん村崎原さん、西村さんを放って置き、蒼木さんと金田一さんに声をかけに行く。疑心暗鬼を神に捧げるには、出来るだけあの死体は人目に触れさせなければならない。 警察へ電話をしているようだったけれど、無駄だ。助けを呼ばれないための、天候を変える呪文なのだ。 情報共有 (過去の未解決事件への関連を疑う言葉を聞いた) (この島にいたという仙人。神の手。…手袋を上から握りしめる。朝露石。…ちらりと十字架の首飾りを見てしまう。) 朝。ご飯はコーンスープ。クルトンを無限に振りかけながら、次の殺人について考える。みんなは江戸川さんの死の真相に迫るため、探索をするらしい。俺は蒼木さんとふたりで屋敷を回ることになった。 江戸川さんの部屋でタールのようなものを見付けた蒼木さんが部屋を見ているのを尻目に、江戸川さんの死体の置かれた部屋へ向かう。窓から死体をショゴスに託せば、そのままズルズルと這って豪雨の中消えていった。…きっと、崖下のあの場所へ連れていってくれるのだろう。 空き部屋から消えた死体に、蒼木さんは困惑していたようだったが、窓の鍵の閉め忘れや窓枠のタールに気付いたのは流石探偵といったところか。 西村さんにも「窓は確実に閉めた」との証言をもらってしまったが、ここは折れるしかないだろう。多少、「実は窓が開いていたんじゃないか」説を押してみたが、あそこまでキッパリ言われてしまっては仕方ない。 外へ出て行ったふたりが出て早々帰宅した。四人で外へ行きたいとのことだったが、次の殺人に向けて屋敷の外へ出るわけにはいかない。明智さんにかなり心配をかけている自覚はある。俺が全員を殺すんだ、という意思がぐらぐらと揺れる。しかし、それでも俺はやらなければいけない。俺はやらなければいけない…。 結局、西村さんと行動を共にすること、トランシーバーを常備することを条件に屋敷に残った。 あれだけごねて屋敷に残ると言った手前、何か成果を残さなければ。 思い出すのは朝露石の話。従業員室の部屋からこの島の歴史書を取り出し、自分でメモに「朝露石は紫色をしているらしい」と走り書きのメモを残す。それを本の間に挟む。…これから殺すひとを情報源にするという、丸投げにも程がある方法だが、これで十分、自分が屋敷に残ってでも手に入れたかった情報らしいものを果たせただろう。…それにしても、本当のことを書いて良かったのだろうか。もしや、自分は彼らに止めてほしいとでも思っているのか?……いや、違う。敵を騙すには味方から。それだけだ。……それだけだ。俺は天野を幸せにするためにひとを殺す。それだけだ。それだけの悪辣な人間だ。 西村さんとビーフシチューを煮込みつつ、このひとも俺が殺すんだなあ、と思考してしまう。せめてものということで、ビーフシチューにガラスの破片が飛ばないあたりで台所の窓を突き破らせてショゴスに西村さんを攫わせる。 至極冷静にそれを見送り、砂糖菓子のひとつを砕き捨てる。その際、またスキットルから酒を零してしまう。…殺すのはふたりめだというのに、動揺しているはずがない。きっと酒を飲み過ぎたんだろう。トランシーバーに戸惑い困惑したわざとらしい助けを求める声を吹き込めば、3人はすぐに駆けてきてくれた。 崖下の死体を確認しに行きたいところだったが、それよりも情報を共有したいとのこと。…いまは従うべきか。 …外の建物等から得られた情報の共有を受ける。 …こちらからも、用意した情報を渡す。 砂糖菓子のアルコール臭には気付かれたようだが、それを結び付けられてはまだいないはず。 ややあって、西村さんのものであるショゴスに引き摺られたあとを追い掛けていけば、崖下に西村さんの死体を見付ける。ショゴスにはそこへ放り投げさせたのだから当然と言えば当然か。潰れた頭が遠い岩肌を真っ赤に染めている。目を閉じて祈るのは本心からだけれど、神様はいったい、俺のこの姿をどう思っていらっしゃるのだろう。この祈りは本当に、俺が殺したひとたちが天国へ行く助けになっているのだろうか。…神様。俺は、天野を幸せにしたいだけなんです。そのために、それ以外を犠牲にすると決めてしまっただけなんです。…それがどう言葉で取り繕っても、悪であるのが問題なんだ。 …蒼木さんを殺すと決めた。自分に対して気を許していると感じるから。 風呂へ行くと偽りマスターキーを使って蒼木さんの部屋に入る。窓の鍵を開け、ショゴスの侵入経路を作る。蒼木さんが部屋に入ったのを確認し、その扉の前で待機する。…窓から来たショゴスから逃げるために、ドアを開けて蒼木さんが逃げてきたときに。部屋の中へ彼を突き飛ばすために。 「あなたは悪くない。俺が悪い。死んでください」 ただそれだけの言葉。十字架の石を握りしめ、蒼木さんの動きを止め、部屋の中へ突き飛ばす。 魔術による静止を振り切ってふたりへ助けを求める声をあげたのに驚きはした。すぐにその動きも魔術の重ねがけで止め、彼がショゴスに呑まれて圧死されていく様を見守った。 ………。死んだ。死んだ。殺した。 つっけんどんな態度の子だと思った。話してみると、素直な子だとすぐに分かった。とてもいい子だった。 ショゴスが蒼木さんの両手両足をぶちぶちとひき裂く。圧死させたときに血が流れだしていたからか、その断面からは想像していたよりも血は出なかった。腹を裂く。アラーム設定をした蒼木さんのスマホを腹の中に放り投げる。ショゴスにバラバラになった蒼木さんを窓から託す。きっとゴミ捨て場に放り投げてくれるだろう。どうしてこんなに惨たらしく殺したんだろう。ただ、俺が殺した彼を見ていたら、殺さなければ、と思ってしまった。殺さなければ、殺さなければ、殺さなければ。間違いなく殺さなければ、目を閉じた網膜に映る彼の顔を上書きするほど、凄惨に殺さなければ、俺は、全員殺すんだ、こんなところで、こんな半端に止まっていられないんだ。………これで殺すのはさんにんめなのに、どうしてこうも息苦しい。 ………彼は、こんな死に方をする子でなかった。もっと、そう、きっと、彼の子供たちに囲まれて、穏やかに眠るような死が彼を迎え入れるはずだったのに。どうして。 ………自分が殺した彼のことをこれ以上考えても仕方ない。自分もアリバイ工作のため、窓からショゴスの力を借りて自室へ戻る。 ………。 長風呂だなあ、と笑われているのをへらりと笑って返す。…酒の力は偉大だ。理性があってこんなこと、できるわけがなかった。 明智さんは蒼木さんの部屋の鍵を開けるために用務員室へ行く途中、アラームを聞いたらしくひとりでゴミ捨て場へ向かうとのことだ。鍵を譲り受けるために一階へ降りて、そのついでに砂糖菓子の人形を砕き割る。 譲り受けた鍵で蒼木さんの部屋の扉を開けて、部屋の血だまりを確認し、窓を開けたときに明智さんの泣き笑いの声を聞く。……ああ。見付けてくれたんだ。 血塗れのスマホを握りしめて、頬に擦り付け、泣き声のような声で明智さんは笑っていた。 …明智さん、ほんとうに、そんなことになるほど情に厚いんですね。 ゴミ捨て場に近寄る。見覚えのある死体。死んでいるひと。殺したひと。蒼木さん。 目を閉じて祈る。本心からの祈りなのです。天国への門が、俺の祈りで開かれるのでしょうか。けれど、俺の祈りに力がなくとも、あんないい子はきっと天の国への道が開かれているのだろう。 …その未来を奪った俺が、天の国を説くことが、どんなに筋違いであるか理解している。 次に殺す相手は決めている。 いまは落ち着いているとはいえ、精神に安定の見られない明智さんそのひとだ。 雨や血に塗れたのもあって、もう一度風呂へ入る流れになったのは好都合だった。ふたりで入ろうとする明智さん、村崎原さんの誘いを蹴って、「アイルビーバック」なんて茶化して自室の風呂へ服を着たまま直行する。荷物から自分の服を持ち出し、ボロボロに加工。西村さんの死体と「位置を入れ替える呪文」を使用する。…西村さんと体格はそれなりに違うが、元型が無いからそこまで問題が無いだろう。 位置を入れ替えた先、蒼木さんと江戸川さんの死体の安置された洞窟に現れる。 …ここで祈ろう。自分が殺したひとたちに祈ろう。 …そろそろなにか、向こうで勘付かれているだろうか。 でも、もう関係は無い。関係ないだろう…。 そろそろ寝静まっただろうとの頃合いで館へ戻ると、金田一さんが駆け出てくるところだった。彼女を盾にし、村崎原さん、明智さんと相対する。 お説教されてしまったなあ。 俺がずっと、目を逸らして逸らして、逸らし続けていたことを、あんな透明な瞳で真っ直ぐ突き付けてくるんだ。 分かっていたよ。分かっていたよ。 本当は分かっていたんだ。だけどやり遂げなきゃいけなかったんだ。だから三人殺したんだ。 俺が死んだら彼女が悲しむぞ、だってさ。俺程度がひとり死んで悲しむひとが居るんだったら、俺が殺した、俺よりも遥かに素敵なひとたちを三人も殺してしまった俺は、それなら、いったい、どれだけの悲しみを、苦しみを、どれだけのひとたちに。 いまここでナイフを突きつけている子だって、死んでいい子であるわけがない。 死んでいい子なんているはずがないじゃないか!!!!!! もう耐え切れなかった。 明智さんに金田一さんを突き飛ばす。彼はしっかりと彼女を抱き留めて、だから、俺は、手にしたナイフを自分の喉へ向ける。 明智さんに村崎原さんは、俺が死んだら悲しい、なんて言ったがおそらくそれはリップサービスだろう。俺にそこまでする価値なんてあるわけがない。そんな価値が俺にあったなら、俺の両親は俺を捨てたりしなかっただろう。 俺を必要としてくれるのは、天野だけだったんだ。めぐみちゃんだけだったんだ。だから、めぐみちゃんのあんな苦しそうな様子をどうにかしてあげたかったんだ。必要とされるただひとりの家族だったんだ……。 中途半端にことを為して、あげく、成し遂げられずに心が折れた。 何から何まで俺らしい。なんにも残せなかった。なんにもなかった。俺はきっと、最初から居ない方が良かったんだ。 ……天野。たのしい夢をありがとう。もう、さよならだ。 …最後に。 村崎原さんと明智さんには伝わらないだろうけど、ショゴスに最後の命令を下す。 「俺の死体を運べ」 それを何より優先させる。 ふたりに出会ったとしても、しばらくは襲われることは無いだろう。 俺を止めるためのリップサービスでも、少し嬉しかったよ。 俺がいなくなったら寂しい、なんて言ってくれたのは、天野以来のことだったからな。 …ああ、だからか。 だから。 俺は、こんなに…いつも…中途半端で…、 神裂紅咲 ロスト
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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エラーメッセージ
「クトゥルフ神話TRPG」は
ケイオシアム社
の著作物です。
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