タグ： ひねのや ひかる

ー山を登るとは何か。 ーー登った先に何を得るのか。 ーーー答えは見えず。だが彼は今日も山を登るーーー 登山家として活動する前は、とある一流企業に勤めるエリートだった。しかしなまじプライドが高い上に上司との折り合いが悪く、しばらくして自身から退職。その後他の会社に就職してもなかなか結果が出せず、次第に焦りが出始める。何度か転勤を繰り返した後、一番最後に入った小さな企業の社長と共に、決して高くない山に登ったのが登山家の始まりであった。 当時の彼からしてみれば、山を登ることには全く意味がないし、実際登る前までそんな気持ちだった。 だが、険しい道のりを自らの足で進み、息を切らしながらも頂上までたどり着いた時、何とも言えない達成感が芽生えた。一流企業に勤めていたころには決して味わえなかった気持ちを登山から感じた彼は、なぜそうなるのかという答えを探すために登山家として大成していくことになる。 師と呼びはじめた社長からは様々なことを教えてもらった。登山家としての道具・心得・経験…… しかし、たった一つ、「なぜ山を登るのか」という問いには「そこに山があるから」としか言われず、答えがぼやけたまま、社長は病気で死去。悲壮にくれる。 師の死亡からしばらくして、狂気山脈のニュースを知る。前人未到の世界最高峰。既に多くの山を踏破してきたが、ここの頂点に立てれば、いまだ見えぬ答えがみつかるかもしれない。 師の弔いと、自分自身にある答えを探すため、彼は決意する。 最近は登山中の事故から助けたカメラマンも山登りについてくることが増えたため、基本的な知識は教えてやった。 狂気山脈　脱出中に死亡。 未知なる山嶺を夢に求めて　踏破

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