タグ： 雲泉。 大正ロマン

百浦の華。それは私をさす言葉。私への周りの評価。 幼い頃に両親を亡くし、弟と共に母の生家たる百浦の家に引き取られました。おじい様もおばあ様も厳しくも優しく私と弟に良くしてくださいました。 私は心身ともに弱く、いつも明朗で聡明な弟に手を引かれ庇われてきました。いつも誰かに守られているのが今までの私の半生でした。 私はまだまだ子供。おじい様やおばあ様がいなければ生きられない。私よりも器用になんでもできる自慢の弟は愛おしくて、けれど劣等感を抱くには十分な存在でした。私は、いつも、守られるだけ……。 本当にこれで良いのでしょうか？ 籠の中の鳥。けれど、私は扉が開いても外には飛び立てないのです。女は家に縛られるのが今の世の中ですから。いつか私も殿方と添い遂げねばなりません。 おじい様は先進的な考えの方で、私を女子大学まで通わせてくださっています。良き妻になる前に、社会を知り見識を広めておきなさいとのことですが、私はわかっています。これは猶予なのです。自由に過ごせるただひとときの。 家督は弟が継ぐでしょう。優しい弟です。私のためにお医者様を目指していますが、それが叶うかはわかりません。 本当に、これで良いのでしょうか。 ただただ、かりそめの自由を謳歌している私にも何かできないのでしょうか。お飾りの華は嫌なのです。 恩あるおじい様やおばあ様、愛する弟のためにも少しでも誇れる存在に。本当の意味で「百浦の華」になりたいのです。 両親が揃って他界したことで世間の冷たさを知ったももちゃん。 周りの人が百浦の家名を欲していることと汚い心算で近づいてくるので人見知りを悪化させてしまった幼少期。 女は家に縛られ、夫に縛られるということに早くに気づかされてしまったけれど弱みを見せてはつけいれられると虚勢を張って見せるようになった。 でもやはり怖がりなのはかわらないつんしょぼ系。 両親は事故（事件？）に巻き込まれる形で亡くなっており、その時の天気と周囲の人の阿鼻叫喚な様子から雷と大きな音、怒鳴り声は苦手。 怪我の後遺症で左足があまり動かない。そして、左足の付け根にそのときの傷跡が残っている。 （ちなみに、一度縁談がまとまりましたがその相手は死にました。事故死←）

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