タグ： ゆいこ 花冷え

89C3EB ブロンドの髪、アイスブルーの瞳。すらりとした体の色白な少年。 Myosotisの花が皮膚の表面を覆っていて美しい。 父と母、年の離れた弟が一人いる。 https://swetabi.com/swedish-name Noah Lindberg（リンドベリ）。 「Lind」は菩提樹、「Berg」は山という意味 2015芸術家より取得 言いくるめまたは【説得】、【芸術（任意）】または制作（任意）、心理学、目星、歴史または【博物学】+生物学、天文学、芸術（ピアノ） 花：Myosotis（勿忘草）「私を忘れないで」「真実の友情」 イメソン：Myosotis または Fluquor（Deemo） どうか君が助かりますようにと祈った この木陰で、力の限り 苦しみの中叫んだ「どうか助けてください」と --- きらめく記憶の中で微笑む君を見た 歪な祈りの歌に夢の終わりを知る 僕/君 その子どもは確かに愛されていた。……花が芽吹くまでは。 少し裕福な家庭で何不自由なく教育を受けてきた、長男だった。 いつか家を継ぐつもりで勉学にいそしみ、その傍らでピアノを奏で、歌を紡いできた。 だが、もう何歳の時だったか忘れてしまったが、花が体に芽吹いてしまった。 その気味の悪い病のせいで、誰からも気味悪がられ、両親も最初のうちは労ってくれていたが、いつしか顔に疲れの色がにじむようになり、ついには家督を継がせることを諦められてしまった。 そのうち弟が生まれ、彼に向けられていた愛情はほとんどすべて弟に注がれるようになった。彼は気づいていた。こんなに年の離れた弟が生まれたのは、両親の仲が再燃したからではないのだと。 皮肉にも彼に芽吹いた花はMyosotis……忘れないで、と願うほどに花は芽吹き、彼への愛情は忘れ去られていくのだった。 そんな折、両親がアヴリルの存在を探し当てた。 貴方はここで療養するのよ。18歳になったら治療を受けることができるからね…… そんな言葉を枯れた唇の端に浮かべて、彼は送り出された。 もう愛してもらえないなら、これ以上堕ちていく前に距離を置くのが一番いいと思って、彼は素直にうなずいた。失くした愛情に本当は縋り続けているけれど、病気さえ治ればもう一度元通りに慣れると自分に言い聞かせた。 そうして少ない衣類と、いくつかのお気に入りの本をトランクに詰めて、Myosotisを揺らしながら、彼はアヴリルの門の前に立った。 神様、この困難を乗り越えたら僕は、また元通りの暮らしに戻れますか？ 僕は努力をして、知識を身に着けて、人を愛しますから、また僕が愛される日々をください。 悲しみに潰される前に、 神様、どうか、助けてください。 ----- よく躾けられた、行儀も聞き分けもいい子。 いつか社交界に出ることを見据えて表面は穏やかにしているすべを身に着けたが、そのくせ胸中には激情が渦巻いていて、誰かにわかってもらいたい、わかってくれる人なんていない、誰かに噛みついて傷つけたい、誰かを癒したい、必要とされたい、そんな気持ちに苛まれている。 本を読むことが好きで、歌うことが好きだ。そうしている間に、自分でない誰かの物語に心を重ねて、現実を忘れて世界に溶け込むことが好きだった。 紅茶にはミルク、砂糖は要らない。 かつては平均程度の筋力を持っていたが、心臓から芽吹く花の成長を抑えるためだと運動をしないように言いつけられていたため、筋力が衰えてしまった。 根っこは頑張り屋さんのおっとりさん。 手先が器用で、放っておくと一日中ピアノを弾きながら歌ったり、本を読みふけったりしている子ども。 両親のことが大好きだった。がんばったら褒めてもらえて、優しくなでてもらえて、今日見つけたことの話をして……夜は暖かい布団にもぐりこんで、明日はどんな話をしようって夢を見ていた。

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