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「響き渡らせたいの、私の音を。私だけの音を！このホールいっぱいに！｣ 響加世 和（ひびかせ わたる） 音楽大学音楽部器楽科でピアノを専攻している女子大生21歳。好きな食べ物はドーナッツ。趣味は読書。 ピアニストの母、作曲家の父、ヴァイオリ二ストの兄を持つ音楽家の家系生まれ。 所謂"お嬢様"で、超絶とは追わないがそこそこのお金持ち。 一人娘が故に愛され厳しく育てられた。己の身は己で守れるように、と言われ幼少期からピアノと同時に空手を習っていた。然し、ピアニストにとって手は命よりも大事なモノ。ピアノの弊害にならない様、蹴り技を極めたらしい。 お金持ちな事をお高くとまるワケでもなく感性はあくまで庶民的な様で、口調に棘があるものの社交的で生真面目な性格で人当たりも良い。 …………が、ピアノの事となると一変。エレベスト如くプライドが高くなり、己が1番でないと気が済まない程の負けず嫌いっぷりを発揮する。 親からの圧力や教育故の必殺ではなく、あくまで一個人の奮闘。本人の意思による苦悩。過去、世界一慕う兄から「もう一生お前とは弾きたくない」と言われた事がきっかけで、強く1番を望むようになった。 全ての努力と苦悩は、兄に認めて貰い何時しかの様に、一緒に弾くためである。 「…わたる。響加世 和。其れが私の名前。貴方に教える事だなんてこれで十分でしょう。……え？好きな食べ物？ドーナッツだけど……それがどうかしたの。」 「言う程ウチはお金持ちじゃないわよ。家は少し広いかもしれないけれど、石油持ってるわけじゃないんだし。」 「私は、…1番でなければならない。2番でも3番でも駄目よ、絶対1番がいいの。だから、あの子を超えるの。私が1番になるの。＿＿＿＿＿そうしたら……兄様も認めざる負えないでしょ。私が優秀な妹であることを。……それで、…認めて貰って……また、一緒に……………弾くんだから。」

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